波乱万丈アメリカ留学体験記②アウトドア冒険クラブ入隊!?

前回のあらすじ:日本人が一人もいない女子寮に引っ越し、大学生活をスタートさせたのもつかの間、厳しい現実に尻込みしそうになりそうになった私。そんな時、アウトドア冒険クラブという団体にめぐりあいます。前回の記事はこちら>>>☆☆☆

 ●メンバーと初顔合わせ

女子高校生時代、異色の登山部に入部していた私は小さい時から自然に触れる機会が多くありました。大学のサークルを探していた時に、このアウトドア冒険クラブという団体が目にとまり、アメリカの広大な大地を探険するなんて日本では絶対できない!と興奮した私はこの団体に参加することにしました。

初めてのミィーティングは、キャンパスのカフェテリアにて。机の上にロープが置いてあるからすぐわかると事前にいわれていたのに全くどこかわからない私。

仕方がないので恥をしのんで、いたるところのグループに、日本語発音で「アーユーアドベンチャークラブ?(Are you adventure club?)」と下手な英語で聞き続け、怪訝そうな顔をされました。全く意味が通じない上に、このクラブもマイナーだったため誰も知っている人がいないようで、私は1人ぽつんと立ちすくしてしまいました。

恥ずかしくて穴に入りたい!泣きそうになった私は、本当に途方にくれてしまいました。その時、やっと入口にロッククライミングのロープをもった人がきたのを発見。そして彼のところに全力走で会いにいき「アイアム ハッピー!アーユーアドベンチャークラブ?(I am happy. Are you adventure club?)」と聞いたのでした。

 彼は、クラブのリーダーのジャック。今後卒業までお世話になる優しいお兄ちゃんです。そして、もうすでに集まっていたメンバーのテーブルへ。アメリカ流のヘーイみたいな挨拶に、ぎこちなくヘーイの私。7,8人いたメンバーはみんなとってもいい人ばかりでした。

 そして、さっそく週末に遠出をすることに。「ケービングしたことある?」と聞かれた私でしたが、カービング(彫刻)と聞き間違え、う~ん、こういうクラブだっけ?と思いながら、「ノー」と言ったのでした。

このクラブでは、英語を話せない私をみんなが育ててくれました。ミィーティングで、毎回旅行の報告をするときは、「今日は千夏の番だよ」と言われることも度々ありました。そして、数年後このクラブの会計係としてクラブの中核を担うようにもなったのです。

 この異国の地で、自分の場所ができたんだ、って思った素敵な思い出です。

●人生初の洞穴探検

週末を迎え、とうとう初のクラブ活動の日。「汚い服を着てきてね」と言われて、一応いらない服を着ていきましたが、私のお世話役になったエンジェルに、「チナツ、これに着替えて」と言われ、迷彩服のズボンと彼女のシャツをもらいました。

 そして、その後私はこの服装を毎回していくことになるのです。

あとで付けてねと言われ、膝パットと肘パットも・・・一体これから何をするんだろう!?みんなで所狭しと車に乗り込んでいざ出発。(この時点で、私はどこにいくか、なにをするか理解していませんでした。)

 到着したのは、首都オ―スチンにあるグリーンベルトという公園でした。公園と言っても、私にとっては大きな森+山といった感じでテキサスの規模の大きさを感じたものです。

 今日は探険というより、楽しく体験といった感じで、いきなり人生初の洞窟探険とロッククライミングを体験することになったのでした。ヘルメットを装着し、次々と穴の中へ侵入していく仲間たち。えっ、穴!?(やっとこの時点で洞穴にもぐることに気付いた私)なんか説明とかないのかな~汗?(たぶん英語ですでに説明しているけど理解していず)大丈夫かな? 洞穴なんて。。。

 英語が喋れない私は、エンジェルの後にぴったりくっついて入ろうか入るまいか右往左往していました。「ほら、チナツ次」と言われ、力なく「オーケー」と言い、今日初めて出会う見知らぬメンバーについていきました。そして、入って間もなくするとだんだん洞穴が狭くなっていき、みんなはいつくばるではないですか。

 えええええ、ほふく前進!?

 そんなのはしたことがなかったし、筋トレとか準備とかもしなかったよね!?暗闇の中、誰がどこにいるかもわからず、聞いたことがある声がほら穴にこだまし、なにやら会話をしているのはわかりました。もうすぐで(おそらく)ものすごい細い穴をとおりぬけるようで前の人の「わっ、つまっちゃった、どうしよう?」みたいな声が聞こえてきます。

 そして、「ネクスト!」という言葉。私はもう有無も言わさず、その穴に突撃するしかありませんでした。向こう側では、サポートしてくれる見知らぬアメリカ人がなにかいいながら、私の手を引っ張ってくれました。

 なんじゃこれ~~。そして通り抜けた先は少し空間があり、みんなが座っているご様子。なんでも、ヘルメットのライトはもったいないのと、まぶしいので消しているようで、ほっと一息。

 暗闇の中だから、声をださないと自分の存在が分からない状態ですが、私は見も知らぬアメリカ人に暗闇で話しかけられませんでした。

 Uターンして再びほふく前進をしていた時、ふと頭の上を見上げたら狭い穴の天井にコオロギみたいなものがビッシリと張り付いていました。普通の精神状態だとうわ~~~気持ち悪いとなるところですが、その時の私はなんだかまじまじと観察してしまったのです。

 聞くところによると、あまりにも長い間洞穴に住んでいた種類のこおろぎなので、目が退化してなくなってしまったらしく。静かに洞穴に生息する彼らはなんだか神聖なものに見えました。

 洞窟から無事脱出した後、私は人生初の本物の崖でロッククライミングにも挑戦するのでした。   


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