中国のハワイ「海南島」で教える日本語教師

みなさん、こんにちは。尾崎みつ子と申します。2008年12月から2年間、JICA青年海外協力隊、日本語教師として中国の海南島にある海南大学で活動していました。
青年海外協力隊というと熱いハートを持ち、途上国のために働き、現地の人と共に井戸を掘るなどして、共に汗を流すというイメージを持っている人も多いかもしれません。そういう意味では私はもっとも協力隊らしくない協力隊員でした。なぜなら私は日本語教師として海外で活動する1つの選択肢として協力隊に参加することを決めたからです。日本語教育に関わっていくならば、「日本での学習者が最も多い中国の学生の母国を自分の目で見ておくことはきっと役に立つに違いない。」そう思い、念願かなって中国に派遣されることになったのです。
現地では大学の外国語学部日本語科の学生たちに日本語会話や近現代文学史、聴解、発音などを教えていました。日本で中国の学生を教えている時、私は学生に対してよく「中国ではどうですか」という質問をしていました。その質問をする度に学生たちが困った顔をしていたのですが、今ではその理由がよくわかります。わたしは夏休みや冬休みを利用して中国国内を旅しましたが広い中国、1つの国であることが不思議なくらい、本当に地域によって食べ物、気候、文化、習慣そして話す言葉までもが多様なのです。
また、北京や上海などの大都市へ行けば急成長、急発展する中国の生の姿が見られましたし、田舎へ行けば素朴な人々、のんびりした時間の流れを感じることができました。帰国3ヶ月前には尖閣諸島での漁船衝突事件が起こり日中関係が悪化し、少なからず私の活動にも影響がありました。そのこともあって日中関係を身近な問題として捉えるようにもなりました。学生の母国を自分の目で見たいからという理由で中国へ行った私ですが、2年間の中国での生活は確かに私の中国への理解を深めたと言えます。
■わたしの任地海南島のデザート
ちょっと余談ですが、私が住んでいた海南島は南国の島だったので椰子の木だらけでした。そして、私のイチオシは、海南島にしかない「チンブリャン」というデザート。ココナッツミルクに果物やゼリーなどが入っています。さっぱりしていて老若男女を問わず人気があります。
■若いうちの苦労は買ってでもしろ
私の場合、30代で協力隊に参加したので、行く前は2年間という長い時間を外国で過ごしてしまっていいのだろうかと思うこともありました。でも、今振り返って思うのはやはり参加してよかったと思う気持ちの方が断然強いです。協力隊に参加していなければ出会うこともなかった、年齢も職種も違う仲間と同じフィールドで励ましあいながら頑張れたこと、そして協力隊に参加したことで新たなネットワークができたこと、外に出たことで日本のよいところも悪いところも外から客観的に見られたこと、家族や友人や仲間の大切さが身にしみたこと、自分の弱さや強さがわかったことなど、学んだことが数多くあるからです。
そしてこれを読んでくださっている若い人に言いたいことは「若いうちの苦労は買ってでもしろ」ということです。海外で生活することは楽しいことばかりではありません。でも若いときというのは体力、気力、やる気があふれているときです。ですから困難があっても乗り越えられる強さがあります。そして、その経験は必ず人生の肥やしになります。世界は広く私たちが今知っているのはまだほんの一部であること、総体的に見る視野を持つこと、今まで当たり前だと思っていたことが実は当たり前ではないと気づくことなど、外に目を向けたからこそわかることがたくさんあります。もしも今、外に出ることを迷っている人がいたら、わたしは迷いなくその人の背中を押します。「さあ、行ってらっしゃい!」と。
ちなみに最後に、私の任期中に一番驚いたシーンを紹介します。小さい子供がおしりの部分が開いている「股割れズボン」をはいていたこと。これだといつでもどこでもトイレをさせることができるしおむつが要らないのだそうです。
<了>
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