はみジャパ習慣(1)日本からはみ出してみる
先日まで「タイ式のほほん習慣」としてミニ連載していたOPINIONコラムが、タイの枠を超えた「はみジャパ習慣」として、新たに始まります!
その前に。
「はみジャパ」とは・・・「はみだしジャパニーズ」の略。
良い意味で日本人らしくない状態、もしくは日本の土地を越えて生活している状態を指します。
名前も新たに始まった第1回は、「はみ出すこと」について書きます。
どんな国の人でも、どんな文化の元で暮らしている人でも、「やっちゃいけない」と思ってやらないでいることって、日常の中にもいろいろあると思うんです。
日本のような無宗教の国では考えづらいことですが、宗教のある国では「神を欺いてはいけない」。イスラム圏では「お祈りを忘れてはいけない」。社会主義国や独裁国家では「国や政治を悪く言ってはいけない」。
タイ式のお祈りポーズを、韓国で。無宗教な日本人のワタシだからできること?
アフリカ圏など、婚姻に関する法整備の進んでいない文化の中で暮らしている国では、重婚が許されることで「浮気」「不倫」という概念こそないかも知れませんが、日本のように法整備の進んだ国では、既婚者が他の異性と結ばれたら、法的にも世間的にも大変なことですよね。
フランスでは婚外子(入籍していない夫婦の元に生まれた子)が多く、子供の立場によらずその人数に応じて手当などの社会保障制度も成り立っていますが、日本では婚外子は珍しい存在として認識され、子供を持つこと=入籍していること(逆に、結婚したら子供を持つもの、という図式も)になっており、一昔前までは同棲すら破廉恥だと言われたりもしましたよね。一人っ子政策の中国では、婚外子なんて、きっともっての他ですね。
余談ですが、先進国の中で未だに「籍制度」が存在しているのは、日本だけだとか。子供を持つこと=入籍していること、というこの国では、少子高齢化の原因にこれが大きく影響していると、大学のとき「人口学」の授業の先生が言っていました。
「美」や「かっこよさ」、「はずかしさ」に対する概念も、これらは本当に曖昧なもので、ひとたび国境を越えれば全然違うのだな、と思います。
タイでは男女ともに、バッチリメイクがキレイの基本!
大きなお尻がもてはやされるアフリカの文化もあれば、せっかくの真っ白のお肌を焼きたがる白人達。トイレに「音姫」が完備されているのは日本くらいで、ほとんどの国で用を足している音を水音で消そうとする文化はないと思います。
タイに住んでいた頃、トイレで電話をするタイ人に驚きました。
「用を足してる音、聞こえちゃうんじゃない?(笑)」って。
こんな風に、ふだん私達が「これはやっちゃいけない」「これはかっこわるい」と思っていることは、ずいぶん普段の生活環境や、これまでの教育の影響を受けているのだな、と思うのです。
その逆も然り。「これはこうすべきこと」「これはやっておくことが望ましいこと、かっこいいこと」という考えも、これまでの生活環境(特にテレビや雑誌などのメディア)や教育の影響を、強く受けていますよね。
飛行機でひとっ飛び別な土地へ行っちゃえば、全然そんなこと、ないかも知れないのに。
ひとっ飛び!
私が日本人で、日本という土地で暮らしている時間が長いせいかも知れませんが、義務教育の間に長いこと横並び指導を受けて来た影響か、日本には特別そういう概念が多い気がするんです。
なにより、まじめな人(民族)ほど、多い。自分で勝手に「タブー」にしている物事って。
「これをしたら、周りから批判されるから」
「こうしていないと、格好が付かないから」
ふだんの何気ない行動はもちろんのこと、就職・職場選びや結婚などの人生の大きな選択にまで、それが大きくのしかかっている気がします。
その選択が大きいものであれば、大きいものであるほどに。
そうやって「自分がどうしたいか」という自分基準より前に、「他人からどう評価されるか」という他人基準を採用することで、いつの間にか「自分は本当はどうしたいのか」を感じ取れなくなり、本来の自分を見失ってしまって、現状に迷っている人や不満・行き詰まりを感じている人が、この時代この国に、非常に多い気がします。
そんなときにおススメの習慣は、日常の中の小さな欲求に素直になること。
いきなり転職や就職、結婚や離婚ナドの大きなコトに取りかかろうとしても、長いこと小さな欲求を無視してきた鈍った感覚では、どうしたいかなんてわかりません。
だから、まずは日常の中の小さなことから・・・ショートケーキの上のイチゴを一番最初に食べてみるとか、食べきれないと思っても本当に食べたい物を注文するとか、寝る前だけどお腹減っちゃったからお夜食するとか、明日も仕事が朝早いけどビールしちゃうとか、いつもと違うルートで通勤してみるとか。
自分の中の小さなタブーをはずして、自分にいろんなことを許し、キャパを増やしていくことで、自分は本当はどうしたいのかって、だんだんわかるようになるんです。
これ、就職活動時期の学生さんたちや、「自分は本当は何をしたいのかわからない」って人達にも、オススメの習慣です。
ところ変われば文化も変わる。
こちらの常識は、あちらの非常識。
日本でかっこわるいことも、あっちではかっこいい。
ここでは間違っていることも、あっちではなんでもないこと。
その逆も然り。
同じ物事も、違う側面や違う切り口・入口から入ると、無数の解釈ができてくる。
全ての物事に「正しい・間違っている」はなく、それぞれの捉え方があるだけなんですよね。
だとしたら、「本当にやりたいと思っていること」
思い切ってやってみても、いいんじゃないですかね?
それで今まで並んでいた横線をはみ出すことにもなるかもしれませんが、そこではみ出した自分・見えた自分こそが、「自分の個性」というヤツなのかも知れません。
「正しく生きることだけが、正しくはない」ということは、あるんですね。
仕事でも恋愛でも結婚でも、気負わずに、普段の自分で、ただ呼吸するようにいられたら、それってすごくラクなこと。
選択肢はたくさんあるし、自分で作ることもできる。要は『自分で選ぶ』こと。
それが「本来の自分を生きてるラクさ」かな?と思います。
自分らしくやっている人ほど、肩の力が抜けて、タブーが少なくて、ノビノビとワイルドに、ナチュラルに生きていますよね!
そんな「はみジャパ」習慣、いかがですか?
「はみジャパ」なお話は、マダムコラムと併せて、今後も気付いたときに更新予定です。
こうご期待!
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