日本企業と韓国企業との闘いの最前線で ~海外駐在経験から2~

WTC

いまはなつかしい、ワールドトレードセンターで仕事をしたりしていました。 徳川先生というお医者さんがかかりつけの先生で、よく行きました。(いまはどうなんだろう)

駐在していて、いろいろな伝説を作ってしまい、社内でも有名になってしまった私ですが、その辺のことはおいおいお話するとして、駐在の経験からいくつか、海外で仕事をするために必要だと感じたことをお話したいと思います。

$1=240円といういまでは超円安に感じる状況が、あれよあれよという間に$1=180円まで円高が進みました。

簡単に言いますと、いままで20%の粗利で200ドルで売れていたものが、利益をなくして売ったとしても213.3ドル、当然利益を載せるわけですから240ドル程度にはなってしまい、一挙に20%もの値上げとなるわけです。

 

当時、韓国のメーカーが徐々に力をつけてきていて、主力となる製品群が市場で真っ向勝負の状態となり、価格では完全に差をつけられる状況の中、どう生き残るか、が深刻な問題になりました。

当時、もっともライバルとして見ていた会社がいまのLG、当時金星社という名の会社でした。 この会社は、日立から製造技術を供与され、どんどん力をつけているところで、半導体工場ではクリーンルームなのに役員がエアシャワーも浴びずに堂々と背広のままで製造ラインに入っていく、という状況の会社だったのですが、それも一時のことですぐに日本が追い付かれるだろうことは当時米国にいる最前線の我々でもすぐに気づくことでした。

 

徐々に韓国企業が追い付きつつあったところで、我々が志向したことは「差別化」のキーワードで、当時ブラウン管のディスプレイしかなかった時代に、14インチでどんどん市場に入ってきていた彼らと

1 正面から全面的に戦う

2 彼らのいない、来れないところに自分たちが進んでいく

という二つがありました。 正面から戦う、と言っても価格では段違いなので、「品質」と「耐久性」を前面に出し、付加価値を訴求するという戦略で戦いました。 しかし! ぜんぜん訴求できないのです! フォーカスが良く、綺麗に見えるうちの画面と明らかに違うぼやっと見える画面を並べても、「同じだ!」、と言われるのです。 耐久性については、その場では分からないことなのでいくら説明してものれんに腕押し。 恐れていたことが起こったのです。

 

もうひとつの戦略であった、彼らのいないところを市場として作り出す、ということですが、この分野ではもともとなかった市場を作り出す、ということだったので時間がかかりましたが、大方成功しました。

 

後年、ある自動車メーカーの品質管理の部門の管理職の方とお話をしてわかったことなのですが、日本では塗装の不良の原因を100種類以上の項目に分けて、原因と対策を決めていたのですが、ブラジル工場では、いくら教えても10種類強にしか分類できない、ということで、対策もそれだけ粗いものになった、とのことで海外の人と日本人ではそもそも、という観点で同じ土俵ですべてを語ってはいけなかったということでした。

 

当時は米国でこんなものを売ってました

別の事例ですが、IT関連の外資系に勤め、日系企業を担当していた時にも、実は大きな違いに日本企業が苦しんでいたことを覚えています。

 

非常に簡単に表現しますので言い方は極端ですが、情報システム部門は基本として「企画」を行い、SAP・オラクルなどのパッケージの導入はSIerと呼ばれる会社が担当します。 しかし、海外では、情報システム部門の人々が各関係部門の優秀な人を集め、教育をし、自分たちで機能を勉強しながら構築していくのです。

当然、日本での費用と海外での導入費用は大きく違ってきます。 多くの日本企業が、契約したのに何もしてくれない、とクレームしてきました。 人件費は確かに日本の方が単価は高いですが、そうは言ってもアメリカで日本の五分の一で出来るわけないので、そこを疑問に思わないことが何よりの問題です。

 

つまり、このことから・・・現地のビジネスの常識、人々の常識、感性が日本人である我々と同じではないことを前提にお付き合いする必要があるわけです。

 

海外に行く! 世界ではいろんな視点で、いろんな常識の上に成り立っていて、日本でも取り入れるようにすべき物事や、日本の良さを海外でも知ってもらうことは大切だと思います。 以前に比べ、海外に出たいと思う日本人が減った、と聞いたことがあります。

これからの世界は同じ場所にとどまっていては、自分も日本も決してよくないと強く思います。

 

NYでよく訪れていた日本の書店

まだまだ、経験からお話することがあります。 次回は人との付き合い方を経験からお伝えしようと思います。


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