アテネで寒稽古をやってみた。
1月26日、早朝。25日の総選挙で急進左派のシリザが大勝し、にわかにギリシャへの注目が高まった翌朝より、錬磨道場の寒稽古が始まりました。
寒稽古とは・・
一年中で最も寒気の厳しい時季に、一定期間継続して激しい稽古を行い、精神鍛錬をかねて技能の向上をはかることを目的とする稽古法である。一般的には早朝に行われることが多い。(『剣道指導要領』より引用)
というもので、主に精神鍛錬の意味合いが強い期間限定の稽古です。また、内容としては基本が中心で、地味ながらもきつい稽古を繰り返す、いわゆる土台作りとしての面も持ち合わせています。
競争意識が強いギリシャ人。どうしても試合の勝ち負けに関心が偏りがちですが、今回は異なる角度から焦点を当てようと、実施した次第です。
詳細は以下の通りです。
期間:2015年1月26日~31日の6日間
時間:7:00~8:00
内容:切り返し20分、打ち込み・かかり稽古20分、地稽古20分
稽古の様子↓
http://youtu.be/0aHojO_oEuk
「2、3人来ればいいほうかな・・・」という不安を持ちつつ初日の稽古に向かいましたが、意外や意外、連日10名前後が参加しました。特に驚いたのは、昨年の9月に剣道を始めたばかりで、まだ防具も着けていない者の参加があったこと。うれしい誤算となりました。慣れない朝の稽古ということもあり、多少の負傷者を出しながらも、なんとか最終日までこぎつけることができました。少し振り返ってみます。
初日:気温8℃
8名参加(遅刻1名)
初日ということで、開始から気合十分。張り切り過ぎて、後半フラフラになる者も。
2日目:気温9℃
11名参加
この日は遅刻者なし。高校生のミハリスは登校前の稽古参加。あわよくば1限をサボろうとしていたみたいですが、間に合うように帰して普段より早めの登校となりました。
3日目:気温7℃
10名参加
慣れてきて気が緩んだのか、開始が少しもたつく。稽古も少し緊張感に欠ける。稽古後に喝。
4日目:気温7℃
8名参加
昨日の反省からか、時間前に集合。集中して稽古に取り組んでいたが、連日参加している者は疲労の色が見え始める。
5日目:気温7℃
参加者9名
連日の稽古で疲れはピークに。それでも5名、夜の稽古にも参加。
6日目:気温9℃
参加者14名(遅刻2名)
土曜日ということもあって、平日に来られなかった人も参加し、参加者は最多の14名。
全体を通してさほど気温は低くなく、果たして「寒稽古」だったのか?という疑問は残りますが、睡魔と闘いながら、また後半はそこに疲労も加わる中で稽古へ向かうことは、強い意志がなければできません。
私自身も始めから面を着け、稽古に加わりました。寒稽古期間中も通常の夜の稽古は行っていたので、1日2回、また他道場へ出向く機会があった日は1日3回の稽古をこなしました。
6日間と短い間でしたが、非常に長く感じました。
今回感じたギリシャ人の特徴としては、
・好きなことはとことんやる
・気合が入っているときの集中力はハンパない
・ただ集中を持続することがやや苦手
といったところでしょうか。
改めて地中海沿岸に住む人々の性格を再確認したような気がしますが、皆勤賞が6名も出たことは特筆に値するかと思います。この他にも、2名が4日間参加しました。
皆勤賞は、後列左からコスタス、ディミトリス、ニコス、ナタサ、バシリス。前列右端のマヤ。前列左からステファノス、カテリーナは4日間参加で努力賞として表彰しました。
毎日来ていた者の動きが格段に良くなったことも、驚いたことの1つでした。大人になってから剣道を始めた方が多いので、動作がぎこちないのはある程度仕方ないと普段から考えていたのですが、寒稽古期間中に動作が改善されていくのを目の当たりにし、改めて反復練習の大切さを感じました。特に最後の2日間は、疲労がよい方向に働き、無駄な力が入らずスムーズに動くことができていました。
短い期間でしたので、感じることは人それぞれだったことと思います。この寒稽古を通して何か新しい発見があったなら、それは大きな収穫ですし、また今回見つからなかったとしても、時間を重ねることで見えてくるものがあるかもしれません。とりあえず私は、爽やかに朝を迎えられることの素晴らしさを再発見しました。
剣道をしていないギリシャ人に「朝7時から稽古している」というと、非常に不思議がられますが、技術的な部分のみならず、このような日本人の考え方に触れてもらう機会を作ることも、私にできることなのかなと、今回改めて思いました。
またこうして、日本から遠く離れた国で、このような日本の行事を通して、皆で達成感を得られたこと。非常に幸せでした。
Facebookページに参加しませんか!
『開国ジャパン』は海外経験豊富な開国アンバサダーによる情報発信メディアです。
海外での生活やビジネスなどに興味のある方のために
★各国に駐在しているアンバサダーからの現地事情
★英語などの語学や海外での生活情報
★海外ビジネスの情報
など、幅広く最新の情報を発信しています。
最新記事のチェックにはTwitterが便利です。
更新情報を必ずツイートしています。どうぞ、フォローしてください。
開国アンバサダー
現在89名のアンバサダーが活躍中!
開国アンバサダーは、「グローバル社会で活躍する新しい日本人のロールモデル」 です。開国ジャパンでは彼らの熱い想いを発信しています。
経営コンサルタント
大上 二三雄(おおうえふみお)東京大学工学部卒。元アクセンチュア統括パートナー。経営戦略、企業変革コンサルティング、アウトソーシン...
株式会社ペイザンヌ 代表取締役
村田 崇文(むらた たかふみ)1982年生まれ。青山学院大学経営学部卒。2005年アクセンチュア株式会社入社、主にハイテクメーカー...
ヴェネチア留学
山崎 創己(やまざき そうき)どうにかこうにか国際人になる道を模索中…。...
ヴェネチア在住高校4年生
吉田 琴乃(よしだ ことの)1995年神戸生まれ。2003年からイタリア・ヴェネツィア在住の18歳、現在現地高校の4年生。今年で...
砂漠ランナー
荒井 志朗(あらい しろう)1983年埼玉県生まれ。東京大学法学部卒。外資系コンサル会社にて経営コンサルタントとして4年間勤務し...
チーム開国ジャパン
ピックアップ
-
2013年6月カンボジア・タイビジネス視察ツアー開催!
カンボジアとタイを6月17日~20日の4日間で訪問するビジネスツアーを開催します ...
-
とある関西人、イタリアで女子高生してまんねん。
イタリア・ヴェネチア在住の「高校4年生」によるグローバルコラム連載開始 ...
-
国境を越えるイノベーションに必要な3つの人的ネットワーク
ベトナム在住の小原アンバサダーが提唱する「これからのイノベーションに必要な3つの人的ネットワーク」とは ...
-
「週末アジア視察団」でシンガポールへ!!
2月22日・23日の週末を使ってフラッとビジネス視察に行って、グローバル新時代の未来を語り、学びませんか? ...
-
TOEIC260点からの異国適応能力兼サバイバル能力の育て方
TOEIC260点からMBA留学した長井アンバサダーからのサバイバル提案 ...
-
バンコクで「蹴る・学ぶ・繋がる」フットサルW杯タイツアー
11月7~10日でタイ・バンコクでフットサルW杯の観戦などがパッケージとなったツアーを開催します ...
-
サラリーマン留学記-社費で留学する意味
日系コンサルティング会社から社費で米国留学する佐藤氏からのコラム。社費留学者からの貴重な体験記 ...
-
はみジャパ習慣(2)磯野カツオ氏を見習ってみる。
行動した結果、100点どころか50点すら取れなくても、意識してみるだけでも10点、行動しただけで30点!成績的には可! ...
-
NATOと呼ばれるニッポンジン
「NATO」って・・・・?No Action Talk Only….アジア新興国で揶揄されるそんな日本人の話です ...
-
パキスタンからグローバル人材を考える
パキスタン在住のアンバサダー尾崎氏が自身の多様な経験から独自のグローバル人材像を語ります ...
最新ニュース
-
U18W杯開幕、清宮オコエらで初V期待
夏の甲子園を沸かせた高校生強打者2人が、28日開幕した第27回U−18(18歳以下)ワールドカップ(W杯)で日本代表として世界一に挑む。 ...
-
「ガトリンの復讐」ボルト激突も無事
【AFP=時事】(写真追加)第15回世界陸上北京大会(15th IAAF World Championships in Athletics Beijing)の男...
-
イチのファンサービスに観客感涙
「マーリンズ1-2パイレーツ」(27日、マイアミ) マーリンズのイチロー外野手(41)は「2番・右翼」で出場し、4打数無安打。17打席連続無安打(3四球、1犠打...
-
川栄李奈、初舞台で「おバカ」返上へ
今月4日にAKB48を卒業した女優の川栄李奈が26日、都内で行われた舞台『AZUMI 幕末編』の制作発表・公開稽古に、共演者とともに出席した。 ...
-
世界の若手億万長者30名 日本人は?
フォーブスは世界で最も裕福な40歳未満の 44人のリストを公開した。ここではその中から30名をピックアップ。年齢の若い順に掲載する。 エヴァン・シュピーゲル(ス...