相原ユタカの“年収3万円海外プロサッカー選手放浪記” Vol.30~厳重監視の合宿生活~

ファキラポンFCにて、10日程が過ぎまして・・・・・・
未だに近所の公園で走り込みまくり。
そろそろプライバシーなんてどこ吹く風な寮生活にチームメイトがうざったくなり、トレーニングによって立派な陸上部になれると思っていた頃、「明日からキャンプだ。」との通達。
ん?キャンプ?
どうやら合宿のようだ。
場所はバスで1時間チョイのガジプールスタジアム。
なんにせよやっとサッカー選手のようにボールを扱えるらしいのよ。
サヨナラ、陸上部、サヨナラ、公園。
次の日、バスでじっくりコトコトと煮込まれること1時間半。
車中、チームメイトにずっと日本の歌を歌わされるという心のレイプを味わい、ようやくスタジアムに到着。
出発時から妙な違和感を持っていたんだけど、その違和感の点と点が線になって結ばれただけじゃなくその線でボクはがんじがらめになってしまうの。
どういうことかって?
あのね、朝っぱらからキャンプ(合宿)だって叩き起こされて、ベッドに敷いてある布団をみんなでバスに詰め込みだすのよ。
「スタジアムでキャンプだ」だって。
で、スタジアムについたのね。
ボクのイメージだと、っていうかタイの場合だとまずはホテルに荷物を置いてそれから、練習やら試合やらが始まんのよ。
一方コチラ、バングラデシュでは・・・・・・
ガジプールスタジアムの控室に、布団を敷き始めたの。
キャンプってそういうことか!?
まさかこれから控室での寝泊りが始まるとは思ってもみなかったな。
ボクの想像力なんてチンケなもんだったよ。
あ、言っておくけど控え室って言っても日本のスタジアムを想像しないでね。
いかにもコンクリートな地面に閉まらない足もとの窓。
そこから吹いてくる風は遠慮なしに砂を招き入れるのよ。
ボクは埃っぽい寮から、砂まみれの控室で生活することになってしまったようだ。
もうね、半分野宿ですわ。
「俺さ、海外に行った時、最初はホームシックで毎晩泣いてたよ。」
なんて話、よく聞くのね。
ボクはこの生活の最中、毎日毎晩くしゃみと鼻水で涙が止まらなかったよ。
なんかね、ホームシックになるって心に余裕があるんだなって思ったもん。
この生活なんてね、余裕どころか時折、電気すらないからね。
もちろんプライバシーもね・・・・・・
25人ほどでスタジアムの控室で寝泊まりじゃん。
あたしゃ、ベンガル人の約50人の目ン玉に晒され続けていたワケよ。
唯一ボクが1人になれるのは朝と夕方の2部練習の合間のリラックスタイム。
と、思っていたんだけど甘いね。
「おい、ユタカ。日本の歌うたってくれよ。」
毎日だね。こんなに毎日じゃそりゃたいやきくんも逃げ出すよ。
幸か不幸か周りに海がなかったからボクは逃げなかったけどね。
しかもボクちゃんと泳げないし!
1曲歌ったら気が済むかと思って歌ったら、もう1曲、もう1曲って。
面倒臭えから最後の方はカトちゃんのスキャットマンを1フレーズ。
そして風のようにその場を去ったよ。
そして日本人の人たちから貰った週刊誌を読みふけたんだ。
ソレがボクの唯一の落ち着く時間。
の、はずだった。
みんなでボクの週刊誌を覗いてくるのよ。
ボクの目と週刊誌の間に顔を出すもんだから、ボクの視界には黒光った奴らの後頭部のみ。
そりゃ、くれてやるしかないよね。
ゲンコツ!
ボーっと空を眺めてたらいつもボクの練習着だけを洗濯してくれる子供がいるんだけど、そいつがやってきて歌ってくれだって。
かわいい奴なんだけどね。
と、思ってたら後々金くれとか言ってきた。
マッチの言う、天使のような悪魔の笑顔ってあれやね。
ボクは悪くないよね。
病んでもしょうがないよね。
そういう思い出したくない思い出って、なかなか忘れないもんだね。
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