相原ユタカの“年収3万円海外プロサッカー選手放浪記” Vol.19~遠征にてベンジャミンと~

デビューしてからのお話は、サッカーの話があんまないよ。
だって、勝ったとか負けたとか、試合に出たとか出ないとか。
そういうことってボクじゃなくても、他にちゃんとサッカーをやってた人に聞けばいいと思うから。
なんて感じでいるから、出たり出なかったりなんだろね。
試合になかなか勝てなくて、外国人のボクの責任ってのも出てくるワケよ。
そして出たり出なかったりになって前期終了。
後期との間に遠征に行ったのね。
でもさ、例のごとく行き先なんてワカンネエ。
なぜって、タイ語の説明が分かんなかったから。
バスで走ること数時間。
どこかは未だに分かってないけど、とにかくどこかに着いたの。
そして試合。
ここまではなんのこたあない、日常に毛が生えた程度ですよ。
その夜に一気に日常の毛が増えたのよ。
まず、メシを食ったホテルの食堂。
食後にチームメイトが「エッチしたくね?」って言ってきたの。
ボクはいい子ぶって何も言わなかったのね。
したらよ、強引にボクをそのホテルの1画にある、“大人の宿コーナー”みたいなとこに連れて行くのよ。
そのコーナーに行くと部屋から女性が手招きしてるワケですよ。
ボクの友達は入ってくの。
でね。
納得いかねえ。
と言うか、恐怖ですよ。
「じゃ、ユタカはここで」って言われたボクの目の前に立ってるのは、完全におばちゃんなワケよ。
いや、金払ってコレはねえでしょ。
そして、手を引かれ強引に部屋に押し込まれたのね。
普通さ、こういうのって客が値段交渉なり何なりをするのね。
おばちゃんが必死に交渉してきたもんね。
「安くするから!安くするから!」って。
いや、やだって・・・・・・。
そして、ボクは疚しい事はないのにチームメイト達からは、おばちゃん好きの病気持ちって事になっちまったのよ。
おい、病気持ちって情報は先に入れとけよ。
万が一若さゆえの過ち犯してたら、どう責任とってくれんだよ。
なんて言っても、事実がどうであれそうなってしまったら仕方がない。
強く生きていこう。
で、フラフラ歩いてたのね。
公衆電話に怪しい人影が。
チームメイトのガーナ人、ベンジャミンですよ。
なんかね、こんなとこまで来て公衆電話で彼女ともめてるみたい。
うわぁ、今日ってメンドクセエ・・・・・・。
関わりたくねえ・・・・・・。
なんて空気はアイツにゃ関係ねえ。
呼び止められて何言われんのかと思ったら、「金くれ。今からタクシーで帰る。」だって。
いや、質問やら何やらが多すぎて、逆に何も突っ込めねえよ。
まず、彼女に振り回されすぎだし、金貸してじゃなくて金くれだし、タクシーでいくらかかると思ってんだよって話しだし。
初めて友達になった黒人がコイツって・・・・・・。
断固たる意思を持って全てに「No!」で答えたのね。
ボクだって金ねえし、彼女のために帰るのに反対だし、さっき病気持ちのおばちゃん好きってなったの引きずってるし。
さすがに諦めたベンジャミン。
大人しくホテルに帰ってくれたのね。
そしてその帰り道。
二人で先の事を話し合ったのね。
ベンジャミンはとにもかくにも、もっとお金がもらえる国でサッカーをしたいみたい。
そして、黒人コミュニティで掴んだ情報がバングラデシュだったの。
ボクに言ったよね。
「バングラデシュは金がいい」って。
その情報だけならまだいいよ。
その後の一言が驚愕よ。
「After Thai-League. We go to Bangladesh. We shall get good money.」
ウィー???
お前一人で行けよっ。
なに道連れこいてんだよ。
別にボクは金の文句を言ってねえよ。
確かに安かったけど・・・・・・。
あの時のアイツの一言が、ボクの頭にこびり付いてたんだろうね。
だからこういう道を辿るようになったんだろうね。
あの夜、ボクの未来が大きく動いたな。
<次回へ続く>
Facebookページに参加しませんか!
『開国ジャパン』は海外経験豊富な開国アンバサダーによる情報発信メディアです。
海外での生活やビジネスなどに興味のある方のために
★各国に駐在しているアンバサダーからの現地事情
★英語などの語学や海外での生活情報
★海外ビジネスの情報
など、幅広く最新の情報を発信しています。
最新記事のチェックにはTwitterが便利です。
更新情報を必ずツイートしています。どうぞ、フォローしてください。
開国アンバサダー
現在89名のアンバサダーが活躍中!
開国アンバサダーは、「グローバル社会で活躍する新しい日本人のロールモデル」 です。開国ジャパンでは彼らの熱い想いを発信しています。
次世代キャリアコンサルタント
鶴岡 秀行(つるおか ひでゆき)東京都杉並区高円寺生まれ。上智大学大学院文学研究科心理学専攻(研究テーマはリーダーシップ・モチベーシ...
タイ障がい者サッカー指導者
相原 ユタカ (あいはら ゆたか)1979年生まれ。高校卒業後、4年間一般企業で働くが“サッカーで飯を食う”為にタイに飛び、プロサッカ...
リージェンコンサルティング 代表取締役
野村 隆(のむら たかし)ツイッター:@TakashiNomuraTw 早稲田大学卒業。グローバルコンサルティングファームの...
医師
大村 和弘(かずひろ おおむら)1979年12月東京生まれ。東京慈恵会医科大学卒業後、イギリスセントトーマス病院で短期臨床留学を経て...
マンツーマン語学学校CNE1
井坂 浩章(いさか ひろあき)1973年3月生まれ。大阪府堺市出身。大学で心理学を専攻。カリフォルニア大学 アーバイン校にて、マー...
チーム開国ジャパン
ピックアップ
-
2013年6月カンボジア・タイビジネス視察ツアー開催!
カンボジアとタイを6月17日~20日の4日間で訪問するビジネスツアーを開催します ...
-
とある関西人、イタリアで女子高生してまんねん。
イタリア・ヴェネチア在住の「高校4年生」によるグローバルコラム連載開始 ...
-
国境を越えるイノベーションに必要な3つの人的ネットワーク
ベトナム在住の小原アンバサダーが提唱する「これからのイノベーションに必要な3つの人的ネットワーク」とは ...
-
「週末アジア視察団」でシンガポールへ!!
2月22日・23日の週末を使ってフラッとビジネス視察に行って、グローバル新時代の未来を語り、学びませんか? ...
-
TOEIC260点からの異国適応能力兼サバイバル能力の育て方
TOEIC260点からMBA留学した長井アンバサダーからのサバイバル提案 ...
-
バンコクで「蹴る・学ぶ・繋がる」フットサルW杯タイツアー
11月7~10日でタイ・バンコクでフットサルW杯の観戦などがパッケージとなったツアーを開催します ...
-
サラリーマン留学記-社費で留学する意味
日系コンサルティング会社から社費で米国留学する佐藤氏からのコラム。社費留学者からの貴重な体験記 ...
-
はみジャパ習慣(2)磯野カツオ氏を見習ってみる。
行動した結果、100点どころか50点すら取れなくても、意識してみるだけでも10点、行動しただけで30点!成績的には可! ...
-
NATOと呼ばれるニッポンジン
「NATO」って・・・・?No Action Talk Only….アジア新興国で揶揄されるそんな日本人の話です ...
-
パキスタンからグローバル人材を考える
パキスタン在住のアンバサダー尾崎氏が自身の多様な経験から独自のグローバル人材像を語ります ...
最新ニュース
-
U18W杯開幕、清宮オコエらで初V期待
夏の甲子園を沸かせた高校生強打者2人が、28日開幕した第27回U−18(18歳以下)ワールドカップ(W杯)で日本代表として世界一に挑む。 ...
-
「ガトリンの復讐」ボルト激突も無事
【AFP=時事】(写真追加)第15回世界陸上北京大会(15th IAAF World Championships in Athletics Beijing)の男...
-
イチのファンサービスに観客感涙
「マーリンズ1-2パイレーツ」(27日、マイアミ) マーリンズのイチロー外野手(41)は「2番・右翼」で出場し、4打数無安打。17打席連続無安打(3四球、1犠打...
-
川栄李奈、初舞台で「おバカ」返上へ
今月4日にAKB48を卒業した女優の川栄李奈が26日、都内で行われた舞台『AZUMI 幕末編』の制作発表・公開稽古に、共演者とともに出席した。 ...
-
世界の若手億万長者30名 日本人は?
フォーブスは世界で最も裕福な40歳未満の 44人のリストを公開した。ここではその中から30名をピックアップ。年齢の若い順に掲載する。 エヴァン・シュピーゲル(ス...