開国ジャパン

坊ちゃんだったボクは1日で色んなものが無く、色んな危険があるあの部屋を出ることに。

部屋を出る時にボクの視界に入ってきたのは、先日投げつけられて殺されたゴキブリの死骸。

ゴメンね。

ボクがいたずらにココに来なければあんな無残に殺されなくてすんだのに。

悪夢を振り払うかのようにバスに乗り首都に向かったの。

初めてウガンダに来た時みたいにでかいスーツケースをひざに抱えて。

友達になった日本人女性とその旦那のウガンダ人が一緒に部屋を探してくれるっつーの。

そんな日本人女性がウガンダに住んでるっつー事実は、ココではスルーさせてもらうね。

 

でもさ、なんか情けなかったな。

調子に乗ってウガンダに来たものの、人を頼りまくってるこの生活。

しかもそれを受け入れてくれるその日本人。

実は、その日本人女性の家にも数日間泊めてもらってたからね。

首都についてバイクタクシーで、その日本人女性と待ち合わせの彼女の家に向かいながら、ちぃと半ベソかいちゃったよ。

そんなボクの姿は、バイクの二ケツなのにスーツケースを抱きかかえてる。

誠に情けない。

実に情けない。

 

でも、こうなりゃ仕方ない。

探しますかってな具合でその彼女と旦那と家さがし。

でもね、家的なもんを借りちゃうとベッドやら何やらも買わなきゃいけないし、安いとこだとかなりの昔話館。

きっとそのまま現地人になっちゃうことは間違いないの。

だからと言って綺麗なアパートはお高くとまってやがるから無理なわけ。

で、ボクのお財布とニーズが合致するのはやっぱりゲストハウスなんだよね。

 

よし、探そうじゃないか。理想のゲストハウス。

って簡単に見つかるならとっくに住んどるよ。

あちらこちらを右往左往。

探すこと半日。

首都カンパラの端っこの方だと思うんだけど１件素敵な物件があったの。

 

何が素敵って、近くにスラム街があるのよ。

しかも、1階がバーになってていつまでも音楽が止むことがないでしょ。

さらに、そのバーで意気投合した男女は2階のその宿に泊まるでしょ。

 

ま、子供を育てるには極めて悪な環境だよね。

よかったよ。

ボクがもう大人で。

迷うことなくオーナーに言ったよ。

「ここで1番安い部屋を出してくれ。3ヶ月は契約するから安くしてくれ。」

なんとか80㌦/1ヵ月程度になったから部屋に案内してもらったの。

ベッドは1人用のが2個あって余分なスペースなし（おそらく6畳）。

でもトイレと水シャワー完備。

ビンボーど真ん中のボクに月80㌦はちょいきびしめだけど、野宿よりはましさ。

「よし、ここに決めた。」

と、オーナーに言って薄暗いその部屋の電気をパチッとつけた瞬間焦ったね。

 

部屋の電気、紅かったね・・・・・・。

 

そうか、バーで意気投合したやつらが泊まるんだもんね。

この部屋はその準備してたんだね。

これからラブホテルに3ヶ月住むんだ、ボク・・・・・・。

そんな気分で、オシッコでもしようかと思ってトイレの電気をつけたのね。

賢明な方はこの後の展開が読めると思うけど、そうなの。

 

トイレの電気は碧かったね・・・・・・。

 

とりあえずオーナーには電気の色を普通にしてくれって頭を垂れたな。

ま、なんにせよボクはラブホテルとはいえ、自分の住みかを手に入れたよ。