バンコクマダム録(12)やりたいことやっちゃった 前半「清いこと編」

タイ時代「やりたいことを思いっきりやるって、何をしていたのか」について、書く時がついにやって来ました。

書き進めるうちにすごく文章が長くなったので、前半・後半の2回に分けてお送りします。

興味の対象には清いものと、ちょっぴり濁いものと両方ある「清濁併せもった」生活でした。

そんなわけで、前半「清いこと編」後半「ちょっぴり濁いこと編」の2本立てでお送りします。

 

タイ生活2年目くらいまで「やりたいことを思いっきりやるのは贅沢なことで、やっちゃイカン」「しかも私の興味分野はマイナーだから、やっても人に理解されない。何と言われるか。」と思い、「タイ語」以外の興味分野は独りコソコソと、それこそお家でオタクしていました。

はっきり「これが好き!」と、家族にすら言えず。

しかしそんな興味の道でも極めることになったキッカケは、ひょんなことから通い始めたマクロビオティックのお教室でした。

タイ在住、バンコクでマクロビオティックを教えている木幡先生。マクロビオティック創始者の奥様リマ先生直々のお弟子さんであり、本も何冊か出されており、何人もお弟子さんがいる大先生です。

先生には、マクロビオティックから雑穀の扱い方まで教えてもらいました。写真はアワのクラス。この日は頑張ったので、無礼講のミニ泡付きが・・・!・・・アワのクラスの日の、泡付き。

 

マクロビオティックはマドンナも実践している健康食、くらいのことしか知らなかった私。

日本人の先生がお料理を教えてくれるから、ご飯のレシピを増やしたい!という良い奥様願望のもと、近所のお料理教室に通う感覚で通い始めました。

ところがどうやら、マクロビオティックって普通の食事と違う・・・。 陰性とか陽性とか言うし、どうやらお肉やお魚は使わないみたいだし、どうやらお砂糖も使わないみたいだぞ。 ということに、数回お教室へ通ううち、薄々空気で気付き始めたワタシ。

当時は身体が悪くて授業も休みがちだったり、行っても遅刻になっちゃって、レシピをもらって、出来上がってるご飯を食べさせてもらって帰るだけの日もあったり。

今思えば、やっぱりバンコクだったからこそ通えたんだなぁ。日本だったら、悪い体調を抱えながら電車で1時間以上かけて全コース習いに行くなんて、できなかったと思う。しかもあんなチャラチャラした身なりで、ネイルもバッチリ塗った手で。

 

シンプルな調味料で皮も剥かずに作るお料理は、手軽だし美味しいし、何より身体に入れたときの感覚が全然違う。 なんだか身体がラクだなぁ。

今までどんなお薬を飲んでもイマイチ効かなかったんだけど、なぜか食後に感じがちだった「めまい」が、お料理教室のご飯の後だと、感じない!

お教室でイルカちゃんという楽しいお友達もできたし、なんとなく続けているうちに、いつのまにか全コース修了。

この食事療法のお陰で身体も良くなったし、自分の身体のことはもちろん、人の身体のこともわかるようになってきました。

 

身体のことがわかるようになった流れで、今まで見えていなかったもの・・・というより、「見えていたんだけど、見えないようにしていたもの」も、ずいぶんわかるようになりました。

マクロビオティックには「陰陽論」という、森羅万象を陰陽2つの尺度で捉える考え方があるのですが、それを通じて、ずいぶん世の中への見方も広がりました。

体調が良くなり、自分に素直になるようになって、興味分野に関するお話ができる仲間もできて、そこから『やりたいことを思いっきりやる』道が始まりました。

 

タイへ行く1年前くらいから身体の立て直しのためにやっていたヨガも「やるとなんとなく調子が良い」ので、渡タイ後も細々となんとなく続けていました。

継続する中でヨガと食事の関連性を知った時、マクロビオティックと同じ共通項=菜食があることに気が付きました。

 

タイ語やタイ文化に興味を持つと、タイ人メンタルの主軸である仏教についても、詳しく知りたくなりました。

そこで仏教について本を読みあさるうち、仏教にも殺生しない食事=精進料理=菜食という食文化があることに気が付きました。実際タイでは殺生せずに徳を積むための「ジェー」と呼ばれる菜食期間が、年1回あります。

タイのジェー(菜食)期間中、サイアム駅構内で無料でふるまわれた、タイ式菜食「ジェー」のご飯。

これが菜食「ジェー」の目印。

菜食もあって当たり前のバンコクでは、デパート内のフードコートでも、気軽に菜食が食べられます。

写真はセントラルワールドのフードコート。

ジェー(菜食)期間中は、あちこちにこの印が出ています。

 

マクロビオティックの陰陽論のような「森羅万象から気付きを得る食べ方」は、自然信仰をしてきた日本の文化とも、大いに関係がありました。

事実、マクロビオティックは桜沢如一さんという日本人が創設した日本発祥の食養法で、逆輸入されたことによって欧米で「マクロビオティック」と呼ばれるようになったものでした。

 

マクロビオティック、ヨガ、タイ文化、禅や仏教の教え(奇しくもこの頃は、日本でも「禅」話が流行っており、書籍も多数出ていました)、それぞれが菜食を通じて繋がり、私の中で融合され、興味分野を通した自分オリジナルの世界観が築かれ始めていました。

 

LOHAS「Life Style Of Health and Sustainability」という生活スタイルを知ったのも、この頃。

Healthまではわかるけど・・・Sustainabileってなんぞや?と思ってまた本を読みあさるうち、これは環境をはじめ、物事に関して無理のない継続性のある状態を示す表現なのだと気付きました。

 

バンコクで生活していて気が付いたことの1つ。それは目の前に広がる公害問題

お友達のタイ人ノーンちゃんはじめ、いろんなキャリアガール達が言っていたこと。

 

「わたしが頭痛・めまい持ちで薬が手放せないのは、大気汚染のせいなの。

渋滞の中、(エアコンなしで窓開けっ放しの)バスで通勤せざるを得ないから、仕方ないの。」

 

先進国でも発展途上国でも、都市部に暮らすキャリア系女子達のお悩みは、同じなのかしら?と、このとき思いました。

実際、彼女の体調不良は公害のせいだけではないだろう、ということは別として(タイでは大量の食品添加物が日常の食事で使われており、安価な屋台飯=外食に頼ると、どうしても害食になってしまうという、発展途上国ならではの負の循環があります)、先進国出身の私達が、同じように途上国の土地を汚していくのは、どうなんだろう?と思うようになりました。

私達ができる環境保全・サステナブルな環境作りのお手伝いとして、

 

1、界面活性剤を使った洗剤類を使わず、生分解できる石鹸を利用する

2、多少値段が高くてもオーガニックの製品・食品を買って、環境にやさしい事業を支える製造業者さん・農家さん達を支える

 

ということがあるとわかったので、そういう生活に切り替えました。

自分自身の手荒れが改善されたり、自分自身にとってもラクになる選択でした。

 

がんばりメイクを辞めたのもこの頃で、界面活性剤に頼った化粧品を使うのを徐々に辞めて行きました。

使うのを辞めたことで、20代前半にして現れ始めていた小じわはなくなり、肌荒れも軽減され、なにより「肌の手入れをする」という毎日の義務から解放され、乾燥肌と無縁になりました。

「すっぴんで出歩く」というのは最初すごく刺激的なことでしたが、ヨガのときはすっぴんメガネの方が効果的だし、すっぴんを褒められると素の自分に自信が持てるようになって「なーんだ。こんな単純なことで気持ちよく生きていけるのか!」とスッカリ羽を伸ばし、身体も心もお財布も、全部ラクになっていきました。

(女子の方々は想像つくかと思いますが、毎日のお手入れ品を辞めることで得られる経済効果は多額です。モノが減ってお部屋もすっきりするし。私はフランスや韓国流に、必要な時はお台所にあるものでお手入れ・お手当をするようになりました。もちろんお化粧やお手入れはロマンスや癒しの1つでもあるので、決して悪いことだとは思いません。あくまで「私の場合」です。)

 

仏教本を読みあさっていくうちに「がんばる」というのは「我を張る」という語源がら出てきており、それはエゴと呼ばれる「本来の自分ではない」存在の仕業なのだと知り、身体でもそれを体感するようになりました。

つまるところ、「がんばる」を、やめちゃいました。

「がんばる」をやめて、ただ「やりたいことをやる」。

そんなシンプルな生活で、本来感じていた興味分野がどんどん掘り下げられ、ノビノビとした「本来の自分」を感じると共に、身体も心もずいぶんラクに、キレイになっていきました。

 

以上、ここまでが、今まで書いてきたタイ語オタクの部分も含め、生活の中でも「清いこと」と呼べる範囲のことです。

いやしかし、やっぱりコレだけじゃ、リアルじゃないし、人間ぽくない!つまらないですよね。

 

お話は後半「ちょっぴり濁いこと編」へと続きます。

次回もぜひご覧ください!

引き続き、ご感想等もお気軽にお待ちしております♪

 

 


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