相原ユタカの“年収3万円海外プロサッカー選手放浪記” Vol.58~ウガンダに舞い降りた神~
1から始めようって言ったって、こんな国でどうしたらいいのさ?
更に自分のラブホテルに籠ってるとなんか湿っぽくなるし、しょうがねえから街に出て散歩でもすることにしたのよ。
ホントは動きたくなかったんだよね。
だって、お腹空くじゃん。
ビンボーってイヤね。
その頃、すでにボクの朝ごはんって言ったら15円の手のひらサイズのドーナッツ1個だけよ。
精神的にちゃんとしようと街に出て、サッカー協会に行って、街に出ての繰り返し。
嗚呼、神様っているのかな?
って思ったらいたよ、神様。
「YUTAKA YUTAKA」
街中、遠くからボクを呼ぶ声が聞こえたのよ。
まさに神様よ。
バングラデシュで同じチームでプレーしてたウガンダ人のマイコーだったの。
元々、こいつとイドゥリスってのがボクにチームを紹介してくれるって話だったんだけど、ボクが日本に帰ったあたりから連絡が取れなくなったんだよ。
故にボクはノーコネクションになっちゃってたワケ。
じゃあ、ウガンダに行くなよ、って話は置いといて。
捨てる神あれば拾う神あり。
マイコーはどっちの神様も請け負ったワケね。
いやぁ、しかし勢いって怖いね。
とにもかくにもボクはコネクションをゲットしたの。
マイコーだって分かったとたんここぞとばかりにヤツに向かって走り寄ったもんね。
そして2人は再会のハグ。
感動の再会のはずが、自分でも驚くべき言葉が自らの口からこぼれてきたよ。
「I’m hangly」
相当ハラが減ってたんだね、ボク。
マイコーにチキンとポテトを奢ってもらっちゃった。
で、マイコーはボクにKajansi FCっていう今年からトップリーグに上がってくるチームを紹介してもらうことになったの。
このKajansi FCはマイコーの地元のチーム。
マネージャーもマイコーの友達で、ボクなら契約は簡単にできるんだって。
でもね、ちゃんとした給料が出ないんだって。
それでもウガンダリーグでプレーしたっていうキャリアが欲しかったからボクはOKしたの。
「明日、うちに来いよ。マネージャー紹介してやるから。」
とにかく畑が欲しかったから、ボクは次の日にマイコーの家に行ってマネージャーを紹介もらうことになったんだ。
マイコーに連れられマネージャーのジンゴのビデオショップに行ったのね。
あ、ビデオショップって言っても屋台に毛の生えた程度のもんだから基本的にお金はないよ。
そのお店に入ってマネージャーのジンゴと握手。
ウガンダらしいって言うんだろうね。
いきなり契約の話になったよ。
プレーは見なくていいのかね。
見てよ、この契約感。
ボクの海外での背番号”14”も難なくゲット。
で、契約の内容はね。
・お昼ごはん支給
・日給3000シリング(約180円)
・背番号は”14”
・リーグ終了後ユニホーム支給
のみッスよ。
これのみッスよ。
この分かる人にしか分からない魅力の契約内容。
あ?
満足かって?
んなワケねーでしょ。
ネタとして切り替えなきゃやってらんねえつーの。
でもさ、1番大事なのはリーグに出ることだと思ってたし、ウガンダまで来て”ダメだった。”は言えないじゃん。
それに恐らくはどのチームもちゃんと給料なんて払やしねえさ。
契約成立。
契約書とかのサインはまだなんだけどね・・・・・・。
怪しい。
こんだけの生活を続けてると第6感ってものが発達するワケよ。
怪しいって言う予知は、実現と化す。
ボクのものすごくビンボーな生活はここから始まることになるんだよね。
<次回へ続く>
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