日米豪韓4カ国サッカートーナメントをハワイで開催した男のストーリー

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「ハワイ諸島招待」。

こう日本語訳されると何の事だかさっぱり分からないが、これは英語で言うと「Hawaiian Islands Invitational」というサッカーの国際トーナメント。

2月23日~25日、ある日本人がハワイで日米豪韓の4チームが参加する国際トーナメントを主催した。

開国アンバサダーにも就任していただいている中村武彦氏だ。

彼は日本人で初めてアメリカのMLS(日本でいうところのJリーグにあたる)に勤務し、その後、FCバルセロナの国際部を経て、独立。

そんな彼が先月末に、ハワイで国際トーナメントを開催するまでに至った。

今回はハワイに飛び、中村氏に直接インタビューを敢行。そして大会のフィナーレを飾る決勝戦の観戦してきた。

 

決勝戦の行われる日の朝、中村氏を訪ね、インタビューをお願いした。
――どうしてこの大会を開催しようと思ったのですか?

中村:元々、私がMLS(メジャーリーグサッカー)に所属していた時に、自分で企画した「Pan Pacific Championship」(以下、パンパシ選手権)という大会がありました。今回は私が独立してから、この大会を引き継ぐような形で主催していることになっているのですが、元々立ち上げた時には、この大会が日米のサッカー界を繋ぎ、両国のサッカー界が連携し合うことで更なる発展を遂げてほしいという想いのもとで作りました。

このハワイという場所は太平洋のど真ん中に位置し、日米だけでなくオーストラリアなどを巻き込んで、「環太平洋」の国々が参加するバラエティ豊かな大会にしたいという想いがありました。

 

――この大会が開催の実現に至るまでの経緯を教えてください。

中村:さきほど申し上げた通り、元々はMLSが主催で行っていました。2008年に第1回パンパシ選手権大会がハワイで行われたのですが、当時は会場の人工芝の具合が良くなく、選手が安全にプレーできないという理由から翌年はロサンゼルスで開催されました。

しかし、大会関係者や参加チームはやはりハワイで開催したいという気持ちが強く、またハワイ州の関係者もハワイでの開催復活を強く求められていました。ハワイでのオフシーズンの観光客を増やしたいという州政府の想いと、またスポーツ界でもハワイにはプロスポーツチームはないため、この大会のようなプロチームの試合が見られる機会をハワイ市民に提供したいという想いがありました。

また、地元のテレビ局ESPNのハワイ支局が今までとは違うスポーツイベントを作りたかったというニーズが合致して、会場の人工芝を公的資金を投入してまで張り替えられ、私の会社「Leadoff Sports Marketing社」とESPNとの共同で大会組織委員会を立ち上げ、大会名称も新たに「Hawaiian Islands Invitational」という大会が生まれ変わったということです。

 

――どうして横浜FCが日本の代表チームとして参加しているのですか?

中村:やはりカズ選手の存在は大きいですね。チームを選ぶにあたって、もちろん各クラブのスケジュールや希望、コストなども考慮して招待チームを選ぶわけですが、日本のレジェンドになっているカズ選手をハワイに呼べるということになれば、ハワイ州政府も喜びますし、ハワイに住んでいる多くの日本人たちもスタジアムに足を運んでもらえるのではないかと考えました。

また、クラブを招致するにあたり、大都市のチームを呼んでほしいというハワイ州観光局のリクエストもあったのも事実です。その点、「横浜」という名前は世界レベルですし、歴史的にもアメリカとの関係性が強いことも勘案しました。

 

――今後、この大会をどのように盛り上げていこうと思っていますか?

中村:まずはコンスタントに毎年開催を続けていき、着実に知名度を高めていくことが大事だと思っています。ですから、今回新しく生まれ変わった大会をまず成功させることが一番大事だと思っています。また、今後も継続的に日本からもクラブを呼びたいと思っています。

ハワイ州政府からは大都市のクラブ、との要望ですが、まだ東京、大阪、名古屋などなど、J1・J2で多くのクラブがありますから、是非多くのチームに参加してもらって、サポーターの皆さまにも知って頂けるような大会にしていきたいと思います。また日米以外に、今回はオーストラリアと韓国からチームを招へいしましたが、今後はメキシコやその他環太平洋のチームに声をかけていきたいと思っています。

 

中村氏とのインタビューのあと、実際に大会会場に観戦に訪れてみた。

会場はワイキキ中心部から西方向へ車で30分くらい離れたところにあるアロハスタジアム。

なんともウソみたいなスタジアム名だが、なんと5万人もの収容人数を誇るビッグスタジアム。

ハワイにはプロスポーツチームは存在しないものの、ハワイ大学のアメフトチーム「ウォーリアーズ」は強豪として知られている。

元々は野球も行える兼用スタジアムだったが、老朽化に伴い、可動式の観客席をやめ、いまではサッカーやフットボールの専用スタジアムとなっている。

「大会はまだまだ知名度は高くなく、観客もそんなに多くないよ」という中村氏の話があったため、実は結構ガラガラの観客席をイメージしていたのだが、スタジアムへ入ってみると、コンコース(売店やトイレなどがある通路部分)にはたくさんのファンが溢れている。

決勝カードは、2日前に行われた初戦で勝った日韓の両チームの対決、「横浜FC vs 釜山I Park」。

しかしながら、観客席には日韓のサポーターだけでなく、白人、黒人、そしてなぜかメキシコ系の観客が多数観戦に訪れていた。

地元の少年少女サッカークラブなのか、女子や親御さんたちも多く観戦に来ていた。日系のサッカーチームの子たちも男女問わず、かなりの数がスタジアムに訪れていた。

 

キックオフ前、両チームがピッチ内に登場し、メインスタンド前に整列。

そして、国際試合ということもあって、両国国歌が斉唱された。

キング・カズこと、三浦知良選手もスターティングメンバーに名を連ね、チームの先
頭に立って「君が代」を斉唱する。

日本人としてこれほど誇らしげに思える瞬間も少ない。

 

試合は前半早々に釜山に先制点を取られ、その後も終始、釜山ペースで試合は展開され、終わってみれば、0-3という大差となり、釜山の優勝で、「第1回ハワイ諸島招待」は幕を閉じた。

大会リニューアル後、記念すべき最初の大会の決勝戦で日本代表のチームが勝利を飾れなかったことはファン目線からしても非常に残念ではあった。

が、主催者の一人でもある日本人・中村氏にとっては、それ以上に、横浜FCの優勝に期待をかけていたに違いない。

しかし、彼の想いは、日本チームが大会を制することだけでなく、もっと高いところに目標を置いているのであろう。

 

この大会がハワイでもっと知名度をあげ、また参加するクラブを通じて、もっと日本国内でも認知度が高まり、ひいてはアメリカを代表する環太平洋地域の国々のチームとの交流が進んでいき、最終的には日本のサッカーレベルが上がっていく、国際化していくことこそが、彼の本当の想いだろう。
決勝の試合後には、優勝チームの表彰セレモニーが開催された。

その壇上で、選手を祝福し、メダルを授与している中村氏の姿が、オーロラビジョンに投影された。

そこには中村氏の、この大会に掛けてきた充実感と、さらなる発展へ向けた挑戦とも取れる表情が映し出されていた。

 


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