波乱万丈アメリカ留学体験記⑦勉強もしよう!
前回のあらすじ:巨大洞窟探検をしたことでちょっぴり成長した留学生の私でしたが、時に体調が悪くなり苦しい思いもしました。記事はこちら>>>☆☆
●勉強する場所
アメリカの大学に進学すると勉強しなければいけない量に当初はめまいがします。私の大学は、アイビーリーグのような超エリート大学ではなく、田舎町にある普通の大学でしたが、大学のレベルはお構いなしにとにかく勉強をしなくては卒業できないのです。
まずは、パソコンを使ってする作業。レポートや、プレゼンテ―ション、クイズまでパソコン上でこなしていかなければなりません。その当時、ほとんどパソコンに触ったことがなかった私はまずタイプをすることが初めてのことでした。
訓練のために、定期的に家族にメールを送り、なるべくパソコンルームで過ごすことを心がけました。大学には至る所に深夜までもしくは24時間開いているパソコンルームがあり、夜中でも生徒が沢山いるなんてことはしょっちゅうだったのです。
最初のころは本当にひどく、1つの指で、これはA、次はtといった具合でゆっくりとキーボードを触ることしかできませんでした。(今の大学生はきっと違うでしょうが汗) 何度も” I can’t spell A ” (AをタイプしてもなぜかAがでない状態。なにかがおそらくおかしい)と部屋の管理人に質問しにいき、その度に「練習しなさい。」と追い返されました。
泣きっ面に厳しい管理人。。しかし、そんなことを繰り返しているうちに、なんだかタイプができるようになったものでした。
パソコンを使っての勉強以外にも、難題だったのは、教科書を読んできてテストに備えることでした。定期的にあるテストや、毎週あるクイズ(テストの短いバージョンのものなど)を次々とこなしていくためには、同じ場所で勉強をする習慣をつけなくてはいけませんでした。普通のアメリカ人学生と違い、留学生の私は何倍も勉強しなくては授業についていけなかったため、毎日勉強をすることが欠かせなかったのです。
寮に住んでいた私は、勉強するために図書館に通い詰めました。
アメリカの図書館は本当に大きい!大学のシンボルのようにキャンパス内にそびえたっていて、私はいつも最上階7階の窓際の静かな机を自分の場所と決めていました。4人がけの大きな机を1人占めし、まずは席について外を見渡します。
大学の他の建物を眼下にテキサスの大地と広大な空をみると本当にほっとしたものです。空にはいつもトンビが飛んでいて、あ~私もあの鳥のように飛んで楽になりたいと妄想をしながらも、現実に戻るという繰り返しでした。
自然が大好きな私にとってこの光景は、観光地に行くことでしか見れないようなとても貴重なものでした。
朝早くて図書館が開いていない時は、なぜか寮の中の洗濯室で勉強する習慣がつきました。
平日の早朝から洗濯をする人はほとんどいないし、洗濯室にはテーブルとイスが大体おいてあったのです。そこで、キッチンで作った即席カップラーメンを片手に一心不乱に勉強したのは今思い起こすととてもいい思い出です。ほのかに香っていた柔軟剤の香りもいつまでも忘れられません。
昼食の後は、よくカフェテリアで勉強しました。窓際のあまり人がこない席で、じゃあこの部分を暗記して、後は図書館で教科書を読みこんでという繰り返しをしていました。
暖かい週末には、坂の下にある大学の公園に、勉強道具を担いで1人でいってみたりもしました。真っ青の青空と森林の中にあるベンチ。周りにはリスがあちらこちらで遊んでいて、近くの池はピカピカ光っていて、鳥のさえずりが聞こえて。こんな環境で勉強できるのは本当に幸せなことだとすがすがしい気持ちになりました。
日本で勉強していた時は、なんか閉塞感を感じていました。でもここにきて、色々な勉強のスタイルがあるのだということ、そして勉強をし続けられる環境が整っていることにとても感動しました。そして、日々こつこつ努力し、少しずつ積み重ねることの重要性を知りました。
●友達との絆
1年目も中盤に差し掛かり、アメリカ人の仲がいい友だちもできてきました。まず、前述したルームメートのレイシーと隣の部屋のキンバリー(キム)。
金曜日の夜にはよく3人でベットに寝転がりながら、ラブコメ映画をみたものでした。大学の名前が入ったトレーナーを一緒に買いに行って、おそろいであわせたりもしました。ウオールマートに買い出しに行って、ダースで水ボトルを大量に買い込んでシェアしたり、ディナーをわいわい食べに行ったりもしました。
探険クラブのエンジェルは、私のお姉さん的な存在でいつも手厳しいアドバイスをくれました。
私が自信なさそうな小声で喋るたびに、”Chinatsu, Louder !” (ちなつ、大声で!)と叱ってくれました。私にとって、英語が話せなくて無視されるのより、きちんと私に向き合ってたしなめてくれる存在はとてもありがたかったことをよく覚えています。当時のメールを掘り起こしてみると、エンジェルはこんなことを言ってくれています。
You are doing wonderfully with your speaking Chinatsu, all you need is confidence. We love to talk with you. I am glad that you feel comfortable with the group. We love to have you being a part of us! Though your truest character may not shine as bright because of a language barrier, we think you are the sweetest, and it doesn’t take words to know that about you! Good luck in life!!
千夏はとてもよく英語を話しているよ、あなたに必要なことは自信だけ。私たちはみんな千夏と話すのが大好きで、このグループに溶け込んで嬉しいよ。まだ英語ができないことによって、千夏の本当の性格が輝いてないかもしれないけど、私たちは千夏がとてもいい子で千夏のことを知るには言葉はいらないと思っている。これからもがんばってね!
下手でも、人と違っても、自分に自信を持ってがんばるぞと思えた言葉でした。日本語でこんなこと言われたこともない私は、なんだかとっても嬉しかったのです。
数少なかったけれども、仲良し日本人友もいました。日本人とは距離をおこうと思っていた私の唯一のよりどころが彼女たちでした。
渡米前より仲が良かったM子とは危険なコンビと言われながら色々なところに遊びにいったりしました。夏には、大学の川で浮輪でプカプカ流されて、最後の滝でおぼれかかったりもしたものです。サンダルが流されてしまったため、煮えたぎるようなテキサスのアスファルトを裸足で飛び上がりながら寮にもどったこともありました。
近くの観光名所サンアントニオに遊びに行ったときには、20ドル札を1ドル札に両替しようと思ったら、間違えて25セントの機械にいれてしまい80枚ものコインがけたたましい音ででてきたこともありました。
A子はとても勤勉でいつも見習わなくてはと思っていました。彼女に、この項目は教科書のどこにある?と聞くと95ページの左下とすぐ返答が来た時にはビックリしました。一方でユーモアもありしっかりとした意見ももつ彼女は、私にとって大事な相談役でした。
A香は気配りがよく、とても心が優しい友達の一人でした。アメリカに染まった私は、彼女を見るたびに、日本の謙虚な心を持つことを思い出しました。人の悪口を決していったりもしない、性格のよさはどこにいっても通用するものだと思いました。いっぽうで英語もきちんと喋り、サポート役で色々なところで活躍していました。
私は、あれもこれもいつも大爆笑で気の置けない友だちがいることに本当に今でも感謝しています。3人のあたたかいアパートに行って、近況を話したり、たわいもない話で大笑いできたのは私にとって本当に心のやすらぎでした。
そして、友だちと楽しいことをするために、暇な時にはとにかく勉強をしようという発想ができるようになりました。
勉強もだんだん軌道に乗り、友達ともわきあいあいと過ごすようになった私ですが、英語と日本語の壁、そしてアメリカの大学に進学したときの思いが湧き上がってくるのでした。続きは次回の記事で。。。
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