バンコクマダム録(9)駐妻大学生、通訳デビューする

恐々と、石橋を叩きながら始まった、私の駐妻ライフ。

タイ語と体力に自信が付くにつれ、私の行動範囲はどんどん拡がった。

身体が悪かった20代の青春を取り戻すかのように、好奇心の赴くまま。

 

大学に通い出したのは、在タイ丸2年になろうかという頃。

毎朝バスで、通学時間30分ほどの距離にある、シーナカリンウィロート大学に通った。

通勤や通学のタイ人達と一緒に、渋滞の排ガスに耐えながら、冷房の効いていないバスに乗って。

タイの大学には制服があるのだが、もちろんそれも着て通学した。

これがタイの大学の制服。

白シャツ黒スカートなら何でも可。

ボタンだけ学校指定の物に、自分で付け替える。

この他に校章を付け、ベルトをする。

 ベルトは、バックルに校章入りのものを、学校で購入。 

しかしこのミニ~なタイトスカートは、スリットがなかったし、とても歩きづらかった。

コンドミニアムの守衛さんは制服姿の私を、最初のうち「見てはいけないものを見たかな?」って照れ顔で送り出してくれたが、「この子は大学生なんだ」と、柔軟なタイ人らしくすぐに慣れてくれた。

 

 

もともと音楽も大好きな私は、タイの音楽にも興味を持ち始めた。

タイ語学校の女子大生講師・ラクサナー先生に、学習用T-pop(タイのポップス)を紹介してもらったことがきっかけだ。

授業中に新聞の芸能欄を眺めていたのもあって、タイの芸能界のこともわかるようになってきていた。

当時流行っていたタイのドラマ「ソンクラーン・ナン・ファー」(邦題:エアホステス)を見ては、次の授業でドラマについて語る。

ドラマを見たり音楽を聴くようになると、だんだんタイ人の思考回路というか、生活感や恋愛観がわかってきたような気がして、とても楽しかった。

 

BIE the Star 「I need somebody (อยากขอสักคน)」

初めて聴いた学習用T-popで、2006年タイの大ヒット曲。

 

 

 

 

日本でもDVD化されている、タイのドラマ「ソンクラーン・ナン・ファー」(邦題:エアホステス)

ブログ発の実話が元になっているだけに、タイでもかなり話題となり、大ヒットした。

ライバル役の女優・プーイちゃんが、ドリアンの皮で相手をひっ掻こうとした、アメージングタイランドなシーンが忘れられない。 

 

かわいい女優さんやアイドルのしゃべり方も、すごく参考になった。

私が一番最初に真似したのは、タイ語がペラペラな日本人のタイ語。NさんやYさんの喋り方。

次に真似したのは、インタビューに答えるときの、女優さん達の丁寧な喋り方。これはラクサナー先生の喋り方にも通じる。

そして最終的に、喋り方で一番影響を受けたのは、タイ人のお友達の喋り方。

 

 

 

午前中は週5で勉強し、お昼御飯はキャンパス内にある、冷房のない屋台風の学食で摂る。

午後に帰宅し、いつもの駐妻ゆう子に戻って、ヨガやマクロビオティックなど、別で夢中になっていた習い事に行く。

習い事の他にハマった遊びが、T-popのイベント

バンコクでは、アーティストの生歌をタダで聴けるライブ付きのイベントがたくさんあるので、タイ語のサイトをインターネットで調べては、それを見に行った。

なにより生のタイと、タイ語を見せてくれたのは、そこでできたタイ人のお友達である。

そこでタイ人のお友達とお喋りするのが、一番勉強になったのではなかろうか。

こうしてどんどん、生のタイ語に慣らされながら、スーパー駐妻だと仰いでいた先輩達のように、ペラペラとタイ語を喋るようになっていた。

このくらいになると、ちょっとやそっとでは日本人だとばれない。

とにかく生活がおもしろくなってきた。

 

 

こんな風にタイ語が喋れるようになったご縁で、習っていたマクロビオティックの先生(日本人)の、タイ雑誌向けの取材に、通訳として参加させてもらった。

 

 

 

 

 

タイのセレブ主婦向け雑誌「MAMA me」

旧姓だけど、通訳として名前が載った。

 

これが形に残った、私の初めての通訳デビュー。もちろんボランティア。

マクロビオティックやお料理について、タイ語で喋れる自信なんてなかったが、なんとかなった。

むしろそこで、私が喋って表現したことで、その場の橋渡しができ、わかりあえたことに、すごく充実感を感じた。

それまで職場も放浪し続けた私が、今までに感じたことが無い充実感だった。

こうして通訳という仕事に、徐々に魅力を感じ始めていった。

 

 

マダムコラムも、次回で第10稿。

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