海外との体当たりビジネス、はじめの一歩@MILANO

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「海外とのビジネス」なんて、JETROか経産省の輸出セミナーのお題のようですが、要するに海の向っかわと商をするということ。○×商事、△□物産などという大きな看板もしょってない、現地語が堪能というわけでもない・・・・、こんな状態からのスタートで身をもって知ったのはコミュニケーション能力の必要性。とはいっても、難しいプレゼンテーション方法や語学スキルをお話したいわけではありません。

「郷に入れば郷に従え」!・・・・と、言っても何から始めればいいのかしら?そう、そこなのです。大なり小なり商いをするにもこの地で暮らすにも必要な郷の入口が見える体当たりのトピックをミラノからご紹介します。

 

さて、私は一体何をする人か?プロフィールにもありますがまずは簡単に自己紹介。

繊維産業はかつ日本の主要産業でした。「女工哀し」でも、絹紡工場に沢山の女工さんが送られ、それでも人手が足りないほど。現在は産地ごとに特色も強くなり、泉州では綿毛布、今治ではタオル、遠州では綿織物、甲州ではシルクやポリエステルの硬く織った布地・・・・等々、日本中に沢山の個性ある繊維製品があるのですが、この世界的経済危機で個人の財布の紐の結び目は硬くなる一方、当然衣料品へのしわ寄せが大きくなり、今や風前の灯、絶滅危惧種。

ワインが同じ品種のブドウを使っても、その土地の気候風土の影響を大いに受け個性をもつのと同様、テキスタイル(服地)も、同じ綿・毛・絹を原料に使っても、日本と他国のものではその個性が違ってきます。この個性は国民性も含めた気候風土の違いですから、モード大国のイタリアと言えど同じものを作ることはできません。

また、私たちに日本人がMADE IN ITALYに魅かれるのと同じくらいMADE IN JAPANへ憧れをもっています。「お上をあてにしていたら、絶滅しちゃう・・・・・」と、絶滅危惧種保護活動、つまりはプロモーションを個人商店として始めたわけです。日本からイタリアへのテキスタイルの輸出、これが私の第一専門分野。

 

第二専門分野は、私たちに日本人の持つMADE IN ITALYというファンタジー。これが、ちょっとしたスパイスとなって日本国内のファッション産業の活性化につながれば(志は高い)!と、ボタンやファスナーなどの服飾資材のイタリアから日本へ輸入。

どちらの分野も、頑張れ日本のファッション!と、2010年10月に単身日本を飛び出してしまったわけです。

 

個人商店、ゼロからの出発。そう簡単にはいかない覚悟はしていました。常に藁をもつかむ気持ちで、周囲に助けてもらいながら本日に至ります。

ビジネス=商と言っても、とどのつまりはヒト対ヒト。イタリアの場合日本に比べ、仲間意識や仲間内助け合いの精神が成熟しているように感じます。確かに国土面積は日本の8掛けに人口はほぼ半分なのですから、必然的に人との結びつきは強くなるのでしょうね。言葉の壁や習慣を超える大切なコミュニケーション。どうやらここに鍵があるようです、ビジネスも。

海外とビジネスするには、仕事になる程度の語学力(!?)は必須ですよね、例えば最低限英語・・・・。イタリアでも仕事であればたいていのことは英語かたずきますが、私が通ったイタリア語学校では、ビジネスでもまずは恐れず、恥ずかしがらずイタリア語で接近すべし!と、教わりました。

挨拶、自己紹介、まずはこの程度からでもOK。イタリア人は外国人のこのいじらしさにぐっとくる!訳ではないようですが、誇り高い国民性なだけに外国人が文化や習慣をリスペクトすることに好感をもちます。彼らにとっても外国語である英語で切り出すよりも、稚拙ながらイタリア語切り出すことが彼らのココロを開くには効果的。正直な話、これからビジネスをしようという相手に稚拙なイタリア語を披露するのは日本人としては、あまりよろしくないように感じもしますが恥ずかしさをこらえ、いざ!

イタリア語はイタリア共和国と国境堺の国の一部でしか使われませんのでイタリア語がマイノリティであることは彼らも充分承知しています。そこで、外国人はイタリア語を使おうとすることで彼らの文化や習慣へのリスペクトを伝えることができるのです。

にこやかに「Buongiorno(ボンジョルノ)」から始めます。イタリア語を話そうとする姿勢に次第に彼らの表情も和らぎ「えっ?キミ、イタリア語話せるの?上手だねぇ。(え?まだ、名前しか言っていませんが・・・・)」

当然、ビジネスレベルに至らないイタリア語では当然不安になりますよね。そこでギブアップを宣言「あー、もう英語に切り替えてもいいですか?」「勿論、良いわよ!じゃないと、商談はできないわね(笑)。」と冗談交じりに言ってもらえたらしめたもの。恐らく、初めの一歩が英語だと彼らの印象は違うものになっていたでしょうね。

「generosita`:気前のよさ、寛大さ」と辞書には載っています。これはイタリア人自身が国民性の特性、長所として誇るべき点。こちら側が、正直に、謙虚に、ココロを開くことでイタリア人もココロを開いてくれるようですよ。そして、その後は彼らの気質、「generosita`」が、こんな外国人を放っておけなくなるのです。

そうそう、「simpatico:感じの良い、親しみの湧く」人柄に重きを置いているようです。初めて会った人が「simpatico」かどうか、これは人物評価の重要なポイントです。
例えば、「このあいだ、○○の彼女に初めて会ったよ、彼女ってものすごくsimpaticaだったよ。」(好印象!)美しい、知的など他の形容詞もありますが、「simpatico」と、言われたら人間関係第一ハードルは越えたと言って良いと思います。

兎にも角にも、余所様の国へ来て商いをさせてもらおうっていうのですから、何にもまして謙虚であること、感謝することは言うまでもなく大切ですね。長いこと会社勤めで当たり前と思っていたことも、独立して一人になってみると感謝せずにはいられない日々が続きます。


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