バンコクマダム録(5)マイナスからのバンコク生活デビュー
これまでの連載をお読み頂いた方々、もう薄々お気付きだと思いますが。
「日本以外で暮らして生きたい!」という夢は前々から持っていたものの。
1人で海の外へ飛び出していくようなガッツのあるタイプでもなく。
「やりたいこと」や「憧れ」があるのに、家族や周囲の期待に応えたかったり、目前の安定を大事にしたいあまり、何もできない。
そんな消化不良な状態にもいつの間にか慣れた、小心者でどこにでもいる、ごく普通の日本女子。
それでも「本当に求めていること」をやれていないが故に、国内大手自動車メーカーの総合職から始まり、某通販会社での派遣勤務、外資系メーカーの日本現地法人での営業事務職まで、約2年という短い期間に、職場も放浪し続けていました。
その上、これまで書いてきたように、相当な恐がり屋で不衛生な場所は大嫌いだし、大切にしたい場所や人に対しては意見せず従う一方で、「やりたいこと」より世間体や安定、論理性や合理性ばかり優先して、物事を選んでいました。
そんな生き方をしていたせいか、いろんな不遇にも合い、身体も悪かったんですね。
もうとにかく、こんな風にパーーっと世界へ飛び出していけるようなタイプでも、状況でも無かったワケです。
ジプシー気質こそ、幼少時代の転勤族の経験から備わっていましたが、こと海外暮らしとなると、普通の人が始めるよりハードルは高かったと思います。
それでも「駐在」という形とはいえ、えいっと飛び出して行ったことで、ただの「駐妻生活」を越えた体験を、いろいろとできるようになったわけです。
そんなお話をこれからどんどん書いていきますので、ご期待下さいね。
ルンピニ公園の珍獣。
そんなわけで、約6ヵ月間に渡る長い長~い帯同待機期間の間に、1人で結婚式場を選んだり、お義母さんにお料理を教えてもらったり、mixiを始めたり、大量の除菌グッズを買い込んだり。
この頃「駐妻」という言葉も、初めて知りました。
「キリが良いから」というだけの理由で決めた、9月1日。
その日が、やっとやっと来ました。
旦那さんの会社がとってくれた、ANA便ビジネスクラスに乗って、あらためて「ドンむぁ~ン」ならぬ、「ドンムアン国際空港」へ。
駐在の渡航時と本帰国時に、たいていの会社がビジネスクラスに乗せてくれるのには、理由があります。
もちろん「駐在頑張ってこいよ」っていう壮行的な意味もあるのですが、ビジネスクラスに乗ることで、同時に持って行く引っ越し荷物が多く積めるという利点があるのです。
大きめの段ボールを1つと、小さめの段ボールを2つ、合計3つを積んで搭乗。
重い荷物に押し潰されそうになりながら、まだ完全に回復していないヒヨワな身体で、ヨロヨロと成田を後にし、渡タイしました。
「二度目まして」の、ちょっと恐い雰囲気の、身体の大きな運転手さんのクルマでお迎えに来てもらい、写真でしかまだ見たことのない、夢の新居のドアを開ける。
きっと素敵なお部屋が・・・・・
「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・えっ・・・・・・・・・・?」
はい。。。 結婚するまで実家暮らしだった男性が、2か月間1人暮らししたお部屋です。
平日は夜中まで帰れず、土日もゴルフという生活をしている人です。
いわゆる「寝に帰るだけの家」だったわけです。
会社の人の紹介で、お手伝いさんこそ決まっていました。
でも旦那さんは「ゆう子が来るまで、他の女の人は入れないょ!」と、お手伝いさんも入れずに私が来るまでの2ヶ月間のコンドミニアム生活を、1人でがんばってくれていたのです。
私がヤキモチ妬きで、風俗の乱れたバンコクでの男性1人暮らしを心配していたから・・・。
そんな私に対する、新婚ならではの旦那さんのやさしさ。
が、しかし・・・・・・・・。
今日私がビジネスクラスに積んできた大量の荷物達は、どこに置けば良いのでしょう?
自宅に到着した時刻、24:30。 とりあえず寝たい私は、シャワー。。。
「ゆう子のためにカワイイタオルとっといたんだよ!これ使いな!」
と、渡してくれた、カエルさんのバスタオル。は、バスタオルと呼ぶには、とても小さめ・・・。
しかも新品。全然お水を吸わない・・・。
そんな当時の私のヘアスタイルは、胸下まであるスーパーロング。
それも不器用なオトコの優しさ。
すべてありがたく受け取って、なんだか寝る支度に辿り着くだけで、いろいろ精一杯だった渡航日。
次の日には、お手伝いさんのことや会社のことについて、いろいろ教えて下さるために、お手伝いさんを紹介して下さった会社の先輩ご夫婦が、この家まで足を運んで下さるという。
・・・・エッ?・・・・この家に・・・・?
どう考えても、他人を入れられないし、お茶も出せないしっっ(大汗)
どーーーなるんだ??
今思い返すと、いっぱいいっぱいだった記憶はたくさんあるのだけれど。
やっと始まった新婚生活と海外生活に対するワクワクとトキメキがいっぱいで、小さなことは何も気にならなかった。
ただ相変わらず、体調悪いヒヨワ子ちゃんだったので、渡航1週間後には高熱出したりして、あまり体力的な無理はできなかったけれど。
やっとなんとかバンコクでの駐在生活に辿り着いた私。
次稿では、ここでもちょっと出て来た、会社の先輩奥様と、お手伝いさんのことについて書きます。
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