心を開けば、世界とつながる

私は、山口県岩国市で生まれました。大学入試で上京した時、どこから来たかと問われ「山口です」と答えたら、「長州ねえ、ご両親も?」とさらに聞くので「両親は鹿児島出身です」と付け加えると「長州と薩摩、うちは代々の江戸っ子だから幕末だったら敵同士だね」と言われ、明治維新から百年以上も経って薩長もないだろうとびっくりしましたが、今回「開国ジャパンプロジェクト」のお話があった時、そんな昔のエピソードを思い出しました。
あの頃に比べちょっと元気がなくなってきている日本。世界は広い。国を開き、心を開いて、新しい風を取り込み、そして世界に日本の風を送りましょう!平成の維新ですね。ワクワクします。
■ 「鬼のイスパ」の異名を持つスペイン語学科で、スペイン人の神父様達に徹底的にしごかれました
18歳までを過ごした岩国は、錦帯橋と米軍基地の街です。実家の隣は米国人用の借家、街の教会の牧師は米国人、小学生の頃に遠足気分で参加していたサンデイスクール。それが私の外国とのつきあいの原点です。高校生になると日本語が片言だった牧師さんの礼拝通訳をするために受験勉強そっちのけで教会通いをし、母にずいぶん気を揉ませたものです。
その頃、お隣に住んでいたデンバー出身の女性と仲良くなり、「英語の他に、もう一つ外国語を覚えた方がいい」という彼女のアドバイスに従って、スペイン語とスペイン・ラテンアメリカ文化が専攻できる大学を選んで受験しました。
日本の大学生活はモラトリアム期間なんて言われていたけれど、上智大学イスパニア語学科は違っていました。「鬼のイスパ」の異名を持ち、スペイン人の神父様達に徹底的にしごかれました。あの4年間があったから今の私があると思っています。
■文化の違い、思考回路の違いの壁は想像以上に大きいのです
大学卒業と同時に、旅行会社に就職して海外旅行の手配や添乗の仕事をしたり、英語とスペイン語の通訳ガイドの資格をとったりしましたが、親友から「ジャパンタイムズにスペイン大使館の求人広告が出ているから応募してみたら?」と勧められ採用試験を受けました(持つべきものは友達です!)。
イスパの先生も応援してくれ、秘書として採用されました(持つべきものは恩師です!)。それから総務部秘書→文化部秘書→翻訳官→文化部オフィサーと仕事内容は少しずつ変わりましたが、スペイン大使館で23年間勤務しました。当時はまだ結婚や出産を区切りに退職する女性が多かった時代ですが、家族や同僚たちが応援してくれて、スペイン本国と交渉し、娘の出産から保育園入園までの9ヶ月間出産・育児休暇をもらって仕事を続ける事ができました(持つべきものは家族です!同僚です!)。
舞踊、音楽、美術などスペイン文化の普及、姉妹都市などによる市民交流、スペイン友好団体との協力、議員交流、スペインと日本で交互に開催されるフォーラムなど、本当にやりがいのある仕事を楽しくさせて頂きました。大使館での経験を通じて多くの事を学び、多くの人たちと出会う事ができたのは私のかけがえのない宝です。そして、そのネットワークは時空を超えて今も私を支えてくれています。
スペイン大使館は日本の中のスペインです。帰国子女でもなく留学経験も無い私ですが、大学で勉強したスペイン語やスペイン文化は大いに助けになりました。まず、「以心伝心」は自分の中の辞書から消し「思っていることは言葉にして伝える。」をコミュニケーションの基本にしました。とはいえ、弾丸のようにしゃべりまくるスペイン人に交じって発言し埋没しないようにするのは至難の業です。
そして、それ以上に大変なのが自分の考えを誤解なく相手に理解してもらうということ。また相手の言っていることを正しく理解するということです。文化の違い、思考回路の違いの壁は想像以上に大きいのです。私の再婚相手はスペイン人ですが、日常生活の中でも「なんで、そういう理解になるの?」「なんでそういう答えが返って来るの?」と絶望的になることがしょっちゅうです。
外国語で話していて、こちらからの質問にトンチンカンな答えが返ってきて、会話がかみあわないことが多いのは単語や文法の問題だけではなく、同じ言葉でも捉え方が違うせいでしょう。
日本語・スペイン語の直訳では伝わらないものがあるのです。これは本当に高い、高い壁です。深い、深い迷路です。誤解を少しでも減らすためにはやっぱり相手の話をよく聞く姿勢と、どうすれば相手に解ってもらえるかを考えながら工夫して話す姿勢ではないかと思います。これは同じ言葉をしゃべる日本人同士でも、スペイン人同士でも同じかもしれませんね。
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