相原ユタカの“年収3万円海外プロサッカー選手放浪記” Vol.5 ~賭博サッカーに手を染める~

「ユタカ、金欲しくないか?」
こんなセリフ、テレビの詐欺師しか言わないって思っていたのに、こんなタイの田舎で聞いちゃったよ。
まぁ、実際にそのエムはギリギリアウトで詐欺師だったけど、それはまたそのうちお話します。
エムが言うにはちょっと離れたところで試合があるらしい。そこの試合に勝つとお金がもらえるとのこと。“スポンサー”ってあだ名の人が連れて行ってくれるみたい。
スポンサーってあだ名も怪しいし、メンバーに帰宅部よりも下手であろうナガタがいるのも腑に落ちないけど、大きなサッカーが出来る喜びが勝って参加を表明。
お金も欲しかったし。
ムアントンタイニー(ボクが住んでいる町)の参加者は8人ほどいたのだけど、なぜか車はピックアップトラック1台のみ。
そして8人のうちエムとナガタ(同じチームの素人レベルのタイ人)の嫁、ティグちゃんと女性が3人。
?マークが頭の上に広がるこの状況。一つずつ整理していこう。
まず、選手の人数が少ないのはスポンサー(あだ名)が呼んだ選手もいて、途中で拾っていくらしい。
そして、車が1台なのは女性が車内に乗り選手は荷台に体育座りで積まれるらしい。荷台にすし詰め状態ですな。
いやぁ、恐いよ。荷台に10人すし詰めにされて自動車専用道路をビュンビュン飛ばすんだもん。
体育座りであんなにスピード出されたことなんて後にも先にもないよ。
そして、車はさらに田舎の端っこへ。タイ人はスタジアムと言うけれど、それは彼らが“広場みたいな小汚いグランド”って英語を知らなかっただけでボクは会場に到着しても、到着したことに気付かなかったくらいのグランド。
ゴールは木で、ゴールネットは縄が引っかかっているだけの状態。だったら無い方がありがたいくらいだね。
そして、ピッチは固めの土で所々草が生えていて、雨が降るとココを雨水が通るのだろうなっていう道筋が数本。
そんなグランドにスパイク凛々のマジな格好で降り立つユタカは思うのです。
なんか・・・・・・恥ずかしい・・・・・・。
息子の運動会なのに陸上の格好でお父さんリレーに出ちゃうみたいなくらい場違いな感じ。
でも、目の前のサッカーは一生懸命やらなきゃ。ボールを蹴れるこの瞬間を大事にしないとね。
メンタルを切り替えて軽くアップでも始めたのね。
相手チームや地元の暇人もいるからいっちょ魅せつけてやろうって感じで、リフティングで技を披露したの。頭の上にボール乗せたりして。
そしたらさ。
“あんな奴がいるチームに勝てない”って相手が帰っちゃった・・・・・・。
プライドを捨てた代償として敵は判断力を手に入れたの。でもね、この賭けサッカーはお互いのチームがお金を出しあって、勝った方が全部を持って行けるってルールなんだ。
だから試合が不成立だとお金は動かない。不戦勝じゃないんだよ。
良かれと思って頑張ったのに、チームメイトに大目玉っす。一緒になって怒っているナガタを見た瞬間殴りたくなったのはボクがまだ尖がってたからかな。
この日を境に“ユタカ、アップ禁止令”がムアントンタイニーに敷かれたよね。
でも、その日はもう1試合組んでいたみたいでなんとか試合はできることに。
カッチカチのグランドに抵抗はあったけど、ここでユタカ2ゴールの活躍。
タイのサッカーで初めて奪ったゴール。こんな場所だったけど今でも忘れないくらいハッキリ覚えている。そして、2-0で勝利。賭け金ゲット。
なのですが。
最初は各々出した賭け金が倍になって返ってくるって聞いていたの。絶対に勝つ自信があったからボクはみんなより多く賭け金を払ったんだよね。
ということは事はさ、みんなより多く返ってくるはずでしょ。
なのに、試合に勝ったから宴でもやりますかとか言って、お金全部使っちゃったんだ・・・・・・。
せめてみんなより多く払った分くらい返しやがれ。こっちは仕事も収入もなんもないんだぞ。
なんて、言えない雰囲気の帰りの体育座り。
冒頭のエムのギリギリ詐欺師。今思えばこれが序章だった・・・・・・。
<次回へ続く>
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