「先生、27歳にもなってよくやるね」

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■後戻りできない実費留学

nishijyo3 留学のもう一つの目的は、大学院留学です。英語教師のはしくれとして、TESOL(英語教育法)修士号を取得したかったのです。大学院のコースには、世界中から英語の先生をしている(していた)人がたくさんいました。中国、韓国からも本当に大勢が来ていました。中国人と韓国人の英語教師は、学校または管轄の教育委員会から「海外研修」という名目で派遣扱いされているようです。

つまり職を残したまま、しかも有給での留学ということになっているのです。中国・韓国では近年、こうしたシステムがどんどん進められているとのこと。それに比べ、僕は職を辞めての実費留学でした(泣)。もちろん、休職扱いにしてもらえるようにお願いしましたが、返事はNOでした。(僕の勤めていた某都道府県の話で、他府県にこうした特例があるのかは知りません。)

少し元英語教師らしいことを言わせてもらいますと、今までのような文法や単語の丸暗記などにフォーカスした現在の英語教育のシステムでは、残念ながら日本人は英語を話せるようにはなりません。またTOEICなどのような資格試験でハイスコアーを取れることが「英語力がある」とみなす風潮にも問題があります。

日本以外の非英語圏の国々が、「どのような英語教育を施し、自国の子供たちに英語を習得させているのか」ということを、やはり日本の英語の先生たちは知らなければなりません。そのためには、やはり「外」に目を向ける必要があるのです。

ところで、昨今日本では「グローバル化」を謳い、小学校英語教育義務化が導入され始めたり、楽天やユニクロは社内英語公用語化に踏み切ったりとしていますが、まだまだ日本人が自分から外へ「発信」していく場・機会が不足していることは否めません。そのためにはまずは「教育」に目を向ける必要があるのではないでしょうか。

文法・暗記中心の英語教育から、コミュニケーション重視の内容に変えていくとともに、「自己表現」を鍛練する場が必要だと考えます。良くも悪くも、日本人は、「まじめすぎる」「おとなしすぎる」ということを2年間の留学で痛感しました。

 

日本人の良さを消して、何もかも世界基準にしろ、などと言うつもりはありません。「外の世界を知って、なおかつ自分たちのオリジナリティを出していく」、という姿勢が大切だと思います。

 

僕は、長野県の小川村という人口3000人弱の小さな村で生まれました。高校、大学生時代には、「村」出身というだけで、からかわれたものです。おそらく「村」という言葉には、「田舎者で世間知らず」というイメージが付いているのでしょう。でも、世界から見たら日本もまた「小川村」だということにも気づいてほしいのです。

初めて海外のサッカーチームに所属したのは、21歳の時。大学の交換留学生として渡米した時でした。アメリカのワシントン州にある「Yakima Reds FC」という3部のセミプロチームに運良くも合格。監督には、マルセロという元フラメンゴの選手でブラジル代表にも選ばれたことがある人が就任していました。チームメイトは、みんな将来プロを目指す選手ばかりです。

単に大学からの派遣留学生としてやってきた人間が、別にプロを目指すわけでもなく、興味半分でトライアルを受けたら合格してしまった。昔はプロサッカー選手を目指していましたが、その夢は高校でレギュラーになれなかったことで、早くも挫折していた自分にとっては、まさに青天の霹靂のような事件だったのです。

日本ではまったく通用しなかったのに、海外でこんなチャンスにめぐまれたことが何よりもうれしかったのと同時に、「海外の可能性」について目を向けだしたのもこの頃です。

こうした経緯から、現役プレーヤー、大学院生の傍ら、日本人選手の豪州チーム移籍のために代理人業も続けて来ました。この2年間の間に、10人以上の日本人選手が現地のチームに入団。昨年は日本人5人目となるAリーガーも誕生(シドニーFC森安選手)。「日本で埋もれている才能をつぶしたくない、多くのチャンスを日本人に与えたい」という思いで、日々日本人選手のサポート活動をしています。僕自身は、今年の5月には帰国する予定です。その後は、日本人が海外に進出するためのサポートを続けながら、日本人が本物の英語、本物の国際感覚を身につけられるように尽力していきたいと思います。

経験

 

 ■価値観・思い込みをなくすことがチャンスにつながる

最後に、「グローバル」とは何か、簡単に自分なりの意見を述べてみたいと思います。グローバルな人というのは、「自分が今まで築いてきた習慣、観念、常識というものを一旦崩し、新しい視点で考えられる人」のことだと思います。今回の2年間のオーストラリア留学を通して得たことは、世の中には本当にたくさんのチャンスが満ち溢れているということ。

それなのに「もういい、年だから」とか「日本で通用しなかったから、海外でも通用するわけない」というように自分で自分に限界を与えてしまうことによって、チャンスを自らつぶしてしまっている。自分が生まれ育った環境、学校で教えてもらったことがすべてではない。

nishijyo2 それらの価値観や思い込みを一度白紙に戻すことによって、今まで見えなかったものが見える、そして驚くほどのチャンスが転がり込んでくる、ということを知ってほしい。冒頭で紹介した教え子の言葉は、まさに今の日本社会を表しているような気がする。もっともっと、日本人には視野を広げてほしい。

そうすれば、これからのグローバル社会で日本が大きな役割を担っていけることは間違いないと思います。

<了>

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