グローバル社会に必要なヒューマン・コミュニケーション

開国ジャパンで記事を書いている方々の経歴を見ると、私ははるかにローカルなのですが、グローバルというテーマで自分が経験したことと学んだことを書いてみたいと思います。
まずは昨年、あるコーチング団体のカンファレンスでメキシコに行った時の出来事について書きたいと思います。カンファレンスの主催代表者は教育業界で大成功を収めたアメリカ人です。私はシアトルに渡った後、他の参加者数名と一緒に開催地のメキシコまで彼のプライベート・ジェットに乗せてもらいました。ジェットが小さなローカル空港から離陸したのが理由なのかアメリカでは出国審査がなく、そのままメキシコに入りました。
■ 数分も経たないうちに南アフリカの女性は無事にメキシコに入国することができたのです。
メキシコに着いて入国ゲートに向かうと、ジェットに同乗していた南アフリカから来た女性が入国審査官ともめています。なんとパスポートをシアトルのホテルに置いてきてしまったようなのです!女性がいくら事情を説明して入国を頼んでも、入国審査官は許可しません。同乗してきた人達みんなでなんとか入国審査官を説得しようとしました。しかし審査官の態度は変わりません。南アフリカの女性が諦めかけた頃、カンファレンス主催団体のひとりの女性が入国審査官に話しをし始めました。彼女はメキシコの隣国グアテマラ出身です。彼女はそれまで私たちが入国を交渉していた方法とは全く違うやり方で入国審査官に話をしました。そして数分も経たないうちに南アフリカの女性は無事にメキシコに入国することができたのです。
この出来事は私にコミュニケーションに関して大きな気づきを与えてくれました。同じように気づきを得た私のコンサルタントとしての仕事の経験についてもご紹介したいと思います。
■ 中国人の自己主張は強い。そして公な場面では自分の非を認めようとしない。
私は5年前までアクセンチュアというコンサルティングファームで中国・大連のシステム開発センターと東京事務所の間のパイプ役を務めていました。東京と大連のコミュニケーションプロセスや品質管理基準を定めたり、重要な決まりごとの周知を行ったり、人材交流を進めたりしました。私は中国で仕事をするのは初めてでした。月の半分くらいは大連に滞在して、中国のマネージャやスタッフと仕事をしていました。東京と大連の仕事を円滑にするために、彼らと良好な関係を築くのは大事なことでした。マネージャ達の多くは日本語を話すので言語の問題はありませんでしたが、言葉は通じても日本人と中国人では気質や価値観がかなり異なっていました。
中国人の多くは日本人に比べて強く自己主張します。また公な場面になるほど、自分の非を認めようとしません。トラブルが起きた時の対応などは日本人を相手にするのとはかなり違うものでした。しかし、私が彼らと公私ともに親しくなることができ、仕事をスムーズに進めることができたのは、話をきちんと聞くことができていたからだと思います。当時は特に意識してやっていたわけではありませんが、自然とそのような態度を取っていました。日本と中国では仕事の進め方が違います。人の考え方も違います。しかし、はなから相手の意見を否定したり、改善を求めてアドバイスをしたりするのではなく、まずは相手の立場に立って聞くという姿勢を持っていたので、彼らと信頼関係を築けたのだと思います。
今の私の仕事は、コミュニケーション改善や自己変容を目的とするNLPという方法論を教えることです。コミュニケーションを教える能力を磨いた今の自分の視点で見ると、当時私が何をやっていたかがよく分かります。
コミュニケーションが上手な人たちは、いきなり自分の主張をするわけではありません。それよりは相手の話を聞くところから始めます。
聞く→聞く→聞く→話す
というような感じです。
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