相原ユタカの“年収3万円海外プロサッカー選手放浪記” Vol.35~黒い彗星、イドゥリス&マイコー登場~

ディパリーにて活動(フィジカルトレーニング)を開始。
しばしの時を経ても必死の走りっていうこのルーチン作業は変わらない。
そんなバングラのくせにマンネリな日々。
でも、この日は違った。
いつもの公園で走る準備をしてると、遠くから黒いヤツがこっちに向かってきたんだよ。
そう、そいつこそがイドゥリス(ウガンダ人)。
今後、ボクと深くかかわってくる初めての黒い親友。
えっ、ベンジャミン?あいつはむしろ敵だったよ・・・・・・。
さて、そのイドゥリス。
どんなコネクションで来たかは良く分かんないんだけど、やっとこのチームでまともに話せる相手が出来たよ。
ボクがベンガル語を話せないのがいけないんだけど、このバングラデシュって国の人間は妙な英語しか話せないらしい。
Give meで始まる英語ね。
要するに”〇〇くれ”ばっかりなのよ。
なんかね、この国では”持ってる人間”は”持ってない人間”に与えるのが当然のようなのよ
たった今、履いてフィジカルトレーニングしてるボクの靴を見て、「Give me your shoes.」とかね。
そんなとき以外、彼らは英語が堪能じゃないから、普通の会話が出来るイドゥリスがボクにはありがたかったよ。
ボク等は一気に仲良くはなったんだけど、妙に暗いのよ。「I’m sick.」なんてよく言ってるし。
ある日の練習後、ヤツが泊ってる所に案内されたのよ。
そりゃぁ、暗くなるよ。
ローカル選手(ベンガル人)と同じ小屋にみんなで寝泊まり。
しかも、15人1部屋くらい・・・・・・。
ボクが味わった苦味よりさらに、ホイップを効かせてるよね。
暗い大部屋の端っこのベッドに佇む黒人のイドゥリスは、遠くから見たらホントに無になりそうだった。
「ユタカ、契約出来てもいいプレーできねえよ・・・・・・」
これを言い訳なんて言うやつが来たら、たとえ相手が国家権力でもボクは戦ってやるよ。
でもね、間もなくして上の奴と交渉して他のベテランたちが泊まるホテルに移動で来たのね
そしたら、母国で見せてたであろう素敵な笑顔を出すいい奴になったんだ。
そして数日後。
イドゥリスはウガンダ人のマイコー(ウガンダ人)を連れて来たの。
マイコーはイドゥリスと同じホテルの同じ部屋に泊ってるのよ。
マイコーもイドゥリスもボクと同じで、この国が嫌いになるのに10日あれば十分だったのよ。
気安く話しかけてくるベンガル人。
そのベンガル人の好奇の視線。
町の異臭。
やたらめったらな上下関係。
そして、彼らが1番つらかったであろう事は、彼らのホテルで毎食カレーだったよ。
分かるよ、その気持ち。
ボクもキャンプ時代そうだったから。
・・・・・・結構平気だったけど。
「アフリカでは食べたくても食べれない人が沢山いるから残すことは許さん。」
小学校の時の担任はそう言って、好き嫌いの多いボクに無理やりいろんなものを口に突っ込んで来たのよ。
お蔭で、その時からボクは自由にゲロを吐けるようになったのよ。
きゅうりを口に入れられた時はその先生にゲロをぶっ掛けてやったくらいだから。
あの時の先生へ。
アフリカの人達は「もうカレーは嫌だ」って理由で、食べ物があるのに食べることを拒否してました。
残すなんてもんじゃなく食わなかったですよ。
話飛びましたが。
『バングラデシュが嫌いです』
この共通意識のお陰でボク等の距離はすぐに縮まったの。
通常2人乗りの人力車に、金節約のため3人で腰かけて歌うのさ。
バンガラバンガラデーッシュ ベリー ダーティ カントリー♪
バンガラバンガラデーッシュ ベリー スメイリー カントリー♪
バンガラバンガラデーッシュ ベリー クレイジー カントリー♪
街中、大声で汚え国だとか、暴言吐きまくりで乗車する外人3人。
申し訳ないがあの頃は荒んでた。
今思うと、非常に失礼極まりないし、国際問題に発展しても致し方ないけど、そのくらい荒んでたの。
あの時はすいませんでした。
よく市民に殺されなかったよね。
イドゥリス、マイコーの登場でボク等の結束が固まり、それと同時にどんどん荒んでいくのでした。
<次回へ続く>
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