TOEIC260点からの異国適応能力兼サバイバル能力の育て方 ~野球部の会話はMBAより難しい?~

大分前回のエントリーから間が空いてしまいましたが・・・・今日は私がどのようにして英語ゼロの状態から語学力を身に着け、「異国での適応能力兼サバイバル能力」を身に着けたかを、ご紹介したいと思います。

ところで、つい先日ミッションチャレンジ研修(以前はVIP=ベトナム・インターンシップ・プログラムと呼ばれていたそうです)の参加者の報告会に参加してきました。

この研修は1-2週間程度、ベトナムに行き、企業などから与えられたミッションをこなすものです。例えば、ベトナムである化粧品会社の売上を5年以内に10倍にするためのマーケティングリサーチをベトナム人に聞いてやって来い、などというものです。

その研修に参加した学生も最初はベトナム語もわからないのにどうやって・・・?と途方に暮れるそうですが、様々な手を使い、周りの協力者を得て実際に「ミッション」をこなしていくことにより、サバイブして力をつけていきます。

参加者の学生のプレゼン、その後のパネルディスカッションを聞きながら、私がその昔、ウェストバージニア大学の野球部で学生マネージャーとして働き始めた頃とそっくりだなと思いました。今考えると、私は与えられる色々なミッションを日々こなしていたのです。

前回のエントリーでも少し触れましたが、私のTOEICスコアは260点というレベルでした。しかし、留学が決まって渡米前までにTOEFL(アメリカの大学・大学院に入るために留学生が取らないといけないテスト)の点数はクリアしようと思い、日本で英語学校に通うなどして、何とか大学入学レベルの基準点をクリアしました。

ウエストバージニア大学のホームグラウンド

TOEFLは読む・聴く・話す・書くの4つの能力が試されるテストですが、一般的な日本人と変わらず、この時も聴く、話すのコミュニケーション部分は苦手で、ほぼできないに等しい状態でした。

その中で、ウェストバージニア大学の野球部に入って手伝うようになりました。まずは監督・コーチから指示されることを必死に理解しようとします。最初はグラウンドの整備やらボール拾い&渡しなどの簡単な指示=ミッションから入ります。

向こうも時間がある時などは単語レベルまでブレイクダウンして、伝えようとします。それらを理解するだけでも最初は大変なのですが、徐々にできるようになってきます。

これらができるようになると、徐々に「ミッション」のレベルが上がってきます。例えば、練習の準備などでの詳細な指示、相手の監督にメンバー表を渡して試合までの段取りを説明してきてくれ、などなど、様々な「ミッション」が私に課されていた事になります。

そのミッションは通常、下っ端のアシスタントコーチとセットかもしくは同僚の学生マネージャーと一緒に行うことになります。それらの仕事をこなしていく上で、コーチの指示を聞き取り理解する能力、わからなければ質問してやり取りする能力、同僚の学生マネージャーとは相談しながら一緒に仕事を進めていく能力・・・・さまざまな能力を育てることができたのだと思います。

余談ですが、これらの自分の経験から、同じ開国ジャパンのアンバサダーである森岡氏と協同プロジェクトでMLBフィラデルフィア・フィリーズ傘下リーハイバレー・アイアンピッグスで実践型サバイバル研修プログラムを企画し今年実行しました。

試合前の監督の指示を聞く選手たち。選手たちとの会話についていくのはMBAの授業などよりはるかに難しい。

最後の3年目には野球部で発生するオペレーションを全てこなすディレクターに就任し、最後は学生マネージャーを2-3人「指示する」立場になりました。

学生とは言え全員がアメリカ人ですから指示する時も英語で大変。しかしこの頃になると言い回しに気を付けるなど、それ相応の対応ができるようになり、世界中とまではいきませんが、英語がある程度通用する地域なら世界のどこでもやっていけそうだな、と自信がついたのはこの頃でした。

ところで、私はこの留学でMBAを取得しています。授業では講義スタイルのものやクラスメイトと一緒に進めるプロジェクト、そしてプレゼンテーションなど一通りのことをやりましたが、野球部での活動を通して身に着けた能力があったからこそやれたのだと思っています。

一方で、単純な留学だけだとこのレベルまで到達できたかというと、おそらく難しかったのではないかと思っています。詳細を書くと長くなるので割愛しますが、留学で大学・大学院を出たら全員が英語の運用能力、海外での適応能力などがそれこそグローバル人材と呼ばれるレベルまで到達できるか、と言ったらそうではありません。授業は講義スタイルもたくさんありますし、教科書や授業での資料を読めば結構点数は取れるものです。

現在、先ほどのマイナーリーグインターンシップなどの企画で、大学や専門学校の方と仕事でお話する機会が多いのですが、教育界でもグローバル化対応に本腰を入れ始めています。出口である企業が世界で戦わなければいけない実情を考えると、このシフトは自然なもので、急激に進む可能性を秘めていると思います。今後は留学するにしても海外でインターンシップするにしても、そういった実践型、アウトプット型の経験や能力が求められるようになってくるのではないでしょうか。


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