これからの時代、いかに英語を学ぶべきか~縦切りから横切りへ~

最近の英語の勉強(個人的には、語学は「勉強」ではないと考える)のブームは、グロービッシュ。

「完ぺきな英語ではなくてもいい、片言の英語でもコミュニケーションが取れればOK」、「アメリカ人はアメリカ人の発音、オーストラリア人はオーストラリア人の発音、中国人は中国人、日本人は日本人の。。。」のような省エネイングリッシュに変わってきました。

個人的には、この流れには賛成。

では、この省エネイングリッシュ、どうすればもっと効果的に学べるのか。

今まで日本人がしてきた英語の勉強方法というのは、いわば縦切りの学習方法。

文法、単語、発音、語法などのように、“言葉”を部分ごとに分けてそれを一つずつ習得していけば、いずれ英語が話せるようになるだろう、という発想。

「英語」という言葉そのものだけに焦点を当てた縦切りメソッド。

このやり方で効果があったかどうかは、周知の通り。。。

一方、これから目指すべきは横切りの学習方法です。

縦切りでは、文法、単語、発音というように分けていたのに対して、横切りでは、あなたの「職業」、「相手」、「目的」の3つに分けます。

まず最初に、「職業」。

あなたが、「海外でホテルマンをしたい」場合。

次に、英語を使うであろう「相手」。

ここでは、客、上司、同僚、となります。

そして最後に、「目的」。

客のチェックインを英語で承る、部屋を案内する、ルームサービスする、同僚と世間話をする、などがその目的となります。

さて、ここまで来てようやく、「自分が海外でホテルマンとして働き、宿泊客と英会話できるようになりたい。」という習得すべき英語の方向性が見えます。

では、以下の日本を英語で言う練習をしてみよう。

「明日のモーニングコールは何時にいたしましょうか。」

(1) What time do you need a wake-up call tomorrow?

(2) What time do you want a wake-up call tomorrow?

(3) What time would you like a wake-up call tomorrow?

言い方は一通りではないですが、あなたがホテルマンで、相手がお客、という立場を考えると、この中で一番ふさわしいのは(3)となります。

3つとも文法的には間違っていませんが、”客に仕える”という立場を考えると(3)になります。

というのは、「wouldを使うと表現が丁寧になる」という英語の特性があります。

だから、飛行機の機内で飲み物をすすめてくるクルーは、次のように言いますね。

Would you like something to drink?

 

Do you want something to drink?

でも、文法的にはOKだけど、状況的にまずい表現になるわけです。

このように、自分の職業(立場)、相手、目的、をはっきりさせることによって、自分が習得すべき英語表現、文法項目が絞り込めます

ただやみくもに一から文法や単語を覚えるよりも、自分の目的に合った方法で効率的に学習できます。

もう一つ例を。

今度は、「海外でプレーを希望するサッカー選手」の場合。

「相手」は、ここでは、監督、コーチ、チームメイト、チーム関係者となります。

セレクションで自分を売り込む、試合中に指示を出す、監督の指示を聴き取る、チームメイトと意思の疎通、などがその目的となります。

では、セレクションなどで自分を売り込むシーンを考えてみましょう。

「俺を取れば、絶対に後悔させないよ。」などのように、どれだけ誇張して自分をアピールできるかが鍵になります。

(1) I won’t let you down.

(2) I wouldn’t let you down.

先ほどは、「wouldを使うことによって、丁寧になる」という説明をしましたが、今回では(1)が正解ですね。

wouldのような控えめな表現を使うのではなく、willを使って、自分の意思をはっきり伝える方が、監督には頼もしい奴だと思われるわけです。(※ちなみに、海外でのプロポーズは、Will you marry me?であり、Would you marry me?ではないですよね)

逆に、海外のチームと提携を結びたい場合、

I would like to form a partnership with you.

となるわけです。

このように、自分の立場、相手、目的によって、自分が習得すべき単語、文法事項、表現などをフォーカス(焦点を当てて)して覚えていきます。

では、具体的なフォーカスイングリッシュの学習方法ですが、例えばあなたが、日本食レストランのウェイターで、食事に来た外国人に日本食を英語で説明できるようになりたいとします。

ここでやってはいけないことは、「英語は単語と文法だ」と言って、本屋さんに行き、ランダムに単語集や文法書を買って来て、一から勉強しようとすることです。

効率が悪すぎて、いつまで経っても、できるようにはならないでしょう。

まずは、自分が英語で説明したい食べ物を思い浮かべます。

例えば、天ぷら。

これを、Googleで検索します。

すると、”Tempura is a Japanese dish of seafood or vegetables that have been battered and deep fried.” (wikipedia) と出てきます。

こうすることで、dish(食事)、seafood(シーフード)、vegetable(野菜)、batter(衣用の生地)、deep fried(油でよく揚げられた)、という料理に関する単語が覚えられ、他の日本食にも応用できます。

他にも、英語に慣れてきたら、自分の専門分野の本を洋書で読んでもいいでしょう。

私自身は、オーストラリアでフットサル選手をしたり、日本人選手の代理人、またはオーストラリアチームとパートナーシップを結んだりといった仕事をしてきたため、この辺に関する英語表現には長けております。

現在、「海外サッカー•マネージメント•交渉で使える英語表現集」を作成し、まとめてありますので、希望者はご連絡ください。

また、開国ジャパンでも「明日から使えるサッカー英語」と題してコラムも書かせていただいています。

昨今、「日本人には英語はいらない」などのタイトルで、日本人の英語学習に対するモチベーションを下げるような本もたくさん出ていますが、これらは、今日の英語ブームを逆手にとって、目立とうとしているだけの詭弁です。

英語はできて困ることはないです。

ぜひ、効率的な学習をし、自分の夢を叶えてください!


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