【夫婦コラム:夫編】サッカーで世界を繋げたい!南アフリカで学んだこと

■サッカーが好きだから。。。
なぜ、日本ではなくわざわざ海外に渡って、サッカーをするのか。この質問を聞かれる度にこう答える。『サッカーが好きだから!!』
でも、確かになぜ日本ではなく南アフリカなのか。自分でも考える時がある。幼少の頃の生活環境のおかげで、ただ日本と海外との垣根が低いから。いや、それだけではないような気がする…と考えるとやはりここにたどり着くのである。
『サッカーが好きだから。』
高校からJリーグに進む道がないと分かった時に、サッカーだけを続けていく為にはどうしたら良いかと考えた。結果的にやはり、シンプルにプロになるという答えしか見つからなかった。そのうちどんどんと選択肢の幅が広がっていき、プロとしてやっていけるのならば海外まで視野に入れるようになっていったのである。。
サッカーを続けるか続けないか。この決断を下す私には、海外なのか日本なのかという問題はさほど重要ではなかったのである。
■違いを受け入れる。これが海外生活での鉄則です。
海外でプレーするということはもちろん、その国で生活をするということである。その国でうまく、楽しく生活する為には言葉はもちろん重要だ。しかし、現地に住んでいる人たちの文化や歴史、風土を知る必要もあるのではないか、とチームメイトを見て強く実感した。グラウンドの中で知ったことが日常生活で、日常生活の中で知ったことがグラウンドの中で、自分を助けてくれた。
なぜ、こういうことをするのか。なぜこういうことを言うのか。グラウンドの上で結果を求められるプロの世界では、「分からなかった」、「知らなかった」で済む問題は無い。
味方とのコミュニケーションが取れないことは、チームプレーをする上でもちろん結果に繋がってくる。たとえそれが「言葉の問題以外」であったとしても、である。だからこちらも必死に相手を知ろうとする。そうしていくうちに面白いことに気がついた。彼らのプレースタイルは非常によく国民性を表しているのだ。逆を言えばこちらにも同じようなことが言える。
例えば、南アフリカの黒人のコミュニティーではサッカーがとても盛んで、小さな子供から大人までみんながボールを追っかける。色々な歴史の中で黒人の選手のほとんどが、小さな頃はストリートサッカーで育ってきている。さらにそのストリートサッカーもただ、ボールを保持するゴールのないものや、ボールを持った選手対その他、そのボールを奪った選手対またその他、という形式のものがほとんどであった。
その中で育った選手はボールの扱いやドリブルが驚くほど上手かったり、ボールを取られないようにチームでボールを回すのが上手かったりする。しかし「ゴールする」という経験がないために、実際のサッカーではなかなかボールがゴールに結びつかない…。
どちらが良いとか悪いとかいう問題ではない。彼らには彼らのスタイルがありこちらにはこちらのスタイルがある。ただ、そこには違いがあるだけ。その違いを素直に認識出来れば、こちらも相手を受け入れやすくなり、相手もそうなるのだ。
もちろん簡単には受け入れることは出来ないこともあるが…。
■旅行する、生活をする・・・この二つの大きな違い
やはり、最初のうちはあまりにも自分たちとは違うスタイルに戸惑いを感じた。しかし彼らの土地の文化や気候などを知っていくうちに、自分の抱えていたストレスがどんどんと取り除かれていった。
特に南アフリカは国土が広く、気候、人種、言語、部族などが多種多様である。ダーバンというところはズールーランドとも呼ばれ、ズールー族が最も多く生活している。彼らは南アフリカでも最も勇敢で誇りが高いと言われている。必然的にダーバンのクラブではズールー族が半数以上を占め、同じ南アフリカ人ですら彼らの言葉を話さないとなかなか受け入れてもらえない。
逆にヨハネスブルグは南アフリカ最大の都市で、多くの外国人が住んでいる。ヨハネスブルグのクラブは民族も人種も雑多で、比較的外国人を受け入れてくれてくれる。ただ、ヨハネスブルグは標高が高く空気が薄いので、プレーするという部分ではそれなりの苦労があった。
「その土地で生活する」ということと、「旅行で訪れる」ということは大きく異なる。その土地で生活していく上では言語の問題以上に、違いを知る、ということが大事なのだと実感している。
■外から見た日本を知る、ということ
今の日本で生活している人たちにとっては、インターネットやTVなどを通して世界がとても身近なものになっている。その中でも「今もこれからも日本だけでいい」と思っている人に、是非海外旅行や海外での生活をお勧めしたい。ただ、海外に対する知識や経験だけではなくて、「外から見た日本を知る」という点において、外に出て行く意味があるのではないかと思っている。
自分自身については、海外に出て強く大きくなったとはあまり思わない。ただ以前よりも少しだけ視野が広がり、以前よりももっと日本という国、日本人、日本の文化が好きになった。
自分が海外に出てきた意味、これだけで十分ではないだろうか。
<了>
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