日本人の可能性 ~故きを温ねて新しきを知る~ vol.2

写真 (83)

そんな感じで、幸先のよいギリシャ語デビューを飾ったわけですが、だんだんと違和感を感じるようになってきました。

「なんか思ってたのと違う・・・」

私のクラスの進度は、かなり速いと思います。 マルコス(先生)は、理解の速い人にペースを合わせているようで、基本的には同じことを何度も繰り返すような授業ではありません。 授業の中である程度理解させて、あとは家でやってください、みたいな。 それがマルコスの「スタイル」。

 

しかし、生徒の方もただ先生のやり方を受け入れているだけではありません。 仕事を持っている人がほとんどなので、授業中になんとか全部理解しようとする。 わからないことがあれば、授業の流れを止めてでも質問します。 それぞれが授業を受ける「スタイル」を持っており、それをなるべく崩さないようにしている印象です。 特にこの傾向が強いのがミケレで、ペースについていけなくなりそうになると、確認をしたり冗談を挟んだりして、ペースを落とそうとします。 これがうまい。 「この単語のスペルは?」と質問しておいて、先生がホワイトボードに書いている間にケータイをチェックする、なんてこともあります。

 

宿題が出されても、「仕事があって忙しいから!」と言ってやってこない人も多いです。 でも、それがずっと続くと先生の機嫌が悪くなるから、頃合いを見ながらやるときはやる。先生も生徒もそれぞれの「スタイル」を持っていて、お互いがある程度譲歩し合い、落としどころを見つける。 そんな感じ。

 

活発な発言が飛び交っていたのは、結局自分のスタイルを守ろうとしていただけなのではないかと思うと、少し冷めてしまいました。

 

 

スタイルを作ることは、非常に効率的だと思います。 何をするかによって多少のバラつきはあるとは言え、ある程度同じような成果を得ることができるからです。

往々にして、海外の人は意見を主張しますが、それはいかに自分にとって有利な状況を維持できるのか、つまりスタイルを維持できるかを考えているからだと思います。それは非常に効率的だとは思いますが、大きな変化を望むことはできません。 今までの経験から、自分にはどんなやり方が合っているのかを考えてできるものだと思いますが、それがベストであるとは限らない。 他にもやり方があるかもしれないということです。

 

私が剣道を教えるときは、最初に全体を把握させてから細部に移ります。 だいたいの動き方をつかませておいてから、細かいところを教える。 それが効率の良い方法だと思っています。しかし、合気道の稽古の中では異なる指導法が採用されています。 合気道の技は、いくつかの動きを組み合わせて一連の形になりますが、その一つ一つを事細かに教えていく方法が取られています。 一つずつ積み上げていくイメージです。

 

私には、私のスタイルがあり、教える方には教える方のスタイルがあります。 そのような中で、私のスタイルと違う教え方をされると、効率が悪いような気がして、やる気が起きません。 やる気が起きないから、もちろん覚えるのも遅い。

 

ところが、なぜかはわかりませんが、ある日の稽古では教えてくれる人の言うとおりにやろうと思ったのです。 そして教えられた通りにやってみると、意外や意外、うまくいく。 このやり方もありだと思いました。同じ教え方をしているのに、教わる側の気持ち一つでこうも変わるものかと、私にとってそれは驚きでした。

 

この例を考慮すると、場合によっては日本的な教え方も悪くないと思います。 自分の意見を押し殺して、まずは先生のやり方に従う。 その中で見つかることも多いのではないでしょうか。

 

 

よく、本を読んだだけでわかったような気になる人がいますが、知っているのと、やってみたのでは全然違う。 それと同じように、やってもいないのに、そのやり方は効率が悪いからと決め込んでいては新しい発見はなかったと思います。

 

剣道の言葉に「守破離」があります。 ものを習うことには、先生の教えを忠実に守る「守」の段階、その中から自分なりの工夫を加えていく「破」の段階、そして最終的に独自のやり方を生み出す「離」の段階に分けられることを表した言葉です。まずは教えられた通りにやってみる。 その中で、発見することもあると思います。また、「郷に入れば郷に従え」なる言葉もあります。

 

これらを考えると、日本人が海外に出れば、それによってもたらされる利益も大きいのではないでしょうか。

 

自分の意見がなく、流されやすい。 しかし見方を変えれば、先入観にとらわれず、新しいことを吸収できるととらえることもできます。元来、日本人は海外の文化をうまく自国に取り入れてきた歴史があります。 それを考えても、日本人は新しい変化に対して柔軟に対応していけるだけの能力を持っているのではないでしょうか。

 

海外のやり方に触れることで、今一度日本のやり方を振り返ってみる。 そして、そこから新たな発見を得る。 まさに「故きを温ねて新しきを知る」ですね!笑

それに一役買うのが、海外に出ることだと思います。

 

(おわり)


Facebookページに参加しませんか!

『開国ジャパン』は海外経験豊富な開国アンバサダーによる情報発信メディアです。
海外での生活やビジネスなどに興味のある方のために

各国に駐在しているアンバサダーからの現地事情
英語などの語学や海外での生活情報
海外ビジネスの情報

など、幅広く最新の情報を発信しています。


最新記事のチェックにはTwitterが便利です。

更新情報を必ずツイートしています。どうぞ、フォローしてください。


開国アンバサダー

現在89のアンバサダーが活躍中!

開国アンバサダーは、「グローバル社会で活躍する新しい日本人のロールモデル」 です。開国ジャパンでは彼らの熱い想いを発信しています。

開国アンバサダーとは 開国アンバサダー一覧 開国アンバサダー推薦フォーム

チーム開国ジャパン

ピックアップ

最新ニュース

  • U18W杯開幕、清宮オコエらで初V期待

    夏の甲子園を沸かせた高校生強打者2人が、28日開幕した第27回U−18(18歳以下)ワールドカップ(W杯)で日本代表として世界一に挑む。 ...

  • 「ガトリンの復讐」ボルト激突も無事

    【AFP=時事】(写真追加)第15回世界陸上北京大会(15th IAAF World Championships in Athletics Beijing)の男...

  • イチのファンサービスに観客感涙

    「マーリンズ1-2パイレーツ」(27日、マイアミ) マーリンズのイチロー外野手(41)は「2番・右翼」で出場し、4打数無安打。17打席連続無安打(3四球、1犠打...

  • 川栄李奈、初舞台で「おバカ」返上へ

    今月4日にAKB48を卒業した女優の川栄李奈が26日、都内で行われた舞台『AZUMI 幕末編』の制作発表・公開稽古に、共演者とともに出席した。 ...

  • 世界の若手億万長者30名 日本人は?

    フォーブスは世界で最も裕福な40歳未満の 44人のリストを公開した。ここではその中から30名をピックアップ。年齢の若い順に掲載する。 エヴァン・シュピーゲル(ス...

他のニュースも見る