アメリカ大学院留学で心掛けること:行く前に~留学地到着まで編

Yoshikawa

そろそろアメリカの大学院の学期が始まる頃。そこで、今回と次回と2回に分けて留学前の準備から入学後の行動についてまとめた。留学を中心に書いているものの、入学後の現地での行動については、留学を考えていない人でも、アメリカに赴任する人にも参考となる部分があると思うので、読み進められることをオススメする。

1)目的

そもそも、何をしに留学したい?これから話は始まる。純粋に勉強したいから、とかあるだろうが、とりあえず大金をはたいてするものなので、ここはじっくり考えたいところ。

ここがあいまいだと、基本的に私はやめておけ、という。特に社会人には。動機があいまいなのに、会社等でブランク期間を作って、要らぬ手間暇をかけ、お金もかけ、大して身になりませんでした。じゃしゃれにならない。

また、大学生で親のすねをかじって留学するという人もやめておけ。と私は言う。基本的に日本の大学のノリでいって学べることと、数年働いてから学べることでは、やはり雲泥の差がある。さらに、学生の時代だと世の中にそもそもどんな世界があるのかもよく知らないのに、自分が本当に留学先での勉強内容に向いていて、かつ本当にやりたいことなのか、分かりもしないのに留学するのは、基本的にお金の無駄。それほど行きたいのなら、数年自分で稼いで、留学費用がたまったら、もう一度本当に自分が行きたいのか、考えた上で行きなさい。と私は言う。現に学校によっては、2年間以上の社会経験がないと入れないところがある。例えば、私の大学院コロンビア大学はそうである。

ここまではアメリカに限らず、全ての留学を考えている人に当てはまるはず。

 

2)大学院とは

Yoshikawa 次にアメリカの場合、大学院とはどういう社会的位置づけのところか、何を求めてアメリカ人は大学院に行くのか?というところを押さえておこう。

日本とちがって、エリートコースに乗りたいと思うと、通常大学院修士まで行く。大学(学部)、修士ともに名門校であればいいに越したことはないが、学部は普通かやさしいレベルにしておいて、成績をものすごく良くしておき、修士に行くという人たちもいる。修士に入るには、学部の成績レベルが問われるからだ。

そして、修士を取ることによるメリットとして、一般的に認識されているのは(勉学は除いて)

・出世のためのツール

何はともあれ、よりいい給料、より大きな仕事への就職に有利なように学びにくる。キャリアチェンジもこの中に含まれる。

印象的だったのは、大学院時代の学科の説明会で、(NYという土地柄のせいもあるが)各学科長の教授が真っ先に黒板に数字を書く。何かと思えば、自分の学科を卒業した卒業生の大体の年俸。ストレートこの上ない。

そうして、大学院での勉学はどう出世に役に立ってくれるのか?というと、以下の2点がある。

・大学の同窓ネットワークにアクセスできる

例えば、オバマ大統領は、コロンビア大学、ハーバード大学出身である。そうすると、どこそこにいるコロンビア、ハーバード卒業生に再選投票をしてもらいたいな、と思えばそこの地域の同窓会支部に連絡して何かしらイベントを仕掛けて、多くの同窓生と会うことは可能。

こういう使い方をする人は少ないが、一般的には、就職活動をする場合でも、同窓ネットワークを活用できる。就職活動の一環で会ってもらうのがより容易であるのと、そこの大学の教授に推薦状を書いてもらえば同じ教授の授業を取った、もしくは知っているという可能性が高まり、親近感を持ってもらえる、ということもある(入ってしまえば、学閥ではなく、実力の世界)

一般的にアメリカ企業は、日本企業の新卒採用のように、大体同時期にテストをして、面接をして、採用するというスタイルではない。企業やNPOの場合、募集していようといまいと、いつでも門戸を叩いていいのだが、書類選考をしてよければ面接1回~数回、給料交渉を経て採用である。

で、募集しているときならいざ知らず、募集していないときには誰に会いに行ったら分からないので、そういうときにはこうしたネットワークが大活躍する。なんとか教授から紹介してもらったので、そちらの企業の話を聞かせてほしいと言えば、忙しくなければ会ってくれる可能性は大分高まる。

ちなみに、この手で私は前職の所長に面談でき、就職できている。

・大学教授の推薦状を書いてもらえる&リファレンサーになってもらえる

日本の大学だと、○○ゼミにいくと、△△企業の推薦枠が2名分あって毎年推薦された学生はそこに就職していく、等とよく言うが、それと似ているが少し違う。別に推薦枠など企業は持っていないが、教授の教え子がいれば、誰に会えばいいか教えてもらい、推薦状を書いてもらって、前述の通り面接までこぎつけ、後は本人の実力次第。

面接をしながら、この人がいいかも、と思うと通常面接をした上司となるであろう人は履歴書にあるリファレンサーを確認する。リファレンサーは、大学の教授やインターン先、以前の勤務先の上司などいろいろあるが、それが面接官の知っている人であれば、なおのこと。面接後大体レファレンサーに電話なり連絡をとって、こういう人を採用しようと考えているけどどう?と聞いてみる。そこで、オススメするよ、といってもらえれば採用である(日本でいう就職時の保証人制度がないため)。

公的機関や大学、NPO等は往々にして求人があれば、事前に知り合い(教授を含む)に誰かいい人はいないか打診し、募集広告が出る前に推薦してもらった候補者と面会し、内定を出している。いわば募集広告は出来レースであることが多いので、いかに募集前の求人情報を入手できるかが大事である。

そういうわけで、いい教授がいるかが内定を獲るためのキーとなる。そしていい教授の授業をとっても全然目立たない存在だと、推薦状を依頼しても何を書いていいのか、教授は悩んで当たり障りないことしか書けなくなってしまうので、学生は時折教授のオフィスに遊びに行ったり、授業中質問をしたり、意見を言ったりして、顔を覚えてもらうのが大事。そして、教授は大体1週間に最低1時間はそういう学生のニーズに応えるべく学生用の時間(オフィスアワー)を設けるという配慮をしている。なので大いに利用すべし。

この辺りは日本にほとんど馴染のない習慣なので、この記事に出会えたあなたは幸運。何も分からず、どう就職活動したらいいのか分からず、帰国を余儀なくされる日本人はたくさんいる。実際何人も見た。ぜひ実践されるべし。

こうしたメリットがあるから、アメリカの大学院生は巨額の学生ローンを背負ってでも学びにくる。

<次ページへ続く>

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