冬の散歩道
アメリカのボストンに在住し、MITで航空宇宙工学科博士課程の小野雅裕さん(ペンネーム:緒野雅裕さん)のブログのご紹介です。ブログでは、日常の出来事の紹介から、ご自身が書かれた小説の紹介・旅行記・STeLA(「次世代の科学技術リーダーシップの育成」を目指す、留学生仲間と作った学生団体)の活動の様子など、様々なネタをつづられています。
世間はイギリスのロイヤル・ウェディングで盛り上がっているが、僕も2ヶ月ほど前、ボストンの自宅アパートのラウンジで、仲の良い友人たちのみを集めて簡素な結婚式を挙げた。婚約をしたのが式の10日前。式の日取りを決めたのは3日前。ドレスが届いたのは4時間前だ。アメリカまで飛んで来れなかった子煩悩な親へはUstreamで式の模様をインターネット中継した。西海岸の友人たちは「PHD48」なる余興を密かに準備していてくれて、Skype越しに踊ってくれた。まさにIT世代のグローバル結婚式。全てが常識外だったが、涙あり、笑いあり、家族と友人の暖かい祝福に包まれた、最高に楽しく幸せな結婚式だった。この日記は、僕らの「駆け込み婚」の一部始終を記したものである。
「そんなに結婚を急ぐなんて、きっとデキちゃったに違いない。」そう思われたあなた、残念。結婚を急いだのはビザの都合である。とはいえ、デキちゃった婚を悪く言うつもりなど毛頭ない。どんなに長い付き合いの仲良しカップルだって、結婚とはなかなか下せない重い決断であろう。だから年齢だろうがビザだろうが海外赴任だろうが子供だろうが、背中を押すものが何であれ、清水の舞台から飛び降りて結婚を決めてしまって、結果的に幸せになれるのならば、それでいいのだと思う。