3年B組ムエタイ先生~No.01「日本語教師!!私?」~

yoshimine

皆さん、こんにちは。吉嶺 加奈子と申します。開国アンバサダーとして『開国ジャパンプロジェクト』さんにコラムを書かせて頂くことになりました。どうぞよろしくお願いします。

現在、私はタイの首都バンコクにある国立大学の日本語学科で専任講師をしています。また、休日は近所のムエタイジムに通い、プロ選手たちの動きを間近に見ながらトレーニングに励んでいます。 ムエタイの本場タイでの試合出場を目指して頑張っています。

 

「大学の先生」と「ムエタイ選手」という正反対の職業を両立させようと奮闘している話や、タイのローカルな日常生活、大学行事や日本語教育の話などを書いていきたいと思います。初回は「私が日本語教師になるまで」について書きます。

 

 

 

  • そもそものきっかけはEラーニング

元々、私は中学校の英語の先生になるのが夢でした。しかし大学で英語漬けの毎日を送った結果、英語アレルギーになってしまい、教員免許は取得したものの先生にはならずに大学院へ進学しました。

大学院に進学しても「何か教える仕事に就きたい」という気持ちは持っていたので、教育業界を中心に就職活動を行いました。結果は惨敗。仕方がないので、Eラーニングがやりたいな…と漠然と考えていて第2志望だったIT業界へとシフトし、そちらで内定をもらいました。

でも、現実は甘くありませんでした。教育とは関係のない部署に配属され、激務の毎日。あまりにもストレスが溜まるのでストレス解消とダイエットのためにキックボクシングを始めることにしました。実は社会人になるまでスポーツジムにすら行ったことのない運動音痴でしたが、インストラクターの指導のおかげで楽しく続けることができました。あるインストラクターにタイ修行に連れて行ってもらったのをきっかけにムエタイに転向しました。

 

  • 退職理由は「ムエタイ選手になりたいんで…」

仕事はそれなりに楽しかったものの、定時で帰れることはめったになく、繁忙期は早朝出勤&終電帰り。こんな毎日が定年まで続くのかな…と思って自分の将来に絶望したのと、毎週のように休日出勤を強要されてはジムに通えない!と不満が爆発したのとで、自分の人生について見つめ直したのが29歳の時でした。

しばらく悩んで出した結論は「好きなこと(ムエタイ)を続けたい。そのためなら生活苦も辞さない。」でした。社会的な安定より、精神的な安定が大事だと考えました。ということで退職後は職業訓練に通い、縁があってタイ国内でのインターンシップに派遣して頂きました。「生活の拠点を日本ではなくタイにすれば、毎週ムエタイの練習ができる!しかも本場!!よーしこのまま就職するぞー!!!」と安直な考えでインターンシップに参加したのですが、打ちのめされて帰ってきました。なぜなら、タイで求められている人材は「理系」だったのです。

転機となったインターンシップ。

 

  • 文系スペックが生きる仕事…日本語教師

タイでインターンシップを経験し、タイで働きたい!という気持ちは強くなる一方でした。でもバリバリの文系の私にタイでできる仕事があるのか…と色々と調べていたら、ぴったりの職業がありました。「日本語教師」です。私は幸運なことに外国語大学の日本語研究科で日本語関連の修士号を取得していたため、あとは日本語教師の資格を取ればOKでした!それで、区立中学校の非常勤職員をしながら1年間専門学校に通って資格を取りました。資格取得と同時に就職活動をし、現在の勤務校に採用して頂き現在に至ります。

  • どんな人が日本語教師に向いているか

日本語教師の仕事は、一見簡単そうに思えますがとても難しい仕事です。大学時代の第二外国語を思い出して下さい。学生達が日常生活でほとんど耳にしたことのない言語を、授業時間内に習得させなければなりません。そしてタイでは多くの学生が日系企業への就職を希望しているので、ビジネスマナーや日本文化なども教えなければなりません。「日本人だから」という理由で日本語教師になれる時代ではないようです。

私が考える「日本語教師に向いている人」ですが…

  1. 社会人経験がある…私は民間企業(電機メーカー)に約5年いましたが、これでは足りないと痛感しています。10年以上社会人を経験した方や、様々な業種・職種を経験した方のほうが多角的に日本語を教えることができると思います。
  2. 何か一つ精通した「日本文化」がある…私の場合、実母が民謡歌手で三味線の家元ですから「邦楽」が得意分野です。日本文化を教えられる先生は重宝されます。同僚達を見ても、書道・華道・茶道・剣道などをたしなんでいる方ばかりです。
  3. 外国語の習得に苦しんだ経験がある…努力してもなかなか日本語の学力が伸びない学生がいます。自分にも似た経験があれば、学生のもどかしい気持ちを察してあげることができます。
  • 夢は叶う、しかも海外で 

教える科目は違いますが、気が付いたら「先生になりたい」という夢は叶っていました。そして「毎週ムエタイを練習したい」という希望も今のところ叶っています。もし、あの時に決断せず会社で仕事を続けていたら、きっとどちらも叶わなかったはずです。

そして、自分の好きな国で好きなことができるという喜び。インターンシップに参加できた奇跡。仕事に有利な修士号を持っていた偶然。これらは本当に幸運なことでしたが、自分の「タイが大好き!」という強い思いと積極的な行動が、このような幸運を引き寄せたのだと思っています。

もし、海外でやりたいことがあって、でもチャレンジするかどうか悩んでいる方へ。一度、短期間でもいいので現地に行ってみてください。現地で実際に生活してみて、自分の気持ちが変わらなければ、それは挑戦すべき時なのだと思います。そして、チャンスを与えられたら躊躇せずに飛び込む勇気を持って下さい。ムエタイのトレーナーからは、早いキックでもなく重いパンチでもなく「ジャイスー(闘争心、強い心)」を持った選手が勝つと毎日のように言われてきました。皆さんも自分の心を強く持って、自分に正直に生きて下さい。


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