Sake @ London
私がミラノから帰国し本社営業企画部門に着任してすぐ、直属の営業担当役員を訪ねて
「日本酒の蔵元と一緒に日本酒セミナーをロンドンで行いたい」という女性客室乗務員から
持ち込まれたから逢って話を聞くように。という指示がありました。
その時の発案者の話はおいおいやっていきますが、塩竈の「浦霞」、富山の「満寿泉」、
石川の「天狗舞」、神奈川・海老名の「いづみ橋」の4社とともに、NHK講座などでも日本酒
講座で講師をされている酒卸店、横浜君嶋屋の君嶋社長と共にロンドンにわたり、
WSET(Wine & Spirits Education Trust) の本校での日本酒テイスティングレクチャーを
アレンジし、参加したのが私と日本酒の深い付き合いの始まりでした。
私自身はバブル絶頂期に大学生で且つスポーツ系統だったので、養〇〇瀧ややるき〇〇と
いったところで「熱燗一気」「一升瓶一気」をして、ポリバケツを抱えたりやトイレを占拠して
倒れていた印象しかなかったため、そもそも日本酒を飲むことを避けていました。
更にイタリアでは当然のようにイタリアワインしか飲まなかったため、30歳過ぎにして大吟醸や山廃純米、古酒などを体系立った説明を聞きながらテイスティングした時の衝撃は今でも
忘れられません。
それ以上に、セミナーに参加した生徒さんの真剣さと知識の豊富さ、日本酒を学ぼうという意識の高さが深く印象に残りました。
結果としてWSET本校では数年にわたり、そのレクチャーを定期的に開催したのですが、回を重ねるごとに人気や参加者の意欲、質問のレベルの高まりをはっきりと実感したことを覚えています。
その最初のセミナーのときにイギリスにおける日本酒熱のほとばしりを強く感じたのが、
ハロッズのすぐ側あるレストラン、ZUMAを訪れた時でした。
今はロンドンだけでなく、香港、イスタンブール、ドバイ、マイアミ、バンコク、そしてベイルートにもあるコンテンポラリー和食の雄ですが、その時はまだ1店舗でした。
英国は食事のレベルが低いと思われがちですが、ロンドンは「お金を出せば」という前提ですが世界屈指のレストランが集まっている町です。
また、ワインにしても自国では産出しませんが、世界中のワインの市場はここで牛耳られているといっても過言ではありません。
シティの景気が非常によかったころだったのですが、客単価が200ポンドで100席を超える店が週末は3回転するという話、日本人客は1%ぐらいだという話を半信半疑で聞いていたのですが実際に行って見て唖然としました。
Waiting Barのディスプレイに一升瓶を見事にあしらわれて、「こんな発想は日本人には
出てこないだろう」ということと、「この手があったか」と思ったことを鮮明に覚えています。
開店当初は日本酒は2割ぐらいしか注文をされずに和食とワインが定番だったそうですが、
ヘッドソムリエとして従業員教育を指揮されておられた、渡辺さやかさん。
彼女の長年の努力のお蔭で、今では70-80%は日本酒を注文されるという状況になって
いるようです。
また彼女に続けと、多くのSakeの伝道師たちが活躍しています。
その後姉妹店のRokaやUmu,Shochu Bar,Hakkasanなど次々に素晴らしい店が最先端を
ゆき、Sakeが当たり前にサーブされているロンドン。
日本酒の新しいムーブメントを生み出している楽しい街です。
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