タイ式のほほん習慣(2) マイペースさ、自分らしさはありますか?
バンコクを歩いていて、気付いたことです。
いつの間にか自分の足が、以前より日本仕様に、速くなっていました。
タイ時代は、自分が誰かを追い抜いて歩くなんて、あまりなかったのに。
それになんだかこのペースも、本来の自分のペースではない気がしました。
しかしそう気付いて10日間タイで過ごすうちに、自然と、早いでも遅いでもない、自分のペースが戻ってきました。
そこで改めて思い出したこと。
「タイ人はみんな自分のペース=マイペースで歩いている」のです。
急ぐ駅の構内で、後ろの人に抜かされて「イラッ」とした経験がある人は、少なくないでしょう。
駅まで行く道、急がなくても予定の電車に乗れるのに、同じ方向に歩く他の人に、抜かされないようにしたり。
バンコクのBTSの駅の中では、抜かす人も、抜かされる人もいっぱい。
押すでも押されるでもなく、みんな自分のペースで歩いているのです。
BTSの路線が伸びた関係で、タイでも日本と同じように、ラッシュができつつありました。
それでも日本と全然違うのは、誰も押し合わないこと。
抜かす側も、遅く歩く人のことを理解しながら抜かすし、抜かされる側も、抜かされること自体を、空気のように全然気にしていないのです。
これがバンコクのBTSスカイトレイン。日本も資金協力をしています。
電車といえば、席のことでも1つ。タイの電車「BTS」の中には、優先席はないのです。
優先席はありませんが、目上の人・女性・子供、基本的に弱者的な立場の人には、自然と席を渡す傾向にあります。
あとは仏教国ですから、お坊さんですね。徳を積む行為の1つとして、自然とお坊さんには席を譲ります。
日本と違って長時間電車に乗るわけではないことも、席を譲る大きな要因になっているとは思います。
ですが1つは、そういった親切をすることに躊躇がない事と、行動に移すこと自体に個人のマイペースさがあるからだと思います。
親切心は、社会的な常識感覚による、強制ではないのです。
あくまで自分の考えのもとに、個人・個人がやっている、ということです。
私が海の外へ出るようになって、まず一番に感じたのは「私には自分の考え方、自分の意見が足りない!」ということです。
学生時代、モントリオールはカナダへ、1ヶ月間程語学研修に行ったことがあります。
それは奇しくも、9.11と同じ時期のことでした。
国は違うとはいえ、ニューヨークまでバスで2時間くらいで行けてしまう所にいました。
多くの人種が揃った語学学校の中で、9月11日は、急きょディスカッションの日になりました。
しかし・・・、私だけ、何かピンと来るような、自分らしい意見が言えないのです。
私は頭の中で、自分の意見ではなく、「世間一般にはこう言われるんじゃないか」という意見を探していたのだと思います。
それまでも「自分はどうしたいのか」「どう思っているのか」と問われる場面で言葉に詰まることは多々ありましたが、このときのディスカッションほどそれを強く認識したことはありませんでした。
正直、異人種たちの輪の中で、すごく恥ずかしかった。
そんな諸々の経験からわかるようになったこと。
「マイペースさ」と「自分はどうしたいか」という「自分なりの意見」を持ってこそ、「自分自身だ」ということです。
前稿の「待つことは悪いこと?」でも、「待たされている」のか「(自分の意思で望んで)待っている」のか、というお話をしましたが、それに通じるものがあると思います。
自分の何かうまく行ってないものを、他の誰かのせいにしていませんか?会社や政治、周りの環境や国の習慣、育った家庭や、今の家族など。
その前に、本当は「自分はどうしたい」のでしょう?どうだったら満足なのでしょう?そうなるために、何が行動できることなのでしょう?
「自分の意見」だと思っていたものは、テレビの中の誰かが行っていたこと・やっていたことではありませんか?
自分のスタイル・素敵だと思っているものは、雑誌がそう詠っていたものではありませんか?
もちろんそれを取り入れても良いのです。人の意見や世間の意見を聞くことも大事です。
でも、まだ「自分」が無いのなら、それは危険なことかも知れません。
マイペースに生きていると、人に抜かされても気になりません。
相手を察し、躊躇なく親切を表すこともできます。
誰かに「させられている」と感じないことで、ストレスフリーになります。
また、相手のペースに合わせなければ、と、焦らなくてよくなります。心に余裕ができます。
マイペースは、タイ人だけではないと思いますが、マイペース・マイ オピニオンを持つことは、世界へのパスポートだと言えるでしょう。
次回はもう1項、私なりの世界へのパスポートをご紹介致します。
Facebookページに参加しませんか!
『開国ジャパン』は海外経験豊富な開国アンバサダーによる情報発信メディアです。
海外での生活やビジネスなどに興味のある方のために
★各国に駐在しているアンバサダーからの現地事情
★英語などの語学や海外での生活情報
★海外ビジネスの情報
など、幅広く最新の情報を発信しています。
最新記事のチェックにはTwitterが便利です。
更新情報を必ずツイートしています。どうぞ、フォローしてください。
開国アンバサダー
現在89名のアンバサダーが活躍中!
開国アンバサダーは、「グローバル社会で活躍する新しい日本人のロールモデル」 です。開国ジャパンでは彼らの熱い想いを発信しています。
5足の草鞋を履く自由人
尾崎 由博(おざき よしひろ)2006年北大獣医学部卒、証券アナリスト。人の心を動かし、前向きな生き方を応援したいとの志から国際協...
University of Exeter
櫻井 勇希(さくらい ゆうき)1986年静岡県生まれ。2010年に早稲田大学を卒業し、同年渡英。London Metropolit...
d.light ソーラーライト市場開拓
藤田 周子(ふじた ちかこ)埼玉県出身。国際基督教大学(ICU)教養学部、米国エール大学森林環境大学院修了。外資系コンサルティン...
スキマトーク代表
清水 幸治(しみずこうじ)一橋大学経済学部を卒業後、電機メーカーで中国事業、主に携帯電話事業立ち上げに従事。 北京駐在中、立ち...
アルゼンチン・日本コーディネーター
相川 知子(あいかわ ともこ)広島市出身。ひろしま平和大使。アルゼンチン撮影コーディネーター、スペイン語通訳(会議同時通訳、セミナ...
チーム開国ジャパン
ピックアップ
-
2013年6月カンボジア・タイビジネス視察ツアー開催!
カンボジアとタイを6月17日~20日の4日間で訪問するビジネスツアーを開催します ...
-
とある関西人、イタリアで女子高生してまんねん。
イタリア・ヴェネチア在住の「高校4年生」によるグローバルコラム連載開始 ...
-
国境を越えるイノベーションに必要な3つの人的ネットワーク
ベトナム在住の小原アンバサダーが提唱する「これからのイノベーションに必要な3つの人的ネットワーク」とは ...
-
「週末アジア視察団」でシンガポールへ!!
2月22日・23日の週末を使ってフラッとビジネス視察に行って、グローバル新時代の未来を語り、学びませんか? ...
-
TOEIC260点からの異国適応能力兼サバイバル能力の育て方
TOEIC260点からMBA留学した長井アンバサダーからのサバイバル提案 ...
-
バンコクで「蹴る・学ぶ・繋がる」フットサルW杯タイツアー
11月7~10日でタイ・バンコクでフットサルW杯の観戦などがパッケージとなったツアーを開催します ...
-
サラリーマン留学記-社費で留学する意味
日系コンサルティング会社から社費で米国留学する佐藤氏からのコラム。社費留学者からの貴重な体験記 ...
-
はみジャパ習慣(2)磯野カツオ氏を見習ってみる。
行動した結果、100点どころか50点すら取れなくても、意識してみるだけでも10点、行動しただけで30点!成績的には可! ...
-
NATOと呼ばれるニッポンジン
「NATO」って・・・・?No Action Talk Only….アジア新興国で揶揄されるそんな日本人の話です ...
-
パキスタンからグローバル人材を考える
パキスタン在住のアンバサダー尾崎氏が自身の多様な経験から独自のグローバル人材像を語ります ...
最新ニュース
-
U18W杯開幕、清宮オコエらで初V期待
夏の甲子園を沸かせた高校生強打者2人が、28日開幕した第27回U−18(18歳以下)ワールドカップ(W杯)で日本代表として世界一に挑む。 ...
-
「ガトリンの復讐」ボルト激突も無事
【AFP=時事】(写真追加)第15回世界陸上北京大会(15th IAAF World Championships in Athletics Beijing)の男...
-
イチのファンサービスに観客感涙
「マーリンズ1-2パイレーツ」(27日、マイアミ) マーリンズのイチロー外野手(41)は「2番・右翼」で出場し、4打数無安打。17打席連続無安打(3四球、1犠打...
-
川栄李奈、初舞台で「おバカ」返上へ
今月4日にAKB48を卒業した女優の川栄李奈が26日、都内で行われた舞台『AZUMI 幕末編』の制作発表・公開稽古に、共演者とともに出席した。 ...
-
世界の若手億万長者30名 日本人は?
フォーブスは世界で最も裕福な40歳未満の 44人のリストを公開した。ここではその中から30名をピックアップ。年齢の若い順に掲載する。 エヴァン・シュピーゲル(ス...