カンボジアと炎上
カンボジアにいても最近のソーシャルメディアやインターネットのニュースの発達で特にネットで話題になっていることはすぐに耳に入ってきます。
そんな話などを見ていても、『カンボジアだと毎日炎上になるのではないかと』とこっちに住んでいる人間同士で話すことがあります。
いつもの練習終わりに行った屋台でいつものように焼き飯を食べていると、
ガリッと思いっきり違和感のある食感が口の中に広がりました。
カンボジア+ガリッという食感です。
交通事故の現場で野次馬が傷口にガソリンを掛けて消毒しようとする国カンボジアです。
そんな国で焼き飯には入っていない食感に瞬間的に恐怖を感じました。
力の限りに口の中のものを吐き出すと、地面にはご飯粒と奥歯と小石が出てきました。
焼き飯に小石が入っていて、気付かずに噛んだ自分の奥歯が折れたのです。
『なんだ、小石か。』と嘘みたいな話ですが、安心してそう思いました。焼き飯を食べ終えて、何もなかったかのように奥歯のない笑顔でお礼を言い、その場を去りました。
家に帰って、歯医者の予約をしたり、その為に早起きしないといけないなと思ったときにさすがに腹が立って、その店に1週間行かなかったくらいです。
また違う日はカンボジアでは有名なチェーンストアのカフェに行きました。値段はローカルの価格より少し高く、観光客相手の店なので、顧客は外国人、接客は優れていると評判のお店です。
日本人の方とカフェで話をしていると、夜の10時半になり、店員が近付いてきて、『すまない、お店が閉まる』と言ってきます。
『え、ここは11時までだっただろ。』と馴染みの店員だったので聞きますと、
『もうお客さんがいないから』の一言です。
その瞬間2人で周りを見渡すと、確かに周りに誰もいません。
納得しかけたと同時に、『おい、俺達もお客さんだろ』と笑ってしまいました。
すると店員は真面目な顔になり、Because~とカンボジア訛りの英語で『だって何も頼んでいないじゃないか。何か頼むなら11時まで店を開けてもいいぞ。』と迫ってきます。
確かに2時間前にパンとコーヒーを頼んで、現在はテーブルに何もなかったものの、ちゃんとお金を払って何も頼んでいない訳ではないのにと笑ってしまいました。
言っても仕方ないという諦めに似た気持ちが前提にはあるのですが、カンボジアという国にはこの適当さが蔓延しています。
もちろん日本での炎上騒動などは日本国内での話でそれを他国と比較して考えるのもおかしな話ですが、こちらで外国人とビジネスをしていると、日本人は真面目過ぎるんだ、深刻に考えすぎるんだということをよく漏らしています。
ちなみに、過労死というのは英語でも『Karoushi』らしいです。つまり英語に訳せないほど欧米圏では起こりえないことで、日本独自の問題であることを顕著に示していると思います。
話が少しズレてしまいましたが、炎上というのは社会全体の声を反映していることも多く、ブレーキ機能にもなって社会がいい流れに向くような一定の機能を果たすことも事実だと思います。
ただそこにどうしても監視社会のようなピリピリした感じを自分は抱いてしまいます。
そのピリピリした感じが実際にどれほど影響を与えているのか分かりませんが、日本の20~39歳までの各年代の死因の一位は自殺です。先進国で見るとこれは突出しておいて、社会のシステム自体が異常な状態になっているんじゃないかと考えてしまいます。
経済的にはカンボジアの方が貧しい生活をしている人の方が圧倒的に多いですが、自殺者の数はもちろんこれほどではないです。
日本で鬱病を煩っていたがカンボジアに来て復活したという方にも実際にお会いしたこともあります。
僕は現在ロシアのコミュニティで彼らと家を1軒借りて共同生活をしているのですが、ロシアはストレスが多くてストレスフルだ、カンボジアで生きて行くには少しのお金で十分なんだよと言いながらこっちでの生活を楽しんでるロシア人に何人も出会います。
もちろんロシアであろうが、日本であろうが、ピリピリしていない人はたくさんいますし、生活に何の不満もないというような人もたくさんいます。
ただピリピリした社会で生きていけなくなった人が一生日本という国で生きていかなくてもいいんだという選択肢や逃げ道の一つをこのコラムで提供出来れば嬉しく思います。
こんなことを強く思うようになったのは自分がカンボジアに来てから、2人の友人が自殺したことが大きく関係しています。2人とも30歳の手前で、理由は経済的なものでなく、精神的なものだったと聞いています。
僕がカンボジアに行くという話を聞いて、『羨ましいな』と言っていたと亡くなった友人の周りから聞いた時には悲しいというよりも悔しかった気持ちが強かったです。
そんなことを言っても、実際にどのように海外で生活したらいいか分からないし、想像がつかないという方の何かの参考になればと、次回では僕が共同生活しているロシアコミュニティの日常を中心に紹介していきたいと思います。カンボジアでの生活においては参考になるのではないかと思います。
実際に奥歯は折られましたが、自分はこのカンボジアの適当な感じが大好きです。
正直な所、日本にいた頃もそんなにストレスを感じるタイプでもなかった自分ですら生活のストレスは比べ物にならないほどなくなりました。
写真はカンボジアの選挙運動風景です。
『清き1票を』なんて爽やかな笑顔を振りまくなんてことはしません。
100人以上の大量にバイクにまたがった男女たちが顔にカンボジアの国旗をペインティングしたりして、『カンボジアー』『ゴーゴーゴー』と叫びながら街中を交通違反しながら暴走するだけです。40代のおじさんやおばさんが国旗を振りながら『ゴーゴー』と叫んでいる姿もチラホラ見ました。
もちろんカンボジアでもヘルメット着用は命じられてますし、バイク2人乗りの後ろが立ったまま走るなんて行為も禁じられています。対向車線にはみだしながら国旗を振りまくるというのも禁じられると思います。
選挙運動中なら問題ないのかまでは調べられていませんが、ご存知の方がいたら教えて欲しいくらいです。
この写真を撮っていると『アキー、ボッカタオ!』と叫んできた男がいたのでよく見るとボッカタオの生徒でした。
その後、彼は『ボッカタオ』『ボッカタオ』『ゴーゴー』と叫び続け、旗を振りながら、後部座席に立ち乗りしたまま走り去っていきました。
ものすごい嬉しそうな顔で完全にふざけていました。日本なら炎上どころか逮捕です。
そんなフリーダムな国がカンボジアです。
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