文化を捨てたい?最新技術を歓迎するナミビアとは

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■なぜ協力隊に参加しようとしたか

私がはじめて海外に興味を持ったのは高校生の時だ。当時ボランティア部に属していて、幅広く行なった活動の中にユニセフの募金活動があった。その時に職員として来てくれた人がなんと北朝鮮で働いていたというお兄さんだった。向こうで何をしたか、ということよりも、「海外で働く」という言葉の響きに強く惹かれた。

時は経って、大学1年の終わりごろ。協力隊OGの話を聞く機会があった。ベトナムで看護師を2年間したという。病院の衛生管理を向上させようと、様々なことに配慮しながら、ひとつずつ問題を解決していく。そのなかで特に人間関係に配慮して、周りが動くように仕向けて行く過程に、その人の力強さを感じた。自分も、力強く何かを動かしたい。そんな経験をしたい。 そんな想いを持ち、即応募したのだった。

 

■日本人がもつアフリカのイメージ

Kato 今まで、アフリカという地域をどれだけ知っていただろうか。マスメディアが報道する情報を見て聞き、断片的な情報は入ってくる。例えば、「経済発展が著しいアフリカ」、「自然資源に恵まれるアフリカ」や「アフリカンタイムという言葉に代表される人々の気質」などなど。しかし、それらは我々が昔から持っているアフリカのイメージ、「裸の民族が原始的な生活をしている」という固定概念の上での解釈である。

旅行でさえもアフリカに行ったことのない私もまた、その原始的なイメージを抱いたまま、ナミビアにたどり着いた。

おそらくこのコラムを読んでいる人は、少なからず海外に興味があり、知識がある人達だから、私のコラムを読んで「そんなの常識だろ」という感想を持つだろう。だがしかし、我々にとって常識になってしまった海外での感覚を、海外をまったく知らなかった時期を思い出してひとつずつ確認していきたい。

グローバル力「教養」

 

 

■誰もが携帯電話でメールを楽しみ、ケンタッキーのチキンを頬張っている

私は、ナミビアという国に着いて、まず人々の近代的な生活に驚いた。人々が服を着ているのはまあ納得できたものの、誰もが携帯電話でメールを楽しみ、ケンタッキーのチキンを頬張っているのは、想像できていなかった。 日本で断片的に得られた知識の一つに「マサイ族」というのがあって、(これはナミビアの民族ではないのだが、)「一枚布を巻いた人々がジャンプしている」イメージをアフリカ人に当てはめていたのだ。

もちろん、地方に行けば、「世界ふしぎ発見」に出てくるような文化が残っている。実際に取り上げられたナミビアのヒンバ族は、体に赤い塗料のような薬を塗ってスーパーで買い物をしている。

彼らにとっても情報は身近なものだ。テレビで欧米の映画は見られるし、ネットカフェもあるので得たい情報を得ることもできる。あるナミビアの友人は言う、「ナミビアンはもともと持っていた文化を捨てたがっている。そして先進国の文化を取り入れようとしている。」

「文化を捨てる」という強い言葉が印象に残ってしまったが、ここ数年で取り入れられた欧米風の格好や最新技術にあふれる生活を見ていると、「捨てる勢い」で文化が変わっているように感じた。

 

■図書館やネットカフェに行けば誰でも楽しめる環境が整っているのだ。Facebookを楽しむ人も多い

ナミビアという国は、インフラが比較的整っていて、電気・ガス・水道すべて安定している。首都から遠く離れた地方の町に住んでいたのだが、水道と電気が年2回、雨期に止まった程度だった。もちろん、さらに田舎に行くとそこまで整備されてはいないが、発電機を使用してテレビを見たり、水道も川から電気を使って引いていた。

特に驚きだったのがインターネットだ。家に電話回線を引いてADSLをすることもできるし、携帯電話の回線を使ってモバイル通信をすることもできた。速度も下り3Mbpsと、youtubeなども問題なく視聴できる。

パソコンはさすがに個人で持っている人は少ないが、図書館やネットカフェに行けば誰でも楽しめる環境が整っているのだ。Facebookを楽しむ人も多い。

私は洗濯機を持っていなくて、毎週手洗いで洗濯をしていた。するとナミビアンから、洗濯機を買うよう勧められた。彼らにとって洗濯機は「人に勧められるほど」身近なのである。

<次ページへ続く>

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