ギリシャAthens Cup 2013で再確認した剣道の価値

去る3月3日、練磨道場主催の剣道大会「Athens cup」が開催され、 錬磨道場のコスタスが優勝しました!!(左、写真中央)
この大会を通じて感じたことを書いていきたいと思います。
1.剣道人口について
剣道の段位には「級」と「段」がありますが、この大会は「級」の選手を対象にした大会です。 30名を超えるエントリーがあり、島から参加する選手もいました。
この数には、正直驚きました。 級の選手だけで、こんなに剣道をやっている人がいるのかと。 初めて会った方も多く、日本から遠く離れたギリシャでもいろんなところで剣道をやっている人がいるのだと、改めて剣道の持つ「力」を実感しました。
試合内容としては、「級」の選手で経験が浅い人が多かったこともあり、改善が必要だと感じる試合も多々ありましたが、決勝戦などはお互いに構え合い、相手のすきを窺うような攻防も見られました。 今後多くの人が剣道を続けていってくれればいいなと、思いました。
2.コミュニケーションツールとしての剣道
会場には観客席も設けられており、道場の関係者はもちろん、選手の家族や友人など、多くの方が観戦に駆けつけていました。 差し入れのお菓子を携えてくる人もおり、会場は和気藹々とした雰囲気に包まれました。
この大会は、試合結果うんぬんというよりは、剣道をやっている者が集まり、交流し合うといった意味合いが強かったのではないかと思います。 もちろん、試合前はどの選手も緊張した面持ちでしたが、勝っても負けても、試合が終わればお互いの健闘をたたえ合い、談笑する姿が印象的でした。
剣道が一つのコミュニケーションツールとしての役割を果たしていると感じました。 バックグランドがまったく異なる人でも、一つの共通項である「剣道」を通して、共感し合うことことができる。 そして、それは国境をも超えてしまう。 これはどのようなスポーツでも、またスポーツ以外のことにも共通することだとは思いますが、日本で生まれた剣道が遠く離れた地であってもそのような役割を果たしていることが、うれしかったです。
3.勝敗以外での評価
学生時代は試合に勝つことが、私にとっての剣道をする唯一の目的だったと思います。 試合に勝つ、強くなる、それを求めて稽古に取り組んでいました。 もちろん試合は剣道において、重要な要素です。 しかし、それだけではないと、最近強く感じています。
稽古をする中で新しい技術を身につけたり、試合や審査のプレッシャーに耐え弱い自分に打ち克とうとし、その過程で自らを高めようとすること。
稽古で打ったり、打たれたりする中でも平常心を保とうとし、自分の感情をコントロールしようとすること。
仲間との時間を楽しんだり、稽古のあと食事や飲みに行くのが楽しみで稽古にくる。 稽古をすることで自分の居場所を確認すること。
同じ「剣道」という言葉を使っていても、目的は人それぞれだと思います。
日本の、特に学生剣道では、試合に勝つことが唯一無二の目的になっており、それが当たり前であるかのような風潮を感じます。試合に勝つことは具体的な目標として掲げやすいし、結果も目に見えてわかりやすい。 だからかなと思います。
確かに目標に向かって頑張ることは素晴らしいこと。 だけど、それだけが剣道の価値になってしまえば、試合に出られなかったり勝てなった人は評価されません。 頑張った末に評価されなかったら、剣道を嫌いになってしまうかもしれません。 試合に勝つこと以外にも、稽古に取り組むことで得られることがあることを示していく必要があると思うし、それを評価する必要があるのではないかと思いました。
そんなことを感じた、大会でした。 動画はこちらから見ることができます↓
http://kendogreece.seesaa.net/article/343133436.html?1364997181
また、日本から早稲田大学の青木くんが審判として参加してくれました。ギリシャで剣道してみたいとお思いの方は、ご一報ください!
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