バンコクマダム録(2) 帯同待機期間・・・家族は一緒がいいね。
5日前に家族になった人が、成田空港の手荷物検査場へと消えていく。
それは私にとって、微妙な「帯同待機期間」の始まり。
「帯同待機期間」とは、文字通り「家族の帯同」を「待機」する期間。
駐在員本人がその国に馴染んでちゃんと働けるかどうか、見極めるためにある。
つまり「オレァこの国ダメだぁぁ!帰るッ!」ってならずにちゃんと生活して仕事ができるか、大丈夫かどうか見極める期間で、ダメならリタイア可能な期間・・・とは言っても、こんな風に誰かリタイアしたなんて、聞いたことはない。
ほとんどの会社で3カ月。長いところで6カ月。
彼の会社は3カ月だったが、私が身体を壊していたり生活準備の関係で、結果約6ヶ月間も待った。
その間、周りやお友達たちにとっては、何も変わらぬ実家暮らしの私。
だけどワタシ的には、両親が増えたり、彼の会社へご挨拶や手続きに行ったり、病院で呼ばれる名前が変わったり、公的手続きの扶養責任者が変わったり、1人で結婚式場を探したり・・・なにかと生活が違った。
様々な手続きの中には「夫は今タイにいて、すぐにやれません」ってコトが多々あった。
ちゃんと一緒に暮らしたことがない人を、手続き上の立場として「夫」と呼ぶ。
周りにとってはまだ「彼氏」だけど。まだ一緒にも暮らせてないけど。もう「旦那さん」なのだ。変な感じ。
一般的な世間の婚約中&新婚のカップルは、ケンカしたりしながらも、「一緒に」結婚式場を探したり、新生活用品を選んだりしてる。
「一緒に」彼の会社の人達にご挨拶したり、何より「一緒に」住んで、生活・生計を共にしている。
わたしと言えば・・・何が「新婚」だか、名前以外「何が変わった」のか、周りからは全然わからない生活。
私自身なんだかアンバランスで不自然な感じがしたし、一般的になんでも「一緒に」やれるカップルは、実は恵まれているのかもしれないな、と思った。
でもきっと、慣れない土地・慣れない1人暮らしで慣れない仕事を始めた彼も、きっと同じように大変なんだろうな、と思っていた。
いわゆる「ブライダルフェア」に一緒に行ったこともないし、良い式場を見つけてもスグに彼には報告できないし、話したところでイマイチ良さも伝わらない。
スグにやりたい手続きがあっても、Skypeを使って諸々話して伝えようとするだけで、お互いにけっこうな労力を遣う。
赴任前日本にいた頃は、ご近所さんだったから話したいことがあればスグに会えた。
けど今は遠く離れて、新しい土地での生活・仕事で手いっぱい、いっぱいっていう空気が、メールから電話からテレパシーから、全部伝わってくる気がした。
だから私も、何も文句言わなかったし、言えなかった。
こんな短期間のことでも、改めて「単身赴任って、つくづく大変だわ」と思ったのだ。
彼の赴任で結婚したタイミングで、今までの両親の苦労も思った。
私の父は、私が中学生の時から大学を出るまで10年以上、日本国内とはいえ遠方に単身赴任していた。私の進学のためだ。
女手1つで子供を見た母も大変だったし、遠方に単身赴任していた父も、母や旦那クンのように、それはそれは大変だったんだと思う。
父が単身赴任になるまでは、山口・広島・長野・・・どこに行っても、家族みんな一緒だった。
私はそのお陰ですっかりジプシー生活が身についたし、大人になってからはその方がずっと居心地良いと感じている。
私の進学のための単身赴任だったとはいえ、それまでの長い転勤・転校生活を通じて、こういうジプシーな自分になれたことを感謝しているくらい。
家族はやっぱり一緒がいい!!
こんな諸々の経験から、結婚前からも結婚&離婚後の今でも思う、私のゼッタイ的な、そして個人的な感想。
それはさておき。
こんな微妙な帯同待機期間のさ中でも、「一緒に」やれそうな、すごくハッピーなことがあった。
5月に初訪タイ、「家探し」に行ったのだ!
彼が初訪タイの事前に「見てみなよ!」と言ってくれたタイの不動産会社のホームページの中には、お城のような家の写真が並ぶ。
「まさか!こんな所に住めるの!」
1つ1つ写真を眺めては、思ったより農耕牧畜にならない、タイでの生活、南国での生活に、想いををはせる。
「うっかりちゃっかり、王様みたいな生活じゃないか~~♪」
英語圏・先進国での海外生活しか思い描いていなかったワタシが、ついにアジアに夢を抱くようになる。
そして5月の初アジア!初訪タイ!
結論から言うと、なかなか一筋縄ではいかなかったのですが・・・。
そんなわけで次項、ドキドキの初訪タイ・家探しに続きます!
Facebookページに参加しませんか!
『開国ジャパン』は海外経験豊富な開国アンバサダーによる情報発信メディアです。
海外での生活やビジネスなどに興味のある方のために
★各国に駐在しているアンバサダーからの現地事情
★英語などの語学や海外での生活情報
★海外ビジネスの情報
など、幅広く最新の情報を発信しています。
最新記事のチェックにはTwitterが便利です。
更新情報を必ずツイートしています。どうぞ、フォローしてください。
開国アンバサダー
現在89名のアンバサダーが活躍中!
開国アンバサダーは、「グローバル社会で活躍する新しい日本人のロールモデル」 です。開国ジャパンでは彼らの熱い想いを発信しています。
(株)スパイスアップ・ジャパン代表
豊田 圭一(とよだ けいいち)1969年埼玉県生まれ。幼少時の5年間をアルゼンチン(ブエノスアイレス)で過ごす。上智大学経済学部を...
UCLA公共政策大学院
佐藤 将史(さとう まさし)1977年生まれ、東京都出身。小学生時に1年間、LAに在住。大学院修了後、日系コンサルティングファー...
元ボリビアサッカー選手
菊池 康平(きくち こうへい)1982年生まれ。2001年明治大学入学後、複数のアルバイトを掛け持ちし、資金を貯め、海外のプロサッ...
経済思想家・元経営コンサルタント
倉本 圭造(くらもと けいぞう)京都大学経済学部卒業後マッキンゼーで働く中でグローバリズムと日本社会の現実との矛盾に悩み、両者を相乗...
インド在住サッカー指導者
三田 智輝(みた みちてる)日本体育大学卒業後、静岡スバル自動車サッカー部などでの選手経験を経て、2002年から指導者となる。2...
チーム開国ジャパン
ピックアップ
-
2013年6月カンボジア・タイビジネス視察ツアー開催!
カンボジアとタイを6月17日~20日の4日間で訪問するビジネスツアーを開催します ...
-
とある関西人、イタリアで女子高生してまんねん。
イタリア・ヴェネチア在住の「高校4年生」によるグローバルコラム連載開始 ...
-
国境を越えるイノベーションに必要な3つの人的ネットワーク
ベトナム在住の小原アンバサダーが提唱する「これからのイノベーションに必要な3つの人的ネットワーク」とは ...
-
「週末アジア視察団」でシンガポールへ!!
2月22日・23日の週末を使ってフラッとビジネス視察に行って、グローバル新時代の未来を語り、学びませんか? ...
-
TOEIC260点からの異国適応能力兼サバイバル能力の育て方
TOEIC260点からMBA留学した長井アンバサダーからのサバイバル提案 ...
-
バンコクで「蹴る・学ぶ・繋がる」フットサルW杯タイツアー
11月7~10日でタイ・バンコクでフットサルW杯の観戦などがパッケージとなったツアーを開催します ...
-
サラリーマン留学記-社費で留学する意味
日系コンサルティング会社から社費で米国留学する佐藤氏からのコラム。社費留学者からの貴重な体験記 ...
-
はみジャパ習慣(2)磯野カツオ氏を見習ってみる。
行動した結果、100点どころか50点すら取れなくても、意識してみるだけでも10点、行動しただけで30点!成績的には可! ...
-
NATOと呼ばれるニッポンジン
「NATO」って・・・・?No Action Talk Only….アジア新興国で揶揄されるそんな日本人の話です ...
-
パキスタンからグローバル人材を考える
パキスタン在住のアンバサダー尾崎氏が自身の多様な経験から独自のグローバル人材像を語ります ...
最新ニュース
-
U18W杯開幕、清宮オコエらで初V期待
夏の甲子園を沸かせた高校生強打者2人が、28日開幕した第27回U−18(18歳以下)ワールドカップ(W杯)で日本代表として世界一に挑む。 ...
-
「ガトリンの復讐」ボルト激突も無事
【AFP=時事】(写真追加)第15回世界陸上北京大会(15th IAAF World Championships in Athletics Beijing)の男...
-
イチのファンサービスに観客感涙
「マーリンズ1-2パイレーツ」(27日、マイアミ) マーリンズのイチロー外野手(41)は「2番・右翼」で出場し、4打数無安打。17打席連続無安打(3四球、1犠打...
-
川栄李奈、初舞台で「おバカ」返上へ
今月4日にAKB48を卒業した女優の川栄李奈が26日、都内で行われた舞台『AZUMI 幕末編』の制作発表・公開稽古に、共演者とともに出席した。 ...
-
世界の若手億万長者30名 日本人は?
フォーブスは世界で最も裕福な40歳未満の 44人のリストを公開した。ここではその中から30名をピックアップ。年齢の若い順に掲載する。 エヴァン・シュピーゲル(ス...