「日本人は英語が苦手だ」という嘘について

勉強中

明けましておめでとうございます!!!

突然ですが、皆さんの中で
「今年こそ英語を勉強するぞ!」
と意気込んでいる方、いませんか?

かくいう自分がそうなのですが(笑)、今回はグローバル化の中で誰もが必須だと口にする英語についてお話をしたいと思います。

今回はちょっと過激なタイトルから始めてみましたが、確かに英語に得意意識を持っている日本人って、そう多くない気がします。

また他の国の人たちから「日本人は英語を話さないよね」と言われることも多々ある気がします。

しかし本当に日本人は英語が苦手なのでしょうか?

 

初めにお伝えしたいのですが、僕は日本人は単に苦手意識を持っているだけで、英語で十分コミュニケーションをとれる教育を受けていると思うのです。

よくよく思い返してみると多くの人は、中学校で3年間、高校で3年間と最低6年間は英語を勉強していると思います。大学まで行った人だとプラス2~4年は勉強していると思います。

時間だけでいうと非常に厚い教育を受けていると思います。
実際旅の途中であったイギリス人に、「そんなに英語は得意ではないんだ」と話したところ、どれくらい英語を勉強したのか?と聞かれたので「8年だ」と応えたところ、返ってきた言葉は「too much!!」でした。

※余談ですがその時、ちょうど8年と伝えたくて「just 8 years」と答えたら、「たった8年さ」と伝わったらしく、爆笑されました・・・

まぁ元から話せるイギリス人にとって8年は確かに長いかも知れませんが、どの民族にとっても8年あれば、英語を勉強するには十分な期間な気はします。

それだけ勉強しておきながら、何故英語が苦手だというイメージが、他人からも自分達自身でも持ってしまっているのか、個人的には非常に気がかりなところです。

ということで今回は僭越ながら、
日本人が英語に苦手意識を持つ必要なんて何一つない!
という趣旨のことをお話していきたいと思います。

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◆英語を話す機会の少ない日本人
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日本人が英語に苦手意識がある部分、おそらくそれはスピーキングやリスニングの部分、いわゆる会話部分が多いのではないかと思っています。恐らくそれは僕だけでなく、多くの人がそう思っていると思います。

結局仕事と一緒で、1年間手厚い研修を受けて配属された新入社員より、1年間実践の中でビジネスを学んできた新入社員の方が、1年後の成長率が全然違うということと一緒だと思います。

残念ながら今の教育体制を嘆いても、早々に変わるものではないですし、過去に自分の受けてきた教育が変わるわけではないので、ここは自分で機会を作るのが一番早いのかなと思います。

だからこそ今、英語教育業界全体としても、雨後の筍のように様々な語学学校やサービスが出てきていると思います。仕事の隙間やお休みの日に行ける語学学校はもちろん、喫茶店で話をするタイプの個人英語教室や安く留学できるフィリピン語学留学、留学までできなくてもスカイプでフィリピンの先生などと英会話ができるサービスなど様々です。

どちらもやり方次第だと思うので、自分が合うなと思うサービスを利用するのが一番だと思うのですが、それらを選ぶ前にもう一度考えてみたいと思うのです。

「なんで英語って勉強しなきゃいけないんだっけ?」と。

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◆英語を話すこと・勉強することの意味
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改めて自分で問い直すと一言で表すのは難しいですが、やはり
「日本語の通じない外国人とコミュニケーションをとるため」
に尽きるのかなと思います。

目的は「英語を話すこと」ではなく、「コミュニケーションをとること」です。

仕事で使う人、プライベートで友達と話す人、Facebookなどで外人の友達とコミュニケーションをとる人、ケースは様々だと思いますが、この目的意識がずれていなかったら、英語の苦手意識などなくなると思っています。

逆にいうと目的が「英語を話すこと」になっているままだと、いくら英会話教室に通っても苦手意識がなくならないと思います。どこまでいってもネイティブみたいに喋れるようには、なかなかならないですからね。

平たく言いますと、要は英語なんて通じればいいんです。

キレイに話す必要なんて全くなし。要点が通じればいいんです。
もちろん一部のビジネスの場は除きますが、ビジネスの場であっても、皆が流暢なネイティブイングリッシュを使いこなしている訳ではありません。

例えば以前にフランスの政府機関で働いている日本人の方とお話したことがあるのですが、その時にその方が面白いお話をしてくれました。

職場のチームにはフランス人とイタリア人がいるのですが、そのチームの上司として新しくニュージーランド人の上司が来たそうです。そのニュージーランド人の上司と初めてチームミーティングを行った際、その日本人の方は上司の英語の訛りが酷くさっぱり聞き取れなかったので、後からおずおずと他のフランス人やイタリア人の同僚に「さっきボスは何て言っていたの?」と聞いた所、「私たちもさっぱり分からなかったわ」とお手上げだったようです。

この場合いくら英語が母国語であるニュージーランドの人でも、結局相手とコミュニケーションをとれていないので、英語を話す意味がなくなっていると言えるのではないでしょうか。

   英語が話せれば、仲良くなれる!(ハズ)

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◆フランス人も英語に苦手意識を持っている
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フランス人といえばフランス語。よくパリに行って英語で話しかけると嫌な顔をされるなんて聞きますが、おプライドだけではなく、意外にフランス人も英語に苦手意識を持っているようです。

これはフランス人の小学校の先生と話していた時に聞いた話ですが、フランスでは小学校から英語の勉強をしているそうです。ただその勉強の際に、会話をしてみましょうと先生が促すとなかなか話したがらない生徒が多いそうです。
なんでもフランス語の発音は英語とかなり差があるので、英語を発音すると変な発音になってしまうので、生徒が恥ずかしがってしまうそうです。

これを聞いた時に、フランス人でもそうなのかと非常に意外に思いました。

韓国人も「if(イフ)」の発音が苦手で、「if(イプ)」になってしまうとか、有名ですよね。

 

あとこれは自分自身の話ですが、苦手意識を持っていてはダメだと思った実体験を一つ。

南極に行った時、船のツアーで行くので10泊くらい各国から集まったメンバーで同じ時間寝食を共にしたのですが、僕らの乗った船はアメリカ船だったので、一応英語が共通語になっていました。

その時にたまたま日本人の中年の男性もいたのですが、正直彼はほとんど英語が話せませんでした。
僕もそんなに話せる方ではないですが、折角の機会なので積極的に色んな人に話しかけていました。しかしなかなか会話についていけないことや船酔いも合わさって、段々と英語を喋るのが億劫になってきて、途中からほとんど話さなくなってしまいました。

最後の日、船主催でパーティーが開かれたのですが、その際に希望者は壇上に上がってツアーの感想を述べ合う時間がありました。皆素晴らしかったとスピーチする中自分は
「こういうのって日本人は絶対前に出てやりたがらないよな」って思いながら、隅っこでおとなしくしていました。

しかしその同乗していた日本人の方が最後に手を挙げ、スピーチをし始めたのです。
正直「おいおい勘弁してくれよ」なんて思いながら、案の定非常にたどたどしい英語で「南極」という英語も出てこない中、彼はスピーチをしました。

僕は絶対失笑が起きるだろうと思っていたのですが、失笑なんて全く起きませんでした。皆、最後まで静かに聞いて、話終わった彼に拍手を送りました。

その時僕は目から鱗が落ちる思いでした。自分は英語を話すのが恥ずかしい、億劫だと思っていましたが、人から英語をバカにされるのが嫌で、何もチャレンジしていなかっただけだったと気づきました。

それから僕は旅で英語を話すことに躊躇することをやめました。
そして「英語が苦手なんだけど、上手くないんだけど」と枕詞をつけて話すことをやめました。

正しい英語なんて何一つありません。
ネイティブの英語が正しいとは限りません。

グローバル化が起きている今、一番大事なのは「伝わる英語」と「伝えたい気持ち」なのだと思います。

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◆最後に
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さて長くなってしまいましたが、最後にもう一度今回のコラムの趣旨をまとめておきます。

お伝えしたかったことの一つが
「正しい英語なんてないのだから、日本人が英語に苦手意識を持つ必要なんて何一つない!」
ということ。

もう一つが、
「グローバル化の中で大切なのは、相手の英語がネイティブでないこと、完璧でないことも考慮し、それを受けいれ、会話の目的をコミュニケーションにおくこと」
ということです。

僕が世界一周中に会った日本人の男の子は、高校を卒業していませんし、旅に出る前全く英語を話せませんでしたが、多くの外国人と躊躇無く会話したことで沢山外国人の友達を作り、その友達が日本に遊びにきていたりします。

今、僕達日本人に必要なのは、英語を勉強する・学校に通うということの一歩手前、
「英語というツールを勇気を出して使ってみる」
ということなのかも知れません。


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