Go as Flows
ここカタールに来て4年目を迎えました。来た当初は宗教、文化、風習のまったく違うこの国で戸惑う毎日でしたが、今では随分と心に余裕を持って生活出来ていると思います。 この国の人たちは、よく『En Shallah(インシャッラ~)』という言葉を発します。きっと皆さんが観光等でこの地域を訪れたら何度も耳にする言葉なのではないでしょうか。次第に耳につきはじめ、初めて覚えるアラビア語になるのではないでしょうか。この、インシャッラ~の意味は『神のみぞ知る』です。
来た当初、正直申しますと『インシャッラ~』は私の神経を逆なでする言葉でした(笑)それと言うのも、例えば公的機関へ行き、書類等を提出する。『この結果はいつ頂けますか?』『インシャッラ~』。『この手続き、ちゃんとしていただけますよね。大丈夫ですか?』『インシャッラ~』。何も確約が出来ない…という状況が多々発生。また、お役所さんのお仕事スピードがかなり遅い…。日本だと、『何日、何曜日までに仕上げます』と言うところで、こういう回答は拍子抜けしますよね。確約がないという不安は結構な心労も伴ないます。 これは気にしていたら自分がもたない。この国がインシャッラ~なら、私もその流れでいこう!日本の様式を持ち出して、力いっぱい押し競饅頭をさせても、相手もストレス、私もストレス。当初このように諦めにも似た気持ちで、『インシャッラ~』を使っていた私ですが、この『神様のみ知っています』という言葉、実はとても魅力的な言葉ではないかと最近少し認識が変わり始めてきました。
仏教でも、『人間とは妄想家で幻想家ですぐに現実から心が離れてしまう生き物である。幸せに生きるためには今、今を意識して現在を生きること』を説いています。そのために瞑想という、すぐに『今』から離れてしまう心に意識をあてる訓練があります。 日本はこのカタールと比べると、とても忙しい国です。経済大国なので皆さんフル稼働して働かないといけない。フル稼働するために先々の状況を読んで、その準備にいそしむ。私たちが生きているのはもしかしたら、『今』ではなく数秒先ではないかと疑うほど忙しい毎日です。
私が客室乗務員として働いていた時のお話ですが、日本人のお客様の準備の良さに毎度感心させられていました。機内の乾燥対策マスクを始め、スリッパ、冷え防止の靴下、耳栓、お薬、枕、そしてご旅行先のガイドブックを暗い機内の読書灯を使ってしっかりとお勉強。ヨーロッパ等のお客様は手ぶらに近い状態でひょいっと飛行機に搭乗し、後はお酒を飲んでぐっすりという方が多いので、日本人は効率的とも言えますが、やはり先々に心が逸ってしまっているのではないかなとも思います。この旅行準備に関してはご立派としか申し上げようはないのですが、少し先の未来に備え、効率性を考え、準備をするというのは結構なストレスを伴う作業だと思います。
私も含め忙しく生きている日本人。たま~に肩の力を抜いて『インシャッラ~』なんて言ってみるのはいかがでしょうか。ご旅行も、何が起こるか分からないからこそ楽しい!といった気持ちでガイドブックは捨てて、生の匂いに頼るというのも楽しいかもしれません。行き当たりばったりで出会ったことから人脈や見識が広がるというのも旅のロマンな気がします。明日が来るだなんて確約もないし、本当にもしかしたら一秒、一分先は誰も計り知れない、神様のみ知っている領域なのではないでしょうか。
カタール。とてもの~んびりしたお国です。最近、急成長中で、飛行機のストップオーバーで立ち寄る日本の観光客の皆さんの数も増えてきましたが、この『インシャッラ~』を耳にしたら、イラっとせずに(笑)ニコリと心に余裕を持たせて滞在を楽しんで欲しいなと思います。この国の流れるスピードに身を任せ、アラブ人とお友達になると、すぐに心を開いてくれてとても暖かく迎え入れてくれると思いますよ。
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