砂漠レースで体験する「開国」のススメ

こんにちは〜!「砂漠ランナー」の荒井と申します。

開国アンバサダーには、文字通り世界一周を旅行したり、留学の経験をされていたり、ビジネスの領域でグローバルに活躍されている方々が沢山いらっしゃいますが、僕はちょっと違った「趣味の領域」から始める緩い開国のコラムをお届けしたいと思います。

時に高度3,200mを超える荒野を走るレース

■夜間は氷点下近く、昼間は灼熱の45度以上の「地球上で最も乾燥した」南米チリ・アタカマ砂漠でのレース

「砂漠レース」に出る「砂漠ランナー」と聞いてみなさんは、どんなレース、どんな人を想像するでしょうか?

「砂漠レース」は現在複数の団体が主催していますが、僕が参加した2つの砂漠レースは、racingtheplanetという団体が主催しているレースです。

走る場所は、その名のとおり広大な砂漠。レースの全行程が250km、制限時間がそれぞれに設けられた6ステージを合計7日間で走ります。大まかにいうと、初日から4日連続フルマラソンの距離に相当する42kmを走り、5日〜6日目にかけて夜通し70〜80kmを走破。7日目に2〜10km程度を走ります。

それもただ、7日間で砂漠を250km走るだけではなく、テントと水以外に必要なもの(食糧、寝袋、道具類、約10kgの重量)は1週間分すべて担ぐ必要があり、ドクターのサポートもありますが基本的には治療も自分で行う必要があります。「世界で最も過酷なレース」の一つとも呼ばれています。

中でも2011年に出場したアタカマ砂漠は、標高3,000mを超える場所もある高山砂漠レース。アンデス山脈に囲まれた砂漠は、世界中から研究者が天体観測所を置くほど、「地球上で最も乾燥した」場所。日本との時差は12時間、季節は真逆。日本から参加するには、まさにハードルだらけでした。

僕は、この過酷なレースに、去年2回(アタカマ砂漠、サハラ砂漠)参加し、幸運にも完走することができました。

■日本では絶対できない経験だからこそ海外レースに出たかった

僕が初めて海外に興味を持ったのは、高校の時に読んだ沢木耕太郎さんの『深夜特急』です。その自由な旅のスタイルに衝撃を受け、実際に大学時代に行った東南アジア一人旅をして以来、海外は自分の価値観をひっくり返してくれる場所であり、僕の好奇心を満たしてくれるイベントでした。

今回砂漠レースという過酷なレースに、単なる市民ランナーの端くれの僕が出たくなったのは、これまでの海外旅行の延長として「好奇心」を満たしてくれるのでは?という期待感が一番大きかったです。

砂漠レースの話を初めて友人に話を聞いたときは、あまりに過酷さに唖然としたものの、「世界一過酷」とは言いつつも参加に必要な競技記録などはなく、健康体で走れる自信があれば誰でも挑んでもいい、ということもあり、「日本では絶対できない経験をしてみたい」「日常の固定観念を吹き飛ばしてくれる絶好の機会のはず」と思って思い切って参加してみました。

 ■文字通りの広大な砂漠を走るという非日常

果てしなく続く塩湖を走る@アタカマ砂漠

レースは、7日間ということもあり、初めは本当に長いように感じましたが、終わってみると、本当にあっという間でした。日本に帰国するとまた砂漠に帰りたくなるくらい、辛いながらも楽しい経験でした。

レースの概況や、過酷なコースの状況は砂漠ランナー達のブログに譲るとして、ここでは、世界中から集まった砂漠ランナーたちの人間模様から見えた「自分が開国していく上でのヒント」を書いてみたいと思います。

■砂漠レースで気づいた「開国」のヒント

僕は幸運にも2つの砂漠レースに参加できましたが、合わせて2週間という短い期間とは思えないほど多くのことを感じることができ、また自分の中での「開国」が大いに進んだと感じています。

 1) 想いや苦難を共にすることで、年齢問わず仲良くなれる

砂漠レースに挑んだ人の多くは、少なからず“人生観が変わる”経験をします。1週間膝の痛みを感じたり、体調不良で食事を取れなかったり、熱中症や、高山病に冒されたり、中には残念ながらリタイアを余儀なくされる選手もいます。その一方で、ゴールしたときに分かち合う達成感は、何にも代えがたいものがあります。

砂漠レース中は、1つのテントに国籍もバラバラな男女が8~10人でシェアしながら、寝食の場を共にします。砂漠という極限状況で一週間寝食の場を共にするテントメイトは、(強要されているわけではありませんが)全員が完走できるようにレース中も互いにサポートし合います。その中で生まれる独特の絆は、砂漠レースが終わってからも自然と続き、まさに「生涯の友」になります。

アタカマ砂漠でテントを共にした上海在住の夫婦は、レース後に上海を訪れたときに進んで自宅のゲストルームを貸してくれましたし、香港在住のテントメイトも香港を訪れた際にフィアンセと一緒に歓迎してくれました。

その他にも、レースを通じて苦難の共にした選手とは今でもfacebookやメールを通じて連絡を取り続けています。将来訪問したい選手の国もありますし、日本に来た際には是非酒を飲み交わそうと約束しています。

砂漠での出会いは、“極限状況を乗り越えた”仲間として、一気に人種や国籍の違いを飛び越える絶好の機会だと感じました。

国際色豊かなテントでは、多様な言葉が飛び交った。

 2) オープンマインドであることの大切さ

砂漠レースでは、世界から約30カ国の選手が集まるため、自分がその土地に足を踏み入れたことのない国の選手もたくさんいます。(不勉強ながら、見たことのない国旗のワッペンを洋服に縫いつけている選手もいます。国旗に詳しい人は是非racingtheplanetのサイトの出走者リストをご覧になってください)。

そういった選手には、話しかけることにためらいを感じてしまいがちですが、思い切って話しかけてみるととてもフランクで、意外と仲良くなれたりします。

コミュニケーションを取るだけであれば、平易な英語で十分ですし、英語が母国語でない人の割合もそれなりに多いので、自分の英語のレベルに尻込みしてしまう方がもったいないです。実際に、英語の得意でない選手が、持ち前の明るさで選手の間で人気者になっている光景を見てそれを痛感しました。オープンマインド(=“誰とでも仲良くなりたい”という思い)は、行き過ぎなければ誰も不幸にしません。

話す言葉が違う、宗教が違う、何を考えているか分からない。でも、本当は違うから友達になれないんじゃなくて、違うからこそ新しい何かが生まれるきっかけがある、僕はそう思っています。その時に、最低限必要なこととして、ある程度の語学や教養も必要ではありますが、大事なのは、まずは“誰とでも仲良くなりたい”という想いを持って、臆することなく飛び込むことだと思います。

3) 国に囚われない自由なキャリア/ライフスタイル

砂漠レースで印象的だったのは、国籍の多様さもさることながら、グローバルレベルでキャリアを積み重ねている人の多さでした。香港在住で日本勤務歴も長いフランス人、米国の大学を卒業し現在は上海在住のニュージーランド人、など出生地に囚われず、学ぶ国、働く国を選んでキャリアを積み重ねている選手の生き方は、僕にとってもは新鮮でした。

それは一言で言えば、「エリート故に選択できるキャリア」なのかもしれませんが、彼らの飽くなき上昇志向や成長欲やエネルギーには触発されることは多く、グローバルで起こっている人材市場の競争環境の厳しさを垣間見た気がしました。と同時に、どんな形であれ、自分の人生をそのようにデザインできたら素敵だなぁ、と強く感じました。

日本に滞在歴の長い外国人選手との2ショット@サハラ砂漠

 ■これからの僕の「開国」~世界で遊び、世界で学び、世界で働きたい

僕はまだ海外在住経験はありませんし、自分自身の「開国」もまだまだ始まったばかりだと思っています。そんな中で僕が思い描くライフスタイルは、砂漠のエリートたちに魅せつけられた「世界で遊び、世界で学び、世界で働く」スタイルです。

日本に限ることなく、自分が訪れたい都市を旅行し、学びたい場所を選び、働く場所も選びたい。自分の人生をコントロールしたいと思った時、すべての可能性を日本に閉じてしまう必然性は、もう既になくなっていると感じています。

僕がそのように感じるのは、日本に対してネガティブな感情を持っているというわけではなく、僕が今まで体感してきた海外旅行経験を通じて感じてきた「日本は魅力的だけど、世界はもっと魅力的」ということに尽きると思います。(そして反面、日本で生き残っていくのは厳しいけど、世界の競争環境はもっと厳しいということも言えると思います。)

僕にとって、砂漠レースは「世界で遊ぶ」の最初のステップでしかありません。次のステップは、「世界で学ぶ」と「世界で働く」です。現在勤めているベンチャー企業では、日本の誇る食文化であるラーメンを日本のみならず世界に広がるための仕事に従事しています。まだまだ超えるべきハードルは多いですが、今後ますます海外で活躍していく日本人、そして美味しいラーメンを口にしたことのない外国人向けに、感動を与える仕事をしていって、「世界で働く」をまずは実現していきたいと思います。


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