相原ユタカの“年収3万円海外プロサッカー選手放浪記” Vol.16 ~酔っぱらいにあげた記念ユニフォーム~

契約も済ませてウキウキの気分。
そして開幕まであと1ヶ月。
もちろんまだまだ目標なんて達成してないから、気を引き締めていかんとね。
そんな時に地方で試合が。
あのベトナムのチームとの試合以降、結構ノリノリなサッカー生活よ。
この勢いでこの地方遠征で成果を上げて、タイリーグ開幕デビューっていっちゃいたいよね。
さあ、地方へ移動して試合開始。
ボクはスタメンのサイドハーフ。
試合会場にはマイクで選手の名前が呼ばれるの。
各々呼ばれてボクの番だ。
「背番号14~」の後ですよ、14番はボクの番号ね。
名前呼ばれたら客席に手でも降らないとね。
その準備してたら呼ばれた名前が「ヤタカ・アッハラー」
ソレ何人よ・・・・・・。
“Yutaka Aihara”がちゃんと読めなかったようで。
チームメイトに笑われながら試合に臨むボク。
でもさ、なんだろうね。
この調子のいい時ってのは。
この日もボクは1ゴール。
そして試合は勝ったの。
次の週の試合。
この日もボクは1ゴールで勝利に貢献。
翌週の準決勝。
準決勝は金曜日で勝てばそのまま泊りで、土曜日はファンゲーム、日曜日に決勝って流れみたいだったの。
リーグ前にチームとしても、弾みつけたいから優勝したいじゃん。
試合内容は毎度の如く割愛させてもらうけど、ボクらは勝って決勝にコマを進めた。
さあ、今日はお泊りだ。
どんなホテルかなぁって楽しみにしてたのね。
ホラ、前回は連れ込み宿に泊められたじゃん。
でも、流石にチームで移動した場合そんな事はねえだろって思うじゃん。
チームメイトに聞いてみたの。
そしたら「スクーン」って言うのね。
はて、何語でしょう?
タイ語でホテルって意味かな?
またはボクに気を使って英語で答えてくれたのかな?
英語でスクーンはなんだろな?
答えは英語でした・・・・・・。
バスに揺られド自然を走ると建物が見えてきたのね。
まさか・・・・・・
スクーン=スクール(学校)でした・・・・・・。
タイ人ってLの発音をNで読むとこがあるのね。
学校でみんなで雑魚寝よ。
これにゃガーナ人のベンジャミンも怒ってたね。
「小学生でも家で寝るぞ。俺らはプロなのになんで学校で寝るんだっ?」
ベンジャミン、お前の意見は御もっとも過ぎるぞ。
でも、まさかお前からそんな意見が出るとはな。
アフリカ人を偏見の目で見ててスマンかった。
そして、翌日のファンゲーム。
ファンゲームは前日出てない選手が主に出るのね。
だからボクはベンチ。
ベンチと客席が密着してる試合会場なのね。
すると、酔っぱらったオッチャンが監督に絡むのよ。
「あの日本人を出しちゃれ。」って。
何故かボクにはオカマと酒気を帯びたオッサンがファンに付くんだよね。
若いギャルがキャーキャー言ってくれるサッカー選手。
あんなの幻想よ。
しかもそのオッサン、監督に一通り絡んだらボクにも絡んでくるの。
「おい、そのお前が履いてる短パンくれよ。」
「いや、今履いてる最中よね。これあげたらボクパンツ一丁じゃん。」
って、断ったら試合が終わったらくれだって。
“ハイ唾つけた~。”みたいな感じでボクの短パンに唾つけてくるし。
大阪のおばちゃんかっつーのっ!
結局、そのファンゲーム。
熱烈なファン(1名)のしつこい指示によりボクが残り10分くらい出たのね。
ま、試合自体は当たり障りない感じで終了。
またまた学校に泊まって、翌日地元民の応援を背中に受けて決勝の会場へ。
準決勝が山場だったから決勝はそんなに危なげない試合だったの。
結局1-0で勝って優勝したのね。
そして、表彰式。
というか、その後。
サポーター達は気に入った選手にユニホームを貰いに行ってる。
その日着てたユニホームは、その日で使わなくなるユニホームだったから、ファンにあげちゃっていいワケよ。
でも、記念に欲しいじゃん。
キープしときたいじゃん。
そしたらさ、マネージャーがボクのそばにやってきて「ユタカ、こいつはお前のファンだからユニホームをやってくれ。」だって。
そして、マネージャーの陰から出てきたのは先日の酔っ払い。
あの野郎・・・・・・。
マネージャー使いやがった・・・・・・。
結局、ボクは思い出のユニホームを、なんの縁も所縁もないこの日も酔っていたオッサンにあげることになったのよ。
もうすぐ、開幕。
ユニホームを失った悲しみと、開幕への期待で胸がいっぱい。
<次回へ続く>
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