サッカー界もビジネス界も「海外組」が日本を変える

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昨今、ベッカムのパリサンジェルマン移籍やスナイデルのガラタサライ移籍など、欧州サッカー選手の移籍市場がホットな話題となっているが、この冬のマーケットでは、またも多くの日本人選手が欧州移籍を果たした。

昨年のロンドン五輪で44年ぶりのベスト4進出を果たしたオリンピック代表チームの快速FW・永井謙佑(名古屋グランパス)や、18歳でマリノスの10番をつけ、未来を嘱望された小野裕二(横浜Fマリノス)など、欧州へ移籍した選手が新たに生まれている。

ちょっと昔では欧州のリーグに移籍できるくらいの選手であれば、日本代表の座は確保されていたようなものだが、先日発表された、2月6日のラトビア戦では上記の2名はメンバーに選ばれてない。日本代表の選手層の厚さも、ほんの数年前と比べても雲泥の差といえるくらいレベルアップしていると思われる。

ラトビア戦の代表メンバーを見てみると、選出された23名のうち、8名のJリーガーを除く15名が海外リーグに所属する選手、いわゆる「海外組」だ。

2010年ワールドカップ日本代表メンバーの中では、この海外組が4名しかいなかったことを考えると、ものすごい上昇率だと言える。

この数年で相当数の日本人サッカー選手が海外、特に欧州へ飛び立っていったが、その結果として日本のサッカー界のレベルが上がっていると言えるだろう。

日本サッカー界のレベルアップに関しては、実際に今海外に出て行ってる選手だけでなく、中村俊輔や高原直泰、稲本潤一のような、(本人に言えば失礼な話だが、)「一世代前の選手」が、海外のトップリーグで得てきた経験をJリーグに持ち帰ってきて、選手たちに刺激を与え、それがまた新しい選手を才能を引き出しているという要因もあるのではないかと感じている。

 

■これからの日本を救うキーとなる人材は、ビジネス界における「海外組」

翻って、ビジネスの世界ではどうだろうか。

ジャパン・アズ・ナンバーワンと言われた90年代初頭のバブル時代が過ぎ去り、失われた10年を経て、失われた20年へ突入し、出口が見えない日本。

一方、そんな日本とは対照的に中国やインド、そして昨今急激に注目を浴びているASEAN東南アジア新興国の急成長ぶりがメディアをにぎわせている。

昨今は、インターネットや航路の発展により、どんどん世界が近づいてきており、簡単に海外とビジネスができるような環境が揃ってきている。

これからの日本を救うキーとなる人材は、そんな元気のいい、景気のいい新興国で活躍できる、ビジネス界における「海外組」となるのではないだろうか。

そして、海外での豊富なビジネス経験を活かし、日本のビジネス界に還元できる人材が求められているのではないだろうか。

(※ちなみに中国では、海外に出て成長して自国へ戻ってくる人材を「海亀派」と呼んでいる。自国の経済が発展する前に海外に飛びだし、技術や能力を身につけて、卵を産みに戻ってくるという意味もあると言われている。)

 

■「どこにいてもいきなり世界基準を判断基準」というメンタリティ・マインドセット

「海外でビジネス」というと、どこかの会社の駐在員を連想したり、現地でのローカル採用として働くことだったり、はたまた海外で新たに事業を起こす(起業する)ことをイメージしたりするだろうが、確かにその種類も多岐にわたり、一口で海外ビジネスと言っても色んなパターンがある。

ただ、僕が参加している「海外ビジネス実践研究会」でよく講演している税理士の先生曰く、「日本にいながら海外ビジネス」ができる、とのこと。必ずしも海外に住んだり、居を構えてなくても海外ビジネスは実践できるようだ。

また、僕が執行役員を務めているHRコンサルティング会社では、“グローバル人材”=「世界のどこでもビジネスを楽しめる人材」と定義しているわけだが、読み変えると、日本にいながらでも海外とのビジネスはできるわけで、必ずしも日本の国外でビジネスを行うことができる人材という意味ではない。

また、僕の知人のコンサルタントで、大のサッカー好きの松村卓朗さんという方がいるのだが、彼のブログでは、海外で活躍している日本人選手が共通して説いているのはメンタリティの重要性。「どこにいて(日本にいて)もいきなり世界基準を判断基準にしているか」というメンタリティを持っているかということだそうだ。

これはサッカー選手だけの話ではないだろう。

ビジネスパーソンにおいても「日本にいてもいきなり世界基準を判断基準にしているか」は非常に重要なメンタリティだと考える。

僕はそれを「グローバルマインドセット」と呼んでいる。

日本に住んでいようが、海外に住んでいようが、世界中を飛び回っていようが、これからの日本をリードしていくビジネスパーソンに必要な素養は、ひとえにこの一言に紐づけられるのではないだろうか。

サッカー選手が国内リーグでプレーしていようとも常に世界を意識して戦っていることが大事、というのと同じように、日本で仕事をしているビジネスパーソンも、今後は“普通に”世界とビジネスをしていく心構えが重要になってくる。

 

■カズの「日本も世界なんですよ」という名言

最近テレビなどの日本の大手メディアを見ていると、海外に活路を見出して飛び出してい行った人たちを「海外に出て行った=日本を見捨てた」的な論調で取り上げられている事が多いが、僕が海外に行くと、実際に当人たちはそんなことは考えておらず、むしろ日本にいる日本人よりも日本を愛してやまない人たちに会うことのほうが多い。

もちろん、全員が将来的に日本に戻ってくるわけではないが、そんな海外組や帰国した海亀派の彼らから刺激を受け、さらに多くの若者に海外へ飛び立って行って欲しい。実際に海外に行けない事情があり、日本に居つづけることになったとしても、当たり前のように世界を視野に入れた視座の高さを保っていてほしい、と思う。

これからの日本のビジネス界、サッカー界においては、”実際に海外に飛び出て行く海外組”、”実際には日本にいるがマインドは当たり前のように海外組”というような人たちが業界をリードしてくのではないだろうか。

そんなことを考えていたら、ブラジルやイタリアリーグでプレーしていた海外組のパイオニア的存在のカズこと三浦知良の「日本も世界なんですよ」という名言が頭をよぎった。
やはり、キングカズは偉大であったと再認識した。


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