【ニュース】中国と韓国での教育のグローバル化
「グローバル人材の育成」というものが急務であることは、ようやく日本でも認識されつつありますが、お隣の中国と韓国では、実際に熾烈なグローバル教育競争が繰り広げられていると、日経ビジネスONLINEは伝えています。
世界中、特に中国と韓国の学生が、教育レベルが高いとされる世界ランキング上位の一流大学を目指して熾烈な競争をしています。
中国のエリート教育における競争は熾烈です。エリート校である北京大学の学生の中から優秀な学生を選び、米国の一流大学への留学を目指させています。北京大学には、毎年1020万人の学生が入学を希望しますが、入学できるのは、このうち1000人弱だけです。米国の一流大学への留学の道を開かれるのは、このうちの50~150人程度。非常に狭き門です。彼らは北京大学内にある元培学院に入学し、TOEFL iBTやエッセイなどの勉強を徹底的に行います。中国のエリート層は、最先端の知識と優れた教育は米国にあると考えているのです。
一方の韓国の人々は、1990年代後半に起きたアジア通貨危機を契機に、自国の一流大学だけではなく、米国の一流大学を視野に入れ始めました。IMF(国際通貨基金)の指導の下、政府が緊縮財政と金融機関の貸出抑制を導入。この影響で国内需要が急減し、韓国企業の倒産が相次ぎました。国内需要が不十分なため、韓国企業は世界市場に出ざるを得なくなりました。世界でビジネスをするためのグローバル人材が必要になったのです。
その際、韓国有数のソウル大学を出た学生でも、語学力を含めた国際コミュニケーション力が不十分でした。韓国を代表するサムソングループなどは、欧米のビジネススクールや米国一流大学にいる学生(韓国人だけではなく、世界各国すべての学生)の採用を急いだのです。
(中略)
文部科学省も、「日本の高校生が卒業までにTOEFL iBTで80点を取れるよう、目指したらどうか」との議論を主導し始めました。この議論のため、外国語能力の向上に関する検討会を2011年1月14日に開きました。しかし、「日本の中等教育の英語教師で、TOEFL iBTで80点以上のスコアを獲得している教師はほとんどいない」(一部の委員)の現状。「教えられないから、学ばせない」が現在の結論です。
残念ながら、日本では教育においても「ガラパゴス化」「レガシー化」が進んでいるのかもしれません。「社会に出てからは楽しめないから、大学時代を謳歌する」はもはや日本人学生特有の認識で、「社会に出てから楽しむために、大学時代必死に勉強して能力を伸ばす」という認識の学生がグローバルスタンダードです。日本の学生は、まずはこの意識の部分から世界に合わせていかなければならないかもしれません。
また、今後高等学校からそのまま米国、ないしは英語圏の大学へ留学する日本人も増えてくるだろうと思われますし、そうでなければならない部分もあるでしょう。その際に、教師の英語力が追いついていないというのも大きな問題です。国内の大学への進学支援だけでなく、海外大学へ進学しやすい仕組みづくりを進めるとともに、中学・高等学校教師の英語力アップも急務と言えるかもしれません。
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