相原ユタカの“年収3万円海外プロサッカー選手放浪記” Vol.39~ついに実ったリーグデビュー~

Multiple Players Holding Soccer Ball

ようやく、ようやくよ。

この国に来て契約ができたよ。

地方でMVP獲って、そして契約。

って言っても、MVPとか関係なく開幕まで1週間切ってるから契約できたんだけどさ。

実際、イドゥリスだけじゃなくって、病欠のマイコーまで契約の話に進んでたし。

契約が出来ないのは、地方の試合で半分以上がオフサイドのFWポール(これまたウガンダ人)だけだったね。

 

で、開幕前日。

実際にサインをするのはこの日なんだ。

と、ここで外国人の厄介がでだしたよ。

ウガンダ人の2人(イドゥリス、マイコー)が契約書にサインをしないって言いだしたんだ。

なんかね、どこで聞いたか「あのオーナーは給料を絶対に払わない。」って言いだして、契約はしないなんて言いだしたのよ。

 

あ、ボク?

そんなん知らないからサインしちゃったよ。

 

でね、ボクは奴らがいないとうちのチームは話にならないと思ってたから、なんとか契約するように説き伏せようとしたんだけど、頑として動かねえの。

しかも、なぜかうちらにゃ金がねえとかあさっての方向にまで話が飛んじゃうし。

確かに伸ばしっぱなしの、彼ら特有の天パーは既にプチアフロになってたし、坊主にする金もないほど財布の中は坊主みたいだったけどね。

唯一の救いは、「じゃあ、代わりに俺が契約してやる。」って言ったポールのオフサイドに、チームは全く耳を貸さなかったことだね。

で、契約しようって話に行ったボクだけどね、最終的にはさ・・・・・・。

何故か100ドルをあげることになってたよ・・・・・・。

おい、ボクはオーナーじゃねえぞ。

この金でウガンダに帰るとか言ってたけど、そんなにウガンダは近い国じゃねえはずだ。

でも、すでにその頃は次の国ウガンダを視野に入れてたから泣く泣く100ドルを奴らに献上。

結局100ドルをあげただけで奴らに説得出来ず。

ってゆーかボクが100ドルの説得をさせられただけで、外国人はボク1人で開幕を迎えることになったのよ。

 

そして、開幕戦。

神様っていないのかな?

頑張ってここまでたどり着いたボクは、この日も絶好調で下痢よ。

しかもwith微熱ときたもんだ。

きっと軽い食当たりだね。

「プロなんだから体調管理しっかりしなきゃ」

なんて言うヤツはバングラデシュでサッカーやってみろ。

”体調管理”ってものが、”とりあえずそこそこ走れるレベル”って意味になるから。

「ってゆーかプロなんだったらそんな環境にいるなよ。」

なんて言うヤツ。

 

そいつはごもっとも!

 

さて、朝から3度ほどトイレに行き、昼過ぎにチームの集合場所の古屋みたいな寮に向かったのね。

そこで試合前のミーティング。

もちろん何言ってるかなんて分かんねーけど、ボクは左の中盤で点を取って来いって指示が出てることは了解できたから、要は頑張ればいいの。

 

さて、話に聞いてた4時キックオフ。

相手は前年度優勝のブラザーズ。

ボクが1度テストを受けようとしてたチームよ。

うちはギリギリで昇格してきたチーム。

リーグ全体でブラザーズに勢いをつけようって腹か。

そうはさせん!

開始早々全開で攻め立ててやるっ!

な~んてのもいかないのがこの国。

 

え~~~~っとですね・・・・・・

開幕セレモニーがですね・・・・・・

始まらんのですよ・・・・・・

始まったら始まったで・・・・・・

終わらんのですよ・・・・・・

開始早々自体が遅れるという、メンタルの大参事。

 

仕切り直して、5時過ぎのキックオフ。

頑張ろう。

お蔭でホイッスルが鳴りだす前にお腹はピーピーなってる始末。

でも、必死に頑張るしかない。

 

漏らさないように・・・

 

ところがどっこい、試合が始まるとユタカの動きがさえてるワケよ。

左サイドをガンガン突破してセンタリング。

うちのFWの打つシュート、枠を外すがいい流れに。

そんないい流れで、ボクの大っキライなベテラン選手チョンチョロのシュート。

これは何を狙ってるか分からず。

だいたい名前がふざけてんだよ、アイツは。

意外といい流れに試合を運べたんだけどなかなか得点できずに、その間に点を取られる苦しい展開に。

そしてボク自身、微熱、下痢、試合中に食らった腰痛でさらに苦しい展開に。

 

結局、ボクは後半で交代しちゃって大人しくベンチ脇で静かに横たわることに。

チームは1―2でそこも横たわることに。

この国での嬉しいはずの開幕戦はいろんな意味で苦い開幕になったんだね。

今後の展開を思うと、まだまだこんなの序の口でしたが・・・・・・。

 

<次回へ続く>


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